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1話 異世界見るべき目
1-2 魔法修行はキツすぎる
しおりを挟む牢獄の中、今現在魔法を扱える様に修行中だ。なぜ修行する事になったことはこと一時間前にさかのぼる。
「ルクシア・レアムと申します。この度は魔法を貴方様がお使いになられたということで、私が貴方様の力を制御させる為ブライトウェル・リンドゥルお嬢様に雇われました。」
ルクシアとなのる耳の尖った黒のメイド服をきていて、赤い猫目の様な女性は「お名前は。」と訪ねてくる。よくよく考えると自己紹介をしていなかった。
真顔で名前を聞いてくるルクシアは闇を纏っている孤高の女という雰囲気を出している。
「俺は風方陽(かぜかたよう)」
「陽様。よろしくお願いします。」
その一言を交わすとルクシアは何もないところから杖を出して、「asoa a sock」と聞いたことのない言語を発するとそこから小さなドラゴンが現れた。
さっきまでの俺はこの事実に狼狽えていただろう。だが今は違う!何故か耐性がついてしまったのか、非現実的な事をあっさり飲み込んでしまった。
ドラゴンは水色の綺麗な鱗を纏い、小さな身長、空色の綺麗な瞳。大きさからして子供ドラゴンみたいだ。「キュウ!」と云いながら俺に寄り添ってくる。独特な懐かしい匂いがし、落ち着く。この子供ドラゴンには癒やし効果でもあるのか?!
「このドラゴンは使い魔の様なものです。陽様も力を制御されたら、召喚が可能です。」
「まじかよ!」
陽は極度の動物好きだ。家に飼っていたペット数は50はこえる。無数の動物好きといわれ、家は小さな動物園として経営していたくらいだ。無論、こんな小さく可愛いドラゴンも範囲内になる。
しかもルクシアは力を使いこなせれば動物(使い魔)を召喚できると言った。これは凄い癒やし要素だ。このなんかヤバイ牢獄の中での生きる糧になるのだ!
「まずは魔法という存在から説明いたしましょう。」
ルクシアが一言言い、パチンと指を鳴らすと後ろから机が現れその上に30冊は超えるであろう、魔法に関すると思う本が現れたのだ。
ルクシアは「この中身は2日で暗記してしまいましょう。」と言った。鬼畜すぎる!齢25歳で勉強するとは思ってなかった。大学で終わったと思っていたのに。
しかもルクシアが言うのは暗記である。ある程度中身を覚えろのほうがまだマシだ。それに2日でである。
俺が困惑しているとルクシアが説明をしはじめた。
「この世界には火・水・木・闇・光の5つの魔法属性があります。私の魔法はこの中の水属性に当たります。」
そう言うと手からドームみたいな物を作り上げ、その中に水を入れた。よく見るとドームは水出来ており、その中にまた水が入ってるようだ。
「無論、属性によって弱点があります。火は水に弱く、水は木に弱い。木は火に弱く、闇は光に弱い。光は闇に弱い。この様な属性による弱点があります。陽様の場合一番にお使いになられた魔法はツタ。なので、今の仮としては木属性に配分させていただきます。」
淡々と話すルクシアをみると妙に説得感が湧いてきた。まだ不思議だがここには属性というものがあるらしい。木属性という事は植物に関する魔法に長けているということなのか。自分で思うのも何だが植物に関しては人よりも知識は豊富で、ガーデンを作ろうと思っていた位だ。
(仮、という事はこれから属性は変わるという可能性がない訳じゃないのか。)
少し魔法という存在に興味が湧いてきた。今の俺はゲームで言う魔術師辺りだろう。ゲームでは魔法を使うにはMP、通称マジックポイントというのを消費するのだがこれはこの異世界でもあるのだろうか。
次々に興味が湧いてくる。というより、自分の知らない世界を見てみたくてたまらない。不思議と緊張は抜けワクワクがこみ上げてきた。
新たな知識を貰いたいと、俺はルクシアの話に耳を傾けた。
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