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私は三次元に生きているので
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しおりを挟む「(アイドルのことばっかり)」
話すことはオタ活のことばかり、彼は私の話はほぼ生返事で聞いてはくれない。
私が好きだった彼はもうここに居ないんだな、そんな思いがじわじわと膨らんできていた。
そして度重なるヴァーチャルアイドルと私との比較、いよいよ溜まり溜まった不満が溢れそうになっている。
「これ新しいヤツ、なんかコレジャナイんだよな。このグループはそういう方針じゃないだろっていう。このファンもさ、金積めば良いと思ってんだよ、そういう時期もあったけどさ、ほら、デビュー時から見てる俺としてはさ」
鼻息荒く新人アイドルを貶すその姿、新規ファンに古参マウントを取るその姿。
「ふーん」
冷めた瞬間、ではなくてとうに冷めていた。
多少粗があっても許せるほどに優しいところがあるから好きだった。
でもそれが見える場面がどんどん減って、ついには個人の人格が見えないほどに悪い部分や他の事柄が蔓延っていった。
嫌いではなくて、関心が無くなった。
いや、嫌いなのかも。
「なんだよ、その返事」
おや私の声も耳に入っていたのか、彼は不服そうに舌打ちした。
でも残念、私はもう彼に愛想を振り撒く必要が無いのだ。
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