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序章
0-1 非日常のレベルが違う
しおりを挟む人には良い所、悪い所があるだろう。勿論俺もその例に当てはまる。
中学入学後にあった自己紹介文の良い所に『ゲームとかファンタジーの事を知っている。』と書き、悪い所に『ニートになりたいと思ってる事。』と書いた。
黒歴史である。俺自身、そう思っている部分もあったと思う。でも、このような書き方はなかったのでは無いだろうか。
ん?その後?勿論父親に叱られたし、友達からは笑われる。今でも中学時代の友達に会うとそれを引っぱり出されることがあり、その事がいつの間にか色々な所に広まっているのだ。
皆も安易な事は自己紹介文に書かないほうがいいだろう。『その場のノリで行動すると一生残る。』中学時代にこれを学んだ。
さて、少し脱線してしまった。話に戻ろう。
そう。人は完璧じゃない。考える事も一緒じゃないから皆違う就職場だし、良い所悪い所も違う。
考える事と言えば、ずっとこの日常が続けばいいと思う人もいるし、非日常‥‥スリルを味わいたいという人がいる。
自分は前者。五体満足、美味しい食べ物、温かい家、優しくて時には怒るけど大切な家族。それに友達。こんなにあるのに他に何を望むのだろうか?
俺はこれで十分すぎる。でもほんの少し。本当に少しだけ。
あの時はほしいと思った。少しの非日常が。それは今の現状を望んだわけではない。いや、これは望んだ事とはかけ離れていた。
普通スリル=死ぬと思うか?!
◆◇◆◇◆◇◆◇
家は俺が神経質だから、綺麗‥‥な方だと思う。場所を固定する癖があり、他人に変な所に置かれるとイライラする。
心の中で「そこに置くんじゃないっ!向こうだ!」と叫ぶものの、心の中なので友達には聞こえていはいない。聞こえていたらウザがられていただろうが。
それこそボッチ街道まっしぐらだ。NOボッチ。NO地雷踏み。
そんなこんなで空気を読んできた自分だが、最近は暇だ。何故かと言うと、職場で良い成績を取っていたから休暇をもらえた為である。
家から出たくないのが本音だが、食べ物などもあるし買物に出かけなければならない。
ん‥‥。近くにあるスーパーはコンビニか。暇だしコンビニに出かけよう。歩いて5分くらいだからすぐいけるからな。
ドアを開ける。秋頃だから風が吹き込む。少々寒いが薄手の長袖&シャツで階段を降りていく。
自分が住んでいる所はアパートだ。
だから階段かエレベーターで降りるかの二択があるが、エレベーターに乗ると昔子供の頃に父親に無理に連れて行かれたお化け屋敷(超怖いやつで、大の大人でも泣き出すらしい)を思い出してしまうから乗りたくない。
なんでエレベーターかと言うと、エレベーターに乗るという新感覚の移動があったのだ。本当はエレベーターに乗ったわけではないらしいが、乗った気分になれるという最悪のものだった。
乗ると後ろから幽霊が出てきて追い詰められる。そして、ギリギリに迫ったところでエレベーターが開くシステムだ。
入った時は八歳の小学生。大の大人でも泣き出すのなら到底無理である。案の定大泣きし、父親にしがみつこうとした。
だが、そこに父親は居なかったのだ。後で母親に聞くと泣きながら全力疾走してリタイヤゾーンを通り戻ってきたらしい。幼い小学三年生の俺を置き去りにして。
リタイヤゾーンがある事を知らなかった俺は大泣きしながらもゴールした。父親は母親に俺を置いていった言い訳を言っていて、怒った母親は父親に強烈なビンタを食らわしていた。置き去りにした罰だろう。俺も結構スッキリしたが。
考えているともう出口についた。歩いて行くから駐車場の方は通らない。
カードを近づけると〈ピッ〉と音がして自動ドアが開いた。目の前には建物がひろがる。此処らは田舎でもないし都会でもない。いたって普通だ。
だから建物もアパートに西洋‥まではいかないが普通の何処にでもあるような建物。コンビニに行くために歩いていると、公園が近いからか子供の声がする。
懐かしい。昔は外でよく遊んでいたな‥‥。フッと気がつくと目の前には赤信号があった。
危ない。このまま進んでいたらご丁寧に引かれていてポックリ‥‥まではいかないが、病院送りは確定だ。待つ事約二十五秒。信号が青に変わった。横は少し確認する。右、左、右。車は通ってなく、安心して歩いく。
そう。車は絶対通っていなかった。それなのに。
横からは大型トラックが俺めがけて走ってきた。
一瞬にして俺の体は空中に飛ばされる。浮遊感がきているが、吐きそうにならない。一瞬の出来事で何が起きたか理解できない。数秒で地面に叩きつけられた。
自分の視界が薄くフェードアウトしていく。周りからはなにか声が聞こえているような気がするが、ぼやけているように聞こえないし、見えなくなる。
「(あぁ‥‥。死ぬんだ‥‥。俺)」
それは初めての感覚の感想。ゆっくりフェードアウなんて死ぬというシチュしか考えられない。そして引かれたせいかもう声は出なかった。なんで自分が死なねばらないのだろう。なんでよりによって自分が‥‥?
目の前に最後に見えたものは「ニャーオ」と何かを伝えるように鳴く、黒猫の成猫だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ん‥‥」
目の前にはただ真っ白な空間が続いていた。俺にはそれがどこか分からない。というより、ここに来た覚えがないのだ。
さっきトラックに引かれたのは紛れもない事実。そして死んだと思ったらこんな空間に移動していた。もしかしてここが天国?
いや。でも自分が考える天国はお花畑が広がっているとか、雲の上とかだ。これはどれにも一致していない。
でも地獄にも見えないここは一体どこなんだろうか。死んでいる(気絶?)しているうちに運ばれたとしか思えない。
これは立派な犯罪だ!!と思う。
「想像移動」
低い声が聞こえた。声からして男か?なんかファンタジーめいた事を言っていたような気がする。もしかして中二病!?
カツンッカツンッと足音がする。その音は徐々に大きくなっていき、気のせいか近づいているような気がするのだが。
あたりを見回す。だが、足音の主と思える人が見えない。一体どこから近づいてきている?
カツンッ。最後にその音が聞こえると、先程まで目の前にいなかった女性突然俺の手を掴んで、キラキラした目でこちらを向いた。
「命の恩人翔様!私が恩を返す為転生してもらいます!」
「はい?」
意味不明である。
【今回の魔法】
〈想像移動〉‥自分で作った世界に移動できる。移動魔法。
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