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第二話
第二十九節 未来への憧れ
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孤児院での生活もだいぶ慣れたある日のこと。軍の仕事が休みだったのか、ルーヴァが孤児院に顔を出す。いつものように休憩室でスグリとヤク、ルーヴァの三人でお菓子を食べながらいろいろな話をするのが、彼がここに遊びに来た時の時間の過ごし方だ。もちろんルーヴァを目当てに遊んでほしいとせがむ子供たちも多いため、二人占めはしないように。
二人はあの建国記念日以降、知識を知るためにと孤児院内に造られた学校で文学を学ぶようになった。学校と言っても簡単な計算問題などだが、それでも今まで学校というものを知らなかった二人にとってはその体験は新鮮なものであり、部屋に戻っても二人でいろいろ勉強するようになったのだ。そのことをルーヴァに話せば、彼は興味深そうに話を聞いてくれた。
「でも俺は正直、体を動かした方が好きかな」
「スグリはもっと、本を読んでもいいと思う」
「それを言うなら、ヤクはもっと体を動かした方がいいと思う」
「だって、本読むの面白いから……」
「まぁまぁ。人にはそれぞれ得意不得意があるからね、強要しちゃいけないよ」
ルーヴァが二人の言い合いを仲裁する。
実際、元々剣の稽古をしていたスグリは同年代の少年よりも体のつくりはしっかりしていた。体力も十二分にあり、孤児院内で自分より年下の子供の相手をしても疲れを感じることもない。ヤクは元々文字の読解に長けているのか、様々な本を読むようになっていた。文学の面においては、スグリもヤクから教えられたりするものだ。
なんにせよ彼らは今、学ぶことに貪欲になっている。新しいことを覚えるのが、楽しくてたまらないのだ。そんな二人の心境を読んだのか、ルーヴァはあることを二人に伝えた。
「ねぇ二人とも、孤児院内の学校じゃない学校もあるんだけど、興味はあるかな?」
「どういうことだ?」
「そんなところが、あるんですか?」
「あるよ。ミズガルーズ国立魔法学園ってところがね。魔法学園って言っても、学ぶのは魔法だけじゃない。この国のこと、世界のこと、いろんなことが学べるところでもあるんだよ。僕もその学園の卒業生なんだ」
ミズガルーズ国立魔法学園。ルーヴァの説明ではその学園は十二歳まで通う初等科、十五歳まで通う中等科、そして十五歳から通える高等科と、科が分かれた学園そのこと。ちなみに十五歳から通える高等科には、無理に通わなくてもいいらしい。中等科を卒業する際に、いくつかの分かれ道があるのだとか。
そして何より孤児院の外にある学園ということで、そこには様々な青少年が通っている。今よりも多くのことを学び、身に着けることのできる機会がある場所と言っても過言ではない。人間関係はもちろんのこと、世間を知ることができる。さらに言えば、自分の体の中をめぐる力──マナと呼ばれる力を理解することで、自分の新しい可能性を見出すことができる場所でもあるとのこと。
そんなルーヴァの説明を、二人はいつの間にか食い入るように聞いていた。ある程度の説明を聞き終えると、不意にヤクがこんなことをルーヴァに尋ねる。
「あの……その学園で勉強したら、魔術っていうものも使えるようになりますか?」
「そうだね、基礎的なことから応用的なことまで、いろいろ教えてくれるからね。それと自分の努力次第で、あっという間に魔術を使えるようにもなるよ」
「それって、ルーヴァさんみたいになれるかもしれないってことですか?」
「僕みたいに?なんか恥ずかしいけど、そうだね。頑張れば僕以上にもなれるかもしれないよ」
