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序章
0-2 転生した人は俺です
しおりを挟む【翔の前回のあらすじ】
「命の恩人翔様!私が恩を返す為転生してもらいます!」
「はい?」
意味不明である。
コンビニに行っているとトラックに引かれポックリお陀仏。でも死んだと思っていたら、真っ白な所に。プチパニックに陥っていると声が低い女性が急に現れ、転生と言ってきました。
正直本当に意味不明なんだが!
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ちょっとまて!!」
一旦頭で状況を整理する。急に現れた女性が突然俺の手を掴み、俺を転生させると言った。転生ってあれだよな?違う存在に生まれ変わるとかの。
というより、この声が低い女性の事を見たことがない。しかも自己紹介などしていないのに名前を知っているのだ。ここまでくれば完全に不審者だが、頭に猫耳と尻から尻尾が生えて(?)いる。
ここから導き出した結論は‥‥これは夢だ!悪い夢だろう!目の前に変態のコスプレイヤーが現れる現実なんてある訳がない。いや、絶対にあって欲しくない!頬をつねる。昔の方法だろう?そんなの考えている暇なんてない。
普通に痛かった。その痛みはこの夢が現実だという事を自分に突きつけているという事だ。胸が痛い。というか普通に死にたかった‥‥。
てか、そもそも死にたくなかった!まだ俺には明るい未来が待っていたはずだ。お見合いパーティーも三日後に入っていたし。
それでいい人を見つけれたら薔薇色人生!なーんてね。俺はもう夢を見るのも飽きたが、死にたくなかったのは事実だ。
明るい未来ではなくとも普通に生きていきたかった。
まあこんなずっとうだうだ過去を言っていても意味はないだろう。さっきの女性がいた所を見ると‥。誰もいなかった。
否、誰もいなかったわけではない。そこにはいつ来たのか死ぬ瞬間に見た黒猫がいた。おかしい。さっきまでいたコスプレイヤーはどこへ行ったのだろう?その女性は猫耳と尻尾をつけていたが‥‥。まさかこの猫が?いや!そんな訳はない。俺は馬鹿か。
そんな黒猫は「ニャオーン」とアメジストの様な瞳でこちらを見つめる。
その瞳には大人の美しさ、妖しい美しさがあった。ずっと見つめていると吸いまれそうだ。ふと足に生暖かいものが触っているような感覚がする。
足を見ると、黒猫の尻尾がクルンっと巻きついていた。心なしか何かを問いかけている様にも見えるのだが‥‥?
「ニャオーン」
こちらを向いて鳴く。どうやらついてこいと言っているようみたいだ。ん?なんでそんな事が分かるんだろうか?
心とか思っている事など分かるわけがないのに。でも何か黒猫の雰囲気が呼びかけているような気がする。多分だが。
ぺたぺたと歩いて行く黒猫について行く。俺も勿論行く宛がないし、ついて行くのだがやっぱり何処までも真っ白空間だな。
どうなっているのか不明だ。白いペンキで塗った壁が続くトンネルか何かなのだろうか?歩いて三十分は経ったか経ってないか位進んだ頃。
目の前には大きな扉が現れた。その扉の周りにはツタや花や植物類が絡みついている。真っ白い空間には似合わないような幻想的な扉であった。まさに妖精の国への扉のような。
黒猫が近づくとギイーと重々しい音をならしながら扉が独りでに開いた。さっきから薄々考えていたが、ここはマジで現実なのだろうか?
そうだったら、ここは一体────。
黒猫が扉に入っていく。扉の先はぼやけて水色に光っているため、先がわからないが今はついて行くしかないから意を決して扉の奥に進んだ。
「っ!!!」
入った瞬間眩しい光が降り注ぐ。その光は一瞬にして周りを包み込み、視界が晴れる。それはまさに妖精が住んでいるのではないかと思う程の美しい花畑であった。
まあ、実際に妖精などいないが。というか、居るわけがない。ハッと黒猫の存在に気づく。前を見るとこちらを見ている黒猫が居た。
まるで「早くこちらに来い」と言っているようだ。俺は黒猫との間を空けないために走る。まだ二十代だしすぐに黒猫の所に行けた。
でもこの黒猫どこかで見た事があるような気がする。気のせいかもしれないが、昔保護して飼った黒猫に似ているような‥‥。
まぁ、気のせいだろう。チェルノは病気で三年飼った後亡くなった。元々体が弱かったがその上病気を患わったのだがらこれでも長生きだろう。
「ようやく気づきましたか?」
「誰だ?」
今誰が喋った?この黒猫なワケがないが、ほかに人はいない。どこに人がいるのだろうか。でもこの黒猫が喋ったのような‥‥。気のせいだな!
今日一日で色々ありすぎたせいの疲労で幻聴が聞こえているに違いない。今起こっていることから目を背けているとそれをぶち壊すように絶対に目の前にいる黒猫が喋った。
「私が喋っているのです。あの人間の姿にもなれますが‥‥。私はチェルノ。貴方に救われたバステト族の女神です。そして貴方を転生させにきました」
「‥‥‥。」
急展開すぎる。あの俺の手を握った女性が黒猫で、黒猫はチェルノで‥‥。バステトってファンタジーとかに出てくる猫の種族か?
女神って。俺はただ猫を保護してチェルノという名前をつけ、飼っただけなのにいつの間に壮大な事になってるのか?
そしてチェルノは亡くなった。この目で確かに見たのだ。それなのに目の前にはチェルノと名乗る人型のバステトの女神がいる。
本当に転生するのか‥‥?もしこのチェルノが本物であれ無かろうと、不思議な力を持っていることは事実だ。そしたら二回目の人生を歩めるのだろうか。
それは俺にとってメリットがあることだった。こんなよく分からないトラックに引かれて死んで呆気無くお陀仏なんて!もう一度の人生では後悔したくない。
いや、やり直したい。リセットボタンを押したい。
そして今目の前にはリセットボタンがある。それを押してリセットするか、そのまま死ぬか。俺には一択しかなかった。
「転生させてくれ」
心の底からの言葉。もう一度人生を歩みたいと。その言葉に良かったというようにチェルノは微笑んだ。
「それでは行ってらっしゃいませ。良い旅を。転生魔法!」
その呪文をチェルノが唱えると俺の体は白い光に包まれていき、フワリとした浮遊感を味わった後意識を失った。
【今回の魔法】
〈転生魔法〉‥人を転生させる魔法。神などの神格、地位がとても高く魔力が高い人しか使えない。消費魔力がとてつもなく多い。ちなみにルフェクタは転生させる国の名前。
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