5 / 60
第一話
第五節 思わぬ再会
しおりを挟む
「紹介しよう、ローゲ医師だ」
アニマートから紹介された男性は、ドルチェとは反対側のベッドの脇まで近付くと微笑みながら声をかけた。
「よろしく、ヴァダース。まずは助かって何よりだ」
「……あ、なたは……」
「ああ、色々話したいこともあるだろうが、今はゆっくり休みなさい。頭が起きてからでも、話は遅くはないよ」
そう話しかけていたローゲに向かって、まずはドルチェが頭を下げた。彼女は心から男性に感謝しているようだ。
「ローゲ医師、この度は本当にありがとうございました……!先生がいなかったら、今頃この子はどうなっていたか……!」
「いえいえ、しがない医師にはもったいないお言葉ですよご婦人。苦しんでいる人を救うのが、医師としての私の務めです。それを果たしたまでですよ」
「それでも、私からもあなたに感謝を。私たちの大切な息子を助けてくださったご恩は、一生忘れません。ありがとうございます」
「旦那様も、そんな。私も、彼の演奏が聴けなくなることは怖かったので。精一杯の処置はさせていただきました。目が覚めれば、ひとまず安心です。今日はゆっくり休ませてあげてください」
優しく両親に告げるローゲを、ヴァダースはただぼうと見ていた。話し終わったローゲが彼の視線に気付くと、やはり微笑んで頭を撫でる。その感覚が嫌に懐かしく感じてしまったヴァダースは、彼の言う通り休むことになった。
そして翌日。徐々に頭の回転も回復してきたヴァダースは、ローゲからの話を聞くことにした。ドルチェも同席したがっていたが、今部屋にはヴァダースとローゲしかいない。まずは二人で話がしたいとヴァダースがお願いしたのだ。どことなくローゲと顔見知りだったということを、隠したい気分だったためである。
ちなみに、ローゲはヴァダースが回復するまでこの屋敷で生活をしてもらっているそうだ。万が一があってはいけないと、アニマートがそう手配したらしい。あの襲撃の後、実に5日間もヴァダースは生死の境を彷徨っていたそうだ。今こうして生きていることが奇跡のようなものだ、とも。そしてまずは、怪我の状況について説明してもらった。
「単刀直入に言おう。奇跡的に、右目は失明してはいない。ただ、目の周りがひどく損傷していた。だからその傷が塞がるまで、眼帯は外してはいけない。感染症の予防にもなるからね」
「本当、ですか?僕、あんまり覚えてないですが、魔物に思い切り噛みつかれたから……右目はもう、見えないと思ってて……」
「そんなことはない。今は眼帯をしてその上から包帯で包んでいるから視界が暗いだけであって、目の周りの傷が塞がれば、しっかりと見えるさ。それは私が保証しよう、約束する」
「ローゲ医師……。ありがとう、ございます……!」
ローゲの言葉に安堵するヴァダース。そして彼からもう一つ、朗報を聞くことができた。あれだけの被害に遭っておきながら、腕も手も無事だとのこと。その言葉に思わず、身を乗り出す。腕も手も無事、それはつまり──。
「多少リハビリをすれば、今までのようにヴァイオリンを弾くことができる」
「本当ですか!?やめなくても、いいんですか!?」
「ああ、もちろん。大好きな音楽は、これからも続けられるよ」
「よかった……本当に、よかった……!!」
緊張の糸が切れたのか、ヴァダースはそこでようやく涙を流した。それは紛れもなく、安心から流れる涙。今まで培ってきたものが、すべて無駄に終わること。家族全員一緒の楽団で世界を回る夢を、諦めなければならないこと。それが怖くて堪らなかったのだ。ヴァダースにとって、音楽を続けられなくなることが一番の絶望である。それが回避されただけでも、十分すぎる。
ひとしきり泣いて、落ち着いたころ。ローゲは暗い表情になり、それで、と言葉を漏らし始める。
「キミを治療しているとき、ご両親から聞いたのだけど……。キミは、黒く大きな魔物に襲われた。そうだったね?」
