異世界へ転生ってアリだよね?!

白狐黒狐

文字の大きさ
9 / 9
1話 だってアクテゥールダカラ

1-2 愛などはイラない

しおりを挟む



〈ガチャ〉
ドアを開ける。その音に気づいたのか、二階からこちらに来る足音がする。近くにきていることがわかると、家に足を踏み込む。

「母サン。帰ってキタよ。」

アクセリアはその愛もない言葉を言う。だが、他人には凄く愛のこもった言葉に聞こえているのだ。これはアクセリアの「妖艶(ようえん)」自分の言葉に感情をもたせることができる。正直アクセリアは生まれてこの方、人を愛したことがない。そんな感情など魔王には縁もなかったものだからだ。それに、人間不信に陥っていたアクセリアが愛など持つだろうか?

愛など、戦闘には不必要である。それで心が揺らいでしまったら、相手に遅れを取ってしまう。というより、「愛」という感情がよくわからないのだ。けつこんやかれしぃやかのじよなど馬鹿がやることとしか思えない。

だが、繁殖は別だ。自分の種族を増やす為の大事な事だと思う。だが、アクセリアはそんな事はしたくなかった。自分と同じ存在は一人でいいと思ったし、そもそもアクセリアが子育てなどやれる訳がない。
そんなことを考えていると前からなきながら歩く、エルフの年老いた女性が現れた。

「ア、アクセリア……」
「久しぶりダネ。母サン。」
「おかえりなざい……!アクセリア…!」

泣きじゃくりながら、アクセリアより身長が小さくなり年老いたエルフの母ーー。アクア・ミゼはアクセリアに抱きついた。そんな母を慰めるように背中を優しく叩く。もう母は年老いて200は超えたであろう。エルフはもともと寿命が短いが、ミゼは病気がちで寝込むのが多かったのだ。そのせいかエルフの寿命ーー350歳ではなく200歳ぐらいが寿命だろうと言われていた。アクセリアの歳は124歳。

ミゼは子供を産むと君は負担に耐えれなくて、亡き人となってしまうと医者に言われたらしい。それでもアクセリアを76歳で出産。体が弱いミゼが子供を産んでここまで生きられたのは奇跡に近いと言われた。そんな母に感情を抱いたことはなどないが。ここまで生きられたのは凄いとも思わない。何故なら、自分がその時のみだが、体力後続魔法をかけてやったからである。その後にこうして生きられているのは知らない。生命力が高かったかなんかだろう。

「貴方をこの手で抱けるのが最後に出来てよかった………!」

ほがらかな笑顔でこちらをミゼは見つめる。その笑顔は心からアクセリアを死ぬ前に抱けたことを喜んでいることを示していた。そんな母をアクセリアは無様だなと思った。自分は何も思っていないのに、ミゼは俺をいる。それは馬鹿だ。ミゼが父を愛したのも馬鹿だと思う。アクセリアの父で風使い、ウォアル聖騎士団二番隊隊長ーーアクア・マイル。

転送装置でカウォルTheリンクという違う異世界からやってきたマイルは、その実力を認められウォアル聖騎士団二番隊隊長として聖天使に雇われた。そして、その時にミゼと恋に落ちたーー。




             ◇   ◇   ◇




〈カキーン!カキーン!!〉

稽古場に剣と剣で手合わせをしている音が響く。その音は次第に小さくなってゆき、最後は、剣が落ちる音が響いた。二人は汗をかいて稽古を一旦終わらせる。その汗はどれほど稽古をしていたかわかるものだった。二人はペットボトルに入った水を飲む。その透き通った水はマイル達の喉を潤す。まるで砂漠でオアシスを見つけ、水を飲んだ時みたいに幸せ感がくる。

「アザン。そろそろ狩りに行くか?」
「あぁ。行こう。」

マイルは自分のロッカーから大きい太刀を、アザンは自分のロッカーから2つの短剣を取り出した。そして稽古表に「アクア・マイル、バナー・アザン=狩り」と隣にあったアカザミの羽根ペンで書く。その文字は達筆で綺麗に書かれている。聖騎士団本拠地の門を開けて、数分あるくと目の前には看板があり、その看板には『ココ 東大草原  その先 東水洞窟』と書かれていた。

東大草原には、格好の獲物がいた。それはクドリュフ。クドリュフとは大きなトカゲ型生物で【体長】【約20m】で【H P】【約58200】の上級モンスターである。焼くと外側がジュワッとやけ、中がすごく柔らかい肉になる。高級ディナー料理にもよく使われていて、すごく旨い一級品料理だ。個体によって旨さや体長、H Pが異なる。それをはかるのがこの「エカリティー」だ。エカリティーをつけてそのモンスターを見ると、体長にH P、魔力量がわかる代物でモンスターを狩るための必需品である。

「ガルルルルッ!!!」

クドリュフが威嚇をしてくる。マイルとアザンは剣を抜き、エカリティーでこのクドリュフを分析した。
〈ピピピピピ〉  


【モンスター情報】

名前 クドリュフ

体長 22.5m

H P 61000

魔力 5700


「中々骨がありそうだな。アザンいくぞ!」
「おうっ!」
「グラァァァァ!!!」

マイルが前から突進する。そして二弾ジャンプ。その跳躍力でクドリュフの頭より上にまわる。そして太刀を頭から一刀両断させる構え。クドリュフは即座に上をむき、ブレスをはく。マイルは空中横回りをしてブレスを避け、膝蹴りを試みる。クドリュフはそれを睨み、爪で引っ掻きにくるが、それを待っていたかのように後ろからアザンが短剣で構えを取り、「聖龍術技 創刀賢斬(せいりゅうぎじゅつ そうとうけんざん)」と魔法を纏わせた短剣の技を出す!

クドリュフは後ろを向こうとするが、前からのマイルの攻撃により向くことができない。これは稽古でも練習してきた技だ。二人の息があっていないとできない技で聖騎士団の中では、3ペアしか出来ない。その1ペアがマイル&アザンペアだ。
〈ザグッ!!!〉

「グガァァァァァ‥‥‥‥。」

クドリュフはドサッと倒れ、そのまま息絶えた。二人はハイタッチをすると、クドリュフの皮を剥がし始めた。クドリュフの肉の中で一番旨いのは腹の肉だ。だが、少し固みがあり臭みもある尻尾の肉も捨てがたい。そう考えながら二人はいつも持っているサバイバルナイフを取り出し、慣れた手つきで解体を始めた。

まず、腹を裂く。そして骨を退かし肉を取り出す。肉用専用ケースに肉を入れる。次は尻尾の肉だ。骨が少々硬いのでハンマーで叩く。割れた骨は退かして尻尾の肉を取る。ケースに入れてナイフとハンマーを直す。そしてマイルとアザンは聖騎士団本拠地へ帰る。

「今日は上々だな!」
「そうだな。マイル。今日はクドリュフの厚肉焼きだな。」
「おう!」



       ーーーーーーーー移動中ーーーーーーーー

しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

lovedoll
2016.11.04 lovedoll

めっちゃ面白かったです!次の更新も楽しみにしてます!白狐黒狐先生大好き?次が気になってやばいです!

2016.11.04 白狐黒狐

ありがとうございます!一日に一話は更新していくので、楽しみに待っていてください!

解除

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。