ルーヴァの言葉に、ヤクの胸に去来したものは何だったのだろうか。どこか期待に満ちたような目になり、息を呑んだように思えた。その様子を横目で盗み見ていたスグリに、ルーヴァが問いかける。
「スグリはどうだい?」
「へっ、あ、俺?」
「うん。興味あるかなって」
「うーん……魔術のこととかは全然分からないけど、いろんなことを知れるってのはすごく興味がある!」
「そっか、よかった。二人とも確か今年で十三歳になるから、中等科に入るならちょうどいい年だなって思ってね。もし行きたいのなら、入学手続きとか手伝ってあげられるよって言いたかったんだ」
その後も学園についてルーヴァに尋ねようと思ったが、休憩室に入ってきた他の子供たちがルーヴァを見つけるや否や、一目散に駆け寄ってきた。
「ルーヴァ先生、遊んで~!」
「ぼくも!」
「あたしも、ご本読んでほしー!」
「おっと、大集合だね。わかった、みんな順番にだよ」
彼の言葉にきゃっきゃと笑う年下の子供たち。そんな様子を見てしまったら、自分たちが引き下がるのが当然だろうと、スグリもヤクも考える。子供たちに手を引っ張られ連れていかれるルーヴァを、微笑ましそうに眺めた。最後休憩室から出る際にルーヴァは二人に改めて顔を向け、こう話す。
「この話はまた今度。学園に行きたいか行きたくないか、二人でじっくり考えておいてくれると嬉しいな。でも、どんな答えを出しても、僕は二人を応援するよ」
「ありがとうルーヴァさん」
「また今度」
ルーヴァを見届けて休憩室のお菓子を片付けた後、魔法学園についてもう少し詳しい話を聞きたくなった二人は、リゲルを訪ねることにした。彼は自分たちがルーヴァから魔法学園のことを聞いたと知ると、表情を和らげながら話してくれた。
魔法学園には多くの子供たちが通っているということは予めルーヴァから聞いていたが、その子供たちをある程度の人数にまとめて、組み分けをするのだという。あまりに多くの人数を一度に教えることは難しいから、とのことらしい。
そして自分たちが通うことになるかもしれない中等科の学業生活は基本は三年間。一年過ぎるごとに組み分け変更され、また学ぶ内容もより詳しいものに変わっていくらしいのだ。中等科の一学年目はあらゆる学問において、主に基礎的なことを学ぶらしい。二学年目はその基礎を応用していく技を、卒業年度の三学年目においては、より専門的なことを学ぶための知識も学ぶとのことで、実に多くのことを知ることができるのだと、リゲルは話してくれた。
学園について話を聞いたその日の夜。夕飯も食べ終わり部屋でくつろいでいた二人だが、スグリはあることを考えていた。内容は学園についてのことである。
今日の話を聞いて、学園に行ってみたいという思いを強く抱いたスグリ。聞けば学園は、この孤児院からそう離れていない距離にあるのだと。孤児院の外へ行くには、基本的にはリゲルたちの許可がいる。だが学生という身分になれば、その制限はいくらか緩和されるとも聞いた。
学園の組み分けについても、もしかしたらヤクとは離れてしまうかもしれない。しかし自分以外の同年代の子供と関わることは、彼にとってもいい経験にもなるはず。
ただ──それは自分がそう思いただけじゃないのか、と考える自分もいる。ヤクのこれまでの境遇を考えると、どうしても難しく思ってしまう。今でこそ孤児院内の広場では明るく振舞っているが、外の世界に対して彼の心の中にはまだ、恐怖があるのではないか。もしそうだとしたら自分の勝手で、彼を振り回して恐怖を煽るようなことをしてもいいのだろうか、と。
一人考えていたスグリだが、不意にヤクに話しかけられた。
「スグリは、学園に行ってみたい?」
「えっ?」
彼から聞いた言葉に驚く。まさかヤクの方から、学園についての話題を振られるとは思っていなかった。呆気に取られているスグリをよそに、ヤクは話す。次に耳に届いた彼の言葉に、スグリは再び驚かされることになる。