「はい」
「それで……私と初めて会った時に話したこと、覚えているかい?」
ローゲの言葉に、ヴァダースは全身から血の気が引く感覚を覚えた。
はっきりと覚えている。ローゲから忠告されていた、その言葉の内容を。
呪いのオオカミと言われている魔物。
その魔物に傷を負わされたものは、その人生の一生を呪われてしまう。
黒い体毛に、赤と紫が入り混じった瞳を持つその魔物。
遭遇したら、すかさず逃げなさい。
初めて出会った時のローゲのその言葉が、頭の中で反響する。もしかして、そうだというのだろうか。自分を襲った魔物が、その呪いのオオカミだと。
表情が、そうローゲに訊ねていたのだろう。ローゲは不安で押しつぶされそうといわんばかりのヴァダースの手を握り、言い聞かせるようにゆっくりと話す。
「断言はできない。姿が偶然似てしまった、全く関係のない魔物の可能性だってある。むしろそっちの可能性のほうが高い。だがもし、その魔物だったとしても。私は全力でキミ守ろう。呪いなんて吹き飛ばすほどの力とともに」
「本当、ですか……?」
「もちろんだとも。つらい時も、苦しい時も、私がキミに道を与える。後悔しない選択を導く。約束しよう」
だから大丈夫だと、ローゲがヴァダースの背を撫でる。その手のぬくもりから、安心感を覚えたヴァダース。一つ頷き、それにローゲも頷き返す。
「あの、ローゲ医師。今からリハビリすれば、チャリティーコンサートの演奏は間に合いますか……?」
「そんなにコンサートが大事かな?その、医師として病み上がりの体に無理はさせたくないんだが……」
「僕にとっては、大事なことなんです。もし諦めてしまったら、お父様もお母様も安心して仕事に戻ることができないでしょう……」
「そんなことは……」
「僕のせいで二人の足を引っ張ってしまったら、僕は自分が許せなくなります!僕は二人に、苦しい思いを抱かせたまま楽団に戻ってほしくありません……!僕、頑張ります。だから教えてください!演奏は、できますか……!?」
必死にすがるヴァダースに、ローゲは一度瞳を閉じてから落ち着くように彼に言い聞かせた。乗り出していた体をベッドの背もたれに預け、ヴァダースはローゲの返事を待つ。
「……そうだな。多少の無理をしてリハビリをすれば、間に合わないことはない」
「じゃあ──」
「しかし、その無理はいずれキミの体に返ってくる。それがいつかは、私にもわからない。5年後かもしれない、20年後になるかもしれない。もしかしたら、来年かもしれない。そうなっても、キミはいいのかい?名家ダクター家を継げなくなるかもしれない、その可能性も考えてのことか?」
射貫かんばかりのローゲの視線。しかしヴァダースはその視線に臆することは、まったくなかった。真剣な表情でローゲの瞳を凝視しながら、彼ははっきりと答えを出す。
「わかってます。将来、全部を手放さなければならなくなったとしても、僕は選択したことを後悔しません。もし今回のことで全部を諦めたら、それこそずっと引きずってしまう……。時間は、元には戻りませんから」
ヴァダースの言葉を聞き受けたローゲは、わかったと頷いてからふっと硬かった表情を緩めた。
「そういうことなら、私も精一杯のフォローはしよう。しかし、無理しすぎない程度だ。限度を超えようものなら、即刻ヴァイオリンを取り上げてもらうからな」
「……!はい、ありがとうございますっ!」
満足のいく答えを得たヴァダース。話も終わったということで、別室で待っていたドルチェとアニマートを呼んでもらった。ローゲに呼ばれ部屋に入ってきた二人にヴァダースは最初に、コンサートがしたいと告げる。当然、二人は無理してほしくないと反対したが──。
「無理なんかじゃありません。このコンサートを成功させるのが、僕の今の目標なのです。仕事に戻るとき、お父様にもお母様にも苦しい思いをさせたままなのは嫌なんです。だから、お願いします。コンサートの日程は、白紙にしないで」
