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第七章
第四四一話 リモート会議だよ。アジャンダを守ろう
しおりを挟むアジェンダ3: 元老院臨時会議の開催予定について
『皆さん、こんにちは。デント・スランプ・デプレスリウスです』
「教皇様!? 参加してらしたんですか……唐突に出て来ないでください」
『ふぉふぉ……チェスカさん。貴女もこっちに来て、女神の試練、受けてみませんか?』
「失礼しましたぁ!」
『猊下、それはダメです。チェスカも妊娠中らしいんで。チェスカはおめでとう! そしてありがとう!』
「ホヅミさま……コンドームに穴開けてごめんなさい。でも、あんだけ中に出して気付かない方もどうかしてるでげす」
『でしたら妊娠されていない方は全員で試練を『猊下!』……試してみてくださいよ。ナツ・ニイタカさんも、メリッサ・ノーマン・ニイタカさんも、リヒト・ニイタカさんも彼に邪魔されるのですから』
「これはいけないかしら! ホヅミン! ゼクシィも早く妊娠しないと異端審問官にされちゃうわ!」
『先生は……冷蔵魔堰で空輸して貰えば……? 子種を……』
「クリスぅ~? 何を言ってるクリス? ふざけるのも大概にしろ」
『先生は……手段を選んでいられない……。ボクと違って……えへへ……』
「クリス――ぅ!」
「皆さん、アジェンダを守って発言してください。それと全員が猊下に命を握られていることを忘れないでください」
『思い出したよ。ハインとリヒトと名付けた姉妹がいた。ハインさん。貴女も、女神の試練、もう一回「あっ! 逃げた!」……受けなさい。ヴェル……バルトさん。貴方は夏場を「え!? 居ない! いつの間に!?」……手伝いなさい』
「二人とも廊下で死んでます!」
「いや、気絶してるだけだが……これは……「あ。起きた」……起こされたな」
『お二人とも。早急に総本山まで出頭しなさい。いいですね?』
「「…………はい」」
『……それで、元老院の臨時会議とは何ですかな? 聞いたことはないが?』
アジェンダ3-2: 元老院臨時会議の開催予定について
『バカな! 兄者がニイタカ殿に委任状を!?』
『おのれ……イーナンめ! 見事に踊らされたわけか!』
『余計なものは全て消したか。くくっ……あの男らしい』
『そういうわけでして、臨時会議を開いて皇帝を動かすためには受けるしかないんです』
「ホヅミが十賢者だぁ……?」
「似合わないわさ……大丈夫かい?」
『俺だって嫌ですよ。でも、ここまでされたら……ねぇ?』
「はぁ~。完っ全に掌の上さね。一体いつから……」
「御館様がニイタカさんを知ったのは……オプシーの奴隷オークションです。亡くなるまで、たった半年足らず……」
「しかもシュキに毒を盛られながらだ。手足となったおれも気づかなかった」
『『『……怪物だ』』』
『もっと普通にして欲しかったです。親父がそんなんだからシュキがグレたんですよ』
『『『…………』』』
『十賢者の皆さんは明後日までに聖都入りします。ノックス・ノーマンさんとオルフェ・アルゴさんは到着されましたので既に始めていますが、早急に打ち合わせを終えて、開催の動議を行い、無理にでも始めてもらわなければなりません』
『でもね猊下。俺は皇帝に謝りたくないんです』
「ホヅミ! この馬鹿者が! 己れの腹案を無視して動いて、何をやっとるんじゃ!」
『でもブリエ爺様もわかってるでしょう? テロ国がやらかしたことなのに、なんで俺が悪いの? テロリストの犯行声明で容疑は晴れたんじゃないの?』
「たしかに陛下の腹は読めん! わからん! じゃが、よりにもよって帝城に体当たり……皇室を丸ごと敵に回してどうるんじゃ!?」
『いや、ノーマン卿。あながちそうとも言い切れんぞ? 貴公には見えぬやもしれんがな』
「……なんじゃ敗残? なんか言うたかの~う?」
『バリスタの不意打ち相手に勝ちも負けもあるものか。第四が同じ轍を踏まぬことを祈ろう』