「僕は……行ってみたい」
「っ……!?」
今、彼は何と言ったのだろう。まさか、外の世界に対してあんなに恐怖を抱いていたヤクの口から、学園に行ってみたいなんて言葉を聞くことになるなんて。その言葉が強がりじゃないか確認するため、スグリは彼に尋ねた。
「お前……ルーヴァさんが教えてくれたからって、無理してんじゃないよな?」
「そんなことないよ。僕、今日の話を聞く前からずっと思ってたんだ」
それからヤクは、建国記念日の時に遭った出来事をスグリに話した。はぐれてしまったあとに、見知らぬ男たちに連れ去られそうになったこと。その時にルーヴァが助けてくれたこと。その時の彼の姿に、憧れを抱いたこと。
「僕も、ルーヴァさんみたいになりたいなって思ったんだ。あんな風に自分の力を、自由に使ってみたい、強くなりたいって」
「ヤク……」
「それに、いつか大喧嘩しちゃったときあったよね。その時に、ルーヴァさんが教えてくれたんだ。僕に託してくれたみんなの命は、僕と繋がってるって。託してくれたみんなが見たかった景色や体験を僕が見たりすることで、一緒に体験するんだって」
「そっか……いいこと教えてもらってたんだな」
「うん。それで、スグリが言ってくれたことの意味も分かったんだ」
──生きることを諦めようとするんじゃねぇ!何のために父上がお前を俺に託してくれたのか、それくらいは考えてくれよ!
いつだったかヤクに向かって叫んだその言葉。ヤクはずっと、その言葉の意味を考えていたのだと伝えてきた。彼の答えに、スグリはどこか心に温かいものが灯る感覚を覚える。彼に対して少し、過保護になってしまっていたのかもしれない。心の中で反省しながらも表情を綻ばせ、そうかと答える。
「なら、行かなきゃ損だよな」
「うん。それで、スグリは……?」
「俺も行ってみたいさ。いろんなことを学べるんだったら、面白そうだなって」
「よかった。実は僕一人だけだとまだ少し、怖くはあるんだ……。だから、一緒に行ってくれると嬉しいなって思ってた」
「もちろん、お前一人にはしないからな!」
「……!うん!」
学園に行くと決めた二人は、早速明日にでもルーヴァたちに伝えようと決める。満足な気持ちを抱いたまま、その日は寝るのであった。
二人はあの建国記念日以降、知識を知るためにと孤児院内に造られた学校で文学を学ぶようになった。学校と言っても簡単な計算問題などだが、それでも今まで学校というものを知らなかった二人にとってはその体験は新鮮なものであり、部屋に戻っても二人でいろいろ勉強するようになったのだ。そのことをルーヴァに話せば、彼は興味深そうに話を聞いてくれた。
「でも俺は正直、体を動かした方が好きかな」
「スグリはもっと、本を読んでもいいと思う」
「それを言うなら、ヤクはもっと体を動かした方がいいと思う」
「だって、本読むの面白いから……」
「まぁまぁ。人にはそれぞれ得意不得意があるからね、強要しちゃいけないよ」
ルーヴァが二人の言い合いを仲裁する。
実際、元々剣の稽古をしていたスグリは同年代の少年よりも体のつくりはしっかりしていた。体力も十二分にあり、孤児院内で自分より年下の子供の相手をしても疲れを感じることもない。ヤクは元々文字の読解に長けているのか、様々な本を読むようになっていた。文学の面においては、スグリもヤクから教えられたりするものだ。
なんにせよ彼らは今、学ぶことに貪欲になっている。新しいことを覚えるのが、楽しくてたまらないのだ。そんな二人の心境を読んだのか、ルーヴァはあることを二人に伝えた。
「ねぇ二人とも、孤児院内の学校じゃない学校もあるんだけど、興味はあるかな?」
「どういうことだ?」
「そんなところが、あるんですか?」
「あるよ。ミズガルーズ国立魔法学園ってところがね。魔法学園って言っても、学ぶのは魔法だけじゃない。この国のこと、世界のこと、いろんなことが学べるところでもあるんだよ。僕もその学園の卒業生なんだ」
ミズガルーズ国立魔法学園。ルーヴァの説明ではその学園は十二歳まで通う初等科、十五歳まで通う中等科、そして十五歳から通える高等科と、科が分かれた学園そのこと。ちなみに十五歳から通える高等科には、無理に通わなくてもいいらしい。中等科を卒業する際に、いくつかの分かれ道があるのだとか。
そして何より孤児院の外にある学園ということで、そこには様々な青少年が通っている。今よりも多くのことを学び、身に着けることのできる機会がある場所と言っても過言ではない。人間関係はもちろんのこと、世間を知ることができる。さらに言えば、自分の体の中をめぐる力──マナと呼ばれる力を理解することで、自分の新しい可能性を見出すことができる場所でもあるとのこと。
そんなルーヴァの説明を、二人はいつの間にか食い入るように聞いていた。ある程度の説明を聞き終えると、不意にヤクがこんなことをルーヴァに尋ねる。
「あの……その学園で勉強したら、魔術っていうものも使えるようになりますか?」
「そうだね、基礎的なことから応用的なことまで、いろいろ教えてくれるからね。それと自分の努力次第で、あっという間に魔術を使えるようにもなるよ」
「それって、ルーヴァさんみたいになれるかもしれないってことですか?」
「僕みたいに?なんか恥ずかしいけど、そうだね。頑張れば僕以上にもなれるかもしれないよ」
ルーヴァの言葉に、ヤクの胸に去来したものは何だったのだろうか。どこか期待に満ちたような目になり、息を呑んだように思えた。その様子を横目で盗み見ていたスグリに、ルーヴァが問いかける。
「スグリはどうだい?」
「へっ、あ、俺?」
「うん。興味あるかなって」
「うーん……魔術のこととかは全然分からないけど、いろんなことを知れるってのはすごく興味がある!」
「そっか、よかった。二人とも確か今年で十三歳になるから、中等科に入るならちょうどいい年だなって思ってね。もし行きたいのなら、入学手続きとか手伝ってあげられるよって言いたかったんだ」
その後も学園についてルーヴァに尋ねようと思ったが、休憩室に入ってきた他の子供たちがルーヴァを見つけるや否や、一目散に駆け寄ってきた。
「ルーヴァ先生、遊んで~!」
「ぼくも!」
「あたしも、ご本読んでほしー!」
「おっと、大集合だね。わかった、みんな順番にだよ」
彼の言葉にきゃっきゃと笑う年下の子供たち。そんな様子を見てしまったら、自分たちが引き下がるのが当然だろうと、スグリもヤクも考える。子供たちに手を引っ張られ連れていかれるルーヴァを、微笑ましそうに眺めた。最後休憩室から出る際にルーヴァは二人に改めて顔を向け、こう話す。
「この話はまた今度。学園に行きたいか行きたくないか、二人でじっくり考えておいてくれると嬉しいな。でも、どんな答えを出しても、僕は二人を応援するよ」
「ありがとうルーヴァさん」
「また今度」
ルーヴァを見届けて休憩室のお菓子を片付けた後、魔法学園についてもう少し詳しい話を聞きたくなった二人は、リゲルを訪ねることにした。彼は自分たちがルーヴァから魔法学園のことを聞いたと知ると、表情を和らげながら話してくれた。
魔法学園には多くの子供たちが通っているということは予めルーヴァから聞いていたが、その子供たちをある程度の人数にまとめて、組み分けをするのだという。あまりに多くの人数を一度に教えることは難しいから、とのことらしい。
そして自分たちが通うことになるかもしれない中等科の学業生活は基本は三年間。一年過ぎるごとに組み分け変更され、また学ぶ内容もより詳しいものに変わっていくらしいのだ。中等科の一学年目はあらゆる学問において、主に基礎的なことを学ぶらしい。二学年目はその基礎を応用していく技を、卒業年度の三学年目においては、より専門的なことを学ぶための知識も学ぶとのことで、実に多くのことを知ることができるのだと、リゲルは話してくれた。
学園について話を聞いたその日の夜。夕飯も食べ終わり部屋でくつろいでいた二人だが、スグリはあることを考えていた。内容は学園についてのことである。
今日の話を聞いて、学園に行ってみたいという思いを強く抱いたスグリ。聞けば学園は、この孤児院からそう離れていない距離にあるのだと。孤児院の外へ行くには、基本的にはリゲルたちの許可がいる。だが学生という身分になれば、その制限はいくらか緩和されるとも聞いた。
学園の組み分けについても、もしかしたらヤクとは離れてしまうかもしれない。しかし自分以外の同年代の子供と関わることは、彼にとってもいい経験にもなるはず。
ただ──それは自分がそう思いただけじゃないのか、と考える自分もいる。ヤクのこれまでの境遇を考えると、どうしても難しく思ってしまう。今でこそ孤児院内の広場では明るく振舞っているが、外の世界に対して彼の心の中にはまだ、恐怖があるのではないか。もしそうだとしたら自分の勝手で、彼を振り回して恐怖を煽るようなことをしてもいいのだろうか、と。
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「スグリは、学園に行ってみたい?」
「えっ?」
彼から聞いた言葉に驚く。まさかヤクの方から、学園についての話題を振られるとは思っていなかった。呆気に取られているスグリをよそに、ヤクは話す。次に耳に届いた彼の言葉に、スグリは再び驚かされることになる。
「僕は……行ってみたい」
「っ……!?」
今、彼は何と言ったのだろう。まさか、外の世界に対してあんなに恐怖を抱いていたヤクの口から、学園に行ってみたいなんて言葉を聞くことになるなんて。その言葉が強がりじゃないか確認するため、スグリは彼に尋ねた。
「お前……ルーヴァさんが教えてくれたからって、無理してんじゃないよな?」
「そんなことないよ。僕、今日の話を聞く前からずっと思ってたんだ」
それからヤクは、建国記念日の時に遭った出来事をスグリに話した。はぐれてしまったあとに、見知らぬ男たちに連れ去られそうになったこと。その時にルーヴァが助けてくれたこと。その時の彼の姿に、憧れを抱いたこと。
「僕も、ルーヴァさんみたいになりたいなって思ったんだ。あんな風に自分の力を、自由に使ってみたい、強くなりたいって」
「ヤク……」
「それに、いつか大喧嘩しちゃったときあったよね。その時に、ルーヴァさんが教えてくれたんだ。僕に託してくれたみんなの命は、僕と繋がってるって。託してくれたみんなが見たかった景色や体験を僕が見たりすることで、一緒に体験するんだって」
「そっか……いいこと教えてもらってたんだな」
「うん。それで、スグリが言ってくれたことの意味も分かったんだ」
──生きることを諦めようとするんじゃねぇ!何のために父上がお前を俺に託してくれたのか、それくらいは考えてくれよ!
いつだったかヤクに向かって叫んだその言葉。ヤクはずっと、その言葉の意味を考えていたのだと伝えてきた。彼の答えに、スグリはどこか心に温かいものが灯る感覚を覚える。彼に対して少し、過保護になってしまっていたのかもしれない。心の中で反省しながらも表情を綻ばせ、そうかと答える。
「なら、行かなきゃ損だよな」
「うん。それで、スグリは……?」
「俺も行ってみたいさ。いろんなことを学べるんだったら、面白そうだなって」
「よかった。実は僕一人だけだとまだ少し、怖くはあるんだ……。だから、一緒に行ってくれると嬉しいなって思ってた」
「もちろん、お前一人にはしないからな!」
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