真摯な対応をするヴァダースに、アニマートもドルチェもそれ以上言えず。少ししてから、わかったと声をかけられた。
「そこまでお前が言うのなら、そうしよう。ただし、無理はするな。それだけは約束してくれるな?無理してまで、ステージに上げることはできん」
「はい、約束しますお父様!」
約束を交わしたヴァダースの頭を、アニマートが優しく撫でる。ドルチェはある花束を手に持ち、ヴァダースに見せた。聞けばそれは学園のクラスメイトたちからであり、同封されていたメッセージカードには彼の身を案じる言葉が並んでいた。
「これ、貴方が襲われたことを知って学園側が用意してくださったのです。ご学友の皆様にも、貴方の元気な姿を見せましょうね」
「みんな……!はい、僕頑張ります!」
ドルチェにも元気よく返事を返すヴァダース。それから、リハビリと猛特訓の日々をこなした彼。どうにかチャリティコンサートで演奏しても、恥ずかしくないセッションを聴かせられるまでに復活。そのことを両親も、マエストンをはじめとした屋敷のみんなも、そして付き添ってくれたローゲも、喜んだのであった。
コンサートは、いよいよ明日だ。
アニマートから紹介された男性は、ドルチェとは反対側のベッドの脇まで近付くと微笑みながら声をかけた。
「よろしく、ヴァダース。まずは助かって何よりだ」
「……あ、なたは……」
「ああ、色々話したいこともあるだろうが、今はゆっくり休みなさい。頭が起きてからでも、話は遅くはないよ」
そう話しかけていたローゲに向かって、まずはドルチェが頭を下げた。彼女は心から男性に感謝しているようだ。
「ローゲ医師、この度は本当にありがとうございました……!先生がいなかったら、今頃この子はどうなっていたか……!」
「いえいえ、しがない医師にはもったいないお言葉ですよご婦人。苦しんでいる人を救うのが、医師としての私の務めです。それを果たしたまでですよ」
「それでも、私からもあなたに感謝を。私たちの大切な息子を助けてくださったご恩は、一生忘れません。ありがとうございます」
「旦那様も、そんな。私も、彼の演奏が聴けなくなることは怖かったので。精一杯の処置はさせていただきました。目が覚めれば、ひとまず安心です。今日はゆっくり休ませてあげてください」
優しく両親に告げるローゲを、ヴァダースはただぼうと見ていた。話し終わったローゲが彼の視線に気付くと、やはり微笑んで頭を撫でる。その感覚が嫌に懐かしく感じてしまったヴァダースは、彼の言う通り休むことになった。
そして翌日。徐々に頭の回転も回復してきたヴァダースは、ローゲからの話を聞くことにした。ドルチェも同席したがっていたが、今部屋にはヴァダースとローゲしかいない。まずは二人で話がしたいとヴァダースがお願いしたのだ。どことなくローゲと顔見知りだったということを、隠したい気分だったためである。
ちなみに、ローゲはヴァダースが回復するまでこの屋敷で生活をしてもらっているそうだ。万が一があってはいけないと、アニマートがそう手配したらしい。あの襲撃の後、実に5日間もヴァダースは生死の境を彷徨っていたそうだ。今こうして生きていることが奇跡のようなものだ、とも。そしてまずは、怪我の状況について説明してもらった。
「単刀直入に言おう。奇跡的に、右目は失明してはいない。ただ、目の周りがひどく損傷していた。だからその傷が塞がるまで、眼帯は外してはいけない。感染症の予防にもなるからね」
「本当、ですか?僕、あんまり覚えてないですが、魔物に思い切り噛みつかれたから……右目はもう、見えないと思ってて……」
「そんなことはない。今は眼帯をしてその上から包帯で包んでいるから視界が暗いだけであって、目の周りの傷が塞がれば、しっかりと見えるさ。それは私が保証しよう、約束する」
「ローゲ医師……。ありがとう、ございます……!」