「魔獣密輸艦隊と一緒にするでないわい! 一網打尽にされるようなことは無い!」
『くくっ……相変わらずよく吠える。イーナンが消えて一安心といったところか』
「ふんっ! イーナンのクソ餓鬼に家も派閥も潰された分家に言われとうないわい!」
『『――なんだと?』』
「次に参ります。皇室に対するイーシュタル派閥の見解は後ほど文書で展開してください」
『『『…………』』』
アジェンダ4: 新型義肢の開発状況および武器弾薬の量産について
『クリス。色々と頼んじゃったけど……大丈夫だったか?』
『はい……。ホヅミさまの新型はかなり前にできました……。ベアハングを実装してます……』
『何ぃ!? ドシュドシュ動くのか!?』
『えへへ……目線の先を追うように自動制御されます……。内蔵された新型魔爪は……えへへへへ……お楽しみに……』
『おおおおお~! すごいぞクリス!』
『あと普通の筋電義手と義足がいくつか……指先まで動くやつ……。狙撃手用の肩部マウントアームも完成しました……。弾丸の自動装填機能と銃身固定機能付き……取り付けた筋電義手と連動して制御されます……』
『あぁ~りがてぇ~! お嬢ちゃん~! お礼にぃ~、誰でもぉ、十人までぇ、無料でぇ、始末してあ~げようぅ!』
『タダより高いものはない……です……』
『よもやスフィア隠密を遺すとは……兄者の考えることはわからん』
『他は全員改造魔獣の餌ですから偶々ですね。ともかく義肢の提供に感謝します。タスラムは量産できそうですか?』
『制限はあるけど可能……です……。具体的には……熱量魔法を込められない……砲魔堰の砲弾も同じ……』
『十分だと思います。タスラムについてはですが』
「爆発しない砲弾では少々心許ないのう」
『クリス。可燃ガスを封入してどうにかならない? 水素とか』
『わかりました……安全第一で実験してみます……。カンナ……白旗魚でこっち来て……』
「あいっ! クリス姉さん!」
『完成したら図面とサンプルを送って貰いたい。ノースで量産体制を整える』
「ノックス。艦隊はどの程度残っておる?」
『回遊対策として半数を残しております。砲魔堰は少々足りませんが問題ありません。砲弾など……いざとなれば投げれば良いのです』
『……脳筋が。これだからノーマンは油断ならんのだ』
『なぁ。忙しいとこ悪ぃんだがよ……おれの手足は?』
『シロウさん……ですよね……?』
『おう……よろしく』
『とりあえず普通の義肢を試してみてください……。ただ……たぶん思兼がエラーを起こします……。四肢ともなると同期を取らなきゃ……でも制御モジュールと駆動系はバラバラ……汎用思兼のプログラムじゃムダが多すぎてバグも出るだろうし……どうしよう……』
『なんか良くわからねぇがよ……別に人間の手足じゃなくても動けりゃいいぜ?』
『――天才か……!? 決めました……! シロウさんのは義体にします……! 今のうちに八本足になった自分を想像しておいて……ください……!』
『なんだそれ? 蟹かよ?』
『ボクのイメージは蜘蛛みたいな感じ……。高出力の回転魔堰を全関節に組み込んで……アクチュエータを介した空気圧駆動系も搭載すれば……えへへ……』
『クリス。油圧式の方がトルクは出るし反応もいいはずだ。アキュームレータに蓄圧してパイロットバルブでアクチュエータへの吸入・吐出を制御してみろ。参考までに基本的な油圧回路図を送るから』
『はい……ホヅミさま……!』
『ギタイ? クモ? クモねぇ……おもしれぇじゃねぇか』
「クリス。モノを送るのはいいが末梢神経の接続手術はどうするんだ? 施術できる医師は私とルシオラだけだ……うふふ……ゼクシィが出張するかしら!」
『むぅ……ルシオラさんにお願いします……』
「なんでよ!?」
『大使館は今からが大変なのよ? ゼクシィが抜けてどうするのかしら?』
「ニルとハヅキは育ってるから大丈夫かしら!」
「「救急対応は自信無いです」」
『決まりね! 私が大陸に出張するわ!』
『じゃあ、お義母さんにお願いします。もうすぐフィーアとメリッサがそっちに着くと思いますんで』