ローゲの言葉に安堵するヴァダース。そして彼からもう一つ、朗報を聞くことができた。あれだけの被害に遭っておきながら、腕も手も無事だとのこと。その言葉に思わず、身を乗り出す。腕も手も無事、それはつまり──。
「多少リハビリをすれば、今までのようにヴァイオリンを弾くことができる」
「本当ですか!?やめなくても、いいんですか!?」
「ああ、もちろん。大好きな音楽は、これからも続けられるよ」
「よかった……本当に、よかった……!!」
緊張の糸が切れたのか、ヴァダースはそこでようやく涙を流した。それは紛れもなく、安心から流れる涙。今まで培ってきたものが、すべて無駄に終わること。家族全員一緒の楽団で世界を回る夢を、諦めなければならないこと。それが怖くて堪らなかったのだ。ヴァダースにとって、音楽を続けられなくなることが一番の絶望である。それが回避されただけでも、十分すぎる。
ひとしきり泣いて、落ち着いたころ。ローゲは暗い表情になり、それで、と言葉を漏らし始める。
「キミを治療しているとき、ご両親から聞いたのだけど……。キミは、黒く大きな魔物に襲われた。そうだったね?」
「はい」
「それで……私と初めて会った時に話したこと、覚えているかい?」
ローゲの言葉に、ヴァダースは全身から血の気が引く感覚を覚えた。
はっきりと覚えている。ローゲから忠告されていた、その言葉の内容を。
呪いのオオカミと言われている魔物。
その魔物に傷を負わされたものは、その人生の一生を呪われてしまう。
黒い体毛に、赤と紫が入り混じった瞳を持つその魔物。
遭遇したら、すかさず逃げなさい。
初めて出会った時のローゲのその言葉が、頭の中で反響する。もしかして、そうだというのだろうか。自分を襲った魔物が、その呪いのオオカミだと。
表情が、そうローゲに訊ねていたのだろう。ローゲは不安で押しつぶされそうといわんばかりのヴァダースの手を握り、言い聞かせるようにゆっくりと話す。
「断言はできない。姿が偶然似てしまった、全く関係のない魔物の可能性だってある。むしろそっちの可能性のほうが高い。だがもし、その魔物だったとしても。私は全力でキミ守ろう。呪いなんて吹き飛ばすほどの力とともに」
「本当、ですか……?」
「もちろんだとも。つらい時も、苦しい時も、私がキミに道を与える。後悔しない選択を導く。約束しよう」
だから大丈夫だと、ローゲがヴァダースの背を撫でる。その手のぬくもりから、安心感を覚えたヴァダース。一つ頷き、それにローゲも頷き返す。
「あの、ローゲ医師。今からリハビリすれば、チャリティーコンサートの演奏は間に合いますか……?」
「そんなにコンサートが大事かな?その、医師として病み上がりの体に無理はさせたくないんだが……」
「僕にとっては、大事なことなんです。もし諦めてしまったら、お父様もお母様も安心して仕事に戻ることができないでしょう……」
「そんなことは……」
「僕のせいで二人の足を引っ張ってしまったら、僕は自分が許せなくなります!僕は二人に、苦しい思いを抱かせたまま楽団に戻ってほしくありません……!僕、頑張ります。だから教えてください!演奏は、できますか……!?」
必死にすがるヴァダースに、ローゲは一度瞳を閉じてから落ち着くように彼に言い聞かせた。乗り出していた体をベッドの背もたれに預け、ヴァダースはローゲの返事を待つ。
「……そうだな。多少の無理をしてリハビリをすれば、間に合わないことはない」
「じゃあ──」
「しかし、その無理はいずれキミの体に返ってくる。それがいつかは、私にもわからない。5年後かもしれない、20年後になるかもしれない。もしかしたら、来年かもしれない。そうなっても、キミはいいのかい?名家ダクター家を継げなくなるかもしれない、その可能性も考えてのことか?」
射貫かんばかりのローゲの視線。しかしヴァダースはその視線に臆することは、まったくなかった。真剣な表情でローゲの瞳を凝視しながら、彼ははっきりと答えを出す。