『ええ、ホヅミさん。任せなさい。全員、神経露出させてやるかしら。すごく痛いから覚悟しておいてね』
『うん。アレは痛い……! 超痛い!』
『『『…………』』』
アジェンダ5: レギオン生理研究の結果について
「結論から言うと、一つ一つのレギオンはヒトの体細胞に酷似していた。アレは魔堰の材料として量産された女神の血肉そのものだと結論していい」
『……ゼクシィ。じゃあ転写紙の記載は? なんでアンプルに封入されてる?』
「それはわからないかしら。古代でも一部の人間しか知らなかった可能性もあるし、魔力さえあれば肉体を治癒できる効果だけがわかってて……流用したのかも」
『ふむ。それはあり得ますね。教会がレギオンを回収するのもそのためですから』
『たしか……至上命題になってるんでしたか?』
『ヴェ……バルトさん。貴方に渡したアンプルはどうしましたか?』
「最終的には……ハインが使いました」
『イーナン氏に渡したと? ……しょうがない人ですね。何のためにラクナウ担当に持たせているのか?』
「……申し訳ありませんでした」
『ともかく貴方は夏場を手伝ってください。レギオンにも罹患したそうですし、そう簡単に死にません』
「…………」
「バルト。行く前に入籍しましょう。家名を決めなければね」
『おや? お二人はそういう関係でしたか。ならばスランプ家を名乗ればよろしい』
「「……スランプ?」」
『グレートにしません?』
「何を言ってるだわさ。スランプ家に決まってるさね。名誉なことだし、何より脅しが効くさね」
「バルト・スランプ……か?」
「ハイン・スランプ……ですか?」
『……おめでとうございます! デプレスリウスよりいいと思う!』
「何やらアジャンダから逸れたような気もしますが、ありがとうございます」
アジェンダ6: 家出ニートの捜索状況について
『ちょっと! 俺、聞いてないけど!? ビクトリアが家出!?』
「ホヅミン落ち着いて。あのビクトリアは想像以上にしぶとくて生き汚いかしら」
『ひどい言われようだな! 何があった!?』
「ナメクジみたいな女よ。きっと何処かでしれっと生きてるかしら」
「秘密裏にリゲート義叔父様とランドルフにも捜索を依頼したわさ。西か南に逃げたなら補足できるさね」
『まだ見つかってないんですよね?』
「あの情勢で北に居たら終わりさね。つまりビクトリアば東に逃げたと考えるべきだわさ」
『消去法じゃん!』
「とにかく、シュタインが白海豚で東方に向かったわさ。近場の島郡からしらみ潰しにしてるから、その内に見つかる」
『漂流してる可能性は!?』
「東は小島が密集してるから、流されたら必ずどっかに引っかかる。ビクトリアもそれはわかっててやってるわさ。だから心配ないさね」
「どうせ探しに来るのを待ってるだけかしら。領主に口止めした上で、その家の世話になってるに決まってるわよ」
『ホント……何があったの? ビクトリアの株が大暴落してるじゃん……』
『脱出船は改名しましょう……。ニイタカ号でどうですか……?』
「この情勢でそれは体裁が悪いわさ。移民船みたいなもんだから……帝城から名前をもらうさね」
大使館の脱出船はやっつけ気味に『イミグランテ号』と命名された。
設計のコンセプトは『とにかく大勢乗れる大きな救命艇』だ。
安全性の確保は大前提として、ダブルハルの内側は積層式の天井の低い居住空間が広がり、脱出時には組み立て式の座席がびっしりと並ぶことになる。
船尾両舷には『白旗魚』と同様の補助推進ブースターを搭載し、三〇〇メートル級の超大型船のわりには逃げ足が物凄いことになる。
ただし、水中翼は無いので『一杯』を併用しても最大速力は六〇ノットが限界だ。
ゴルドとカントが六時間交代で工程管理を行い、地下ドックはシフト制で二十四時間稼働し続けている。
大使館の命運を握る方舟『イミグランテ号』の完工まで――、あと四十二日。
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