「わかってます。将来、全部を手放さなければならなくなったとしても、僕は選択したことを後悔しません。もし今回のことで全部を諦めたら、それこそずっと引きずってしまう……。時間は、元には戻りませんから」
ヴァダースの言葉を聞き受けたローゲは、わかったと頷いてからふっと硬かった表情を緩めた。
「そういうことなら、私も精一杯のフォローはしよう。しかし、無理しすぎない程度だ。限度を超えようものなら、即刻ヴァイオリンを取り上げてもらうからな」
「……!はい、ありがとうございますっ!」
満足のいく答えを得たヴァダース。話も終わったということで、別室で待っていたドルチェとアニマートを呼んでもらった。ローゲに呼ばれ部屋に入ってきた二人にヴァダースは最初に、コンサートがしたいと告げる。当然、二人は無理してほしくないと反対したが──。
「無理なんかじゃありません。このコンサートを成功させるのが、僕の今の目標なのです。仕事に戻るとき、お父様にもお母様にも苦しい思いをさせたままなのは嫌なんです。だから、お願いします。コンサートの日程は、白紙にしないで」
真摯な対応をするヴァダースに、アニマートもドルチェもそれ以上言えず。少ししてから、わかったと声をかけられた。
「そこまでお前が言うのなら、そうしよう。ただし、無理はするな。それだけは約束してくれるな?無理してまで、ステージに上げることはできん」
「はい、約束しますお父様!」
約束を交わしたヴァダースの頭を、アニマートが優しく撫でる。ドルチェはある花束を手に持ち、ヴァダースに見せた。聞けばそれは学園のクラスメイトたちからであり、同封されていたメッセージカードには彼の身を案じる言葉が並んでいた。
「これ、貴方が襲われたことを知って学園側が用意してくださったのです。ご学友の皆様にも、貴方の元気な姿を見せましょうね」
「みんな……!はい、僕頑張ります!」
ドルチェにも元気よく返事を返すヴァダース。それから、リハビリと猛特訓の日々をこなした彼。どうにかチャリティコンサートで演奏しても、恥ずかしくないセッションを聴かせられるまでに復活。そのことを両親も、マエストンをはじめとした屋敷のみんなも、そして付き添ってくれたローゲも、喜んだのであった。
コンサートは、いよいよ明日だ。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
必ず会いに行くから、どうか待っていて
十時(如月皐)
BL
たとえ、君が覚えていなくても。たとえ、僕がすべてを忘れてしまっても。それでもまた、君に会いに行こう。きっと、きっと……
帯刀を許された武士である弥生は宴の席で美しい面差しを持ちながら人形のようである〝ゆきや〟に出会い、彼を自分の屋敷へ引き取った。
生きる事、愛されること、あらゆる感情を教え込んだ時、雪也は弥生の屋敷から出て小さな庵に住まうことになる。
そこに集まったのは、雪也と同じ人の愛情に餓えた者たちだった。
そして彼らを見守る弥生たちにも、時代の変化は襲い掛かり……。
もう一度会いに行こう。時を超え、時代を超えて。
「男子大学生たちの愉快なルームシェア」に出てくる彼らの過去のお話です。詳しくはタグをご覧くださいませ!
隊長さんとボク
ばたかっぷ
BL
ボクの名前はエナ。
エドリアーリアナ国の守護神獣だけど、斑色の毛並みのボクはいつもひとりぼっち。
そんなボクの前に現れたのは優しい隊長さんだった――。
王候騎士団隊長さんが大好きな小動物が頑張る、なんちゃってファンタジーです。
きゅ~きゅ~鳴くもふもふな小動物とそのもふもふを愛でる隊長さんで構成されています。
えろ皆無らぶ成分も極小ですσ(^◇^;)本格ファンタジーをお求めの方は回れ右でお願いします~m(_ _)m
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる