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第七節 えっ?アタシ眠いんだけど?
第52話 戦後処理とアイリとノックとゲート 前編その弐
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コンコン
「鍵は開いている、自由に入って来なさい」
突然鳴ったノック音に対して魔王ディグラスは、「復興の方策か何かだろう」と考えていた。
だから迷いや悩みを振り払う為に頭を勢い良く横に振って気持ちを切り替えると、視線を机の上に置かれた書類へと移していった。
「アイ…リ!?」
何者かが部屋に入って来たのは足音で分かっていた。それでも困り事のせいで上の空だった事から、仕事をしている風の姿で話しを聞き流そうとしていたのだ。
しかし入って来た者が、何も話し出さないのを訝しみ、顔を上げその姿に驚きの声をあげる事になる。
魔王ディグラスはその者の顔を見た途端に驚きの余り手に持っていたカップを危うく落としそうになり、非常に動揺しながらカップを机上に置くのだった。
魔王ディグラスの前には1人の女性が立っていたのである。
「お疲れのようね、あなた。少しはお休みになられていて?」
魔王ディグラスが「アイリ」と呼んだ女性は、ディグラスに対して慈愛に満ちた優しい目を向けながらも、どこか心配そうな表情を浮かべていた。
「それと、今回は大変迷惑を掛けたみたいね。本当にごめんなさい」
アイリは続けて言の葉を紡いでいく。だが魔王ディグラスの耳にはそれらの言の葉は入って来ていなかった。
何故ならば「もう2度と会えない」と思っていた亡き妻の姿に、ディグラスは感情が昂ぶり、その目には涙が溢れ止まらなかったからだ。
「いけないわ、私にはあまり時間が無いのでした。てへッ。今はあの子の身体をちょっとだけ借りて、ここに来ているのですから要点だけ急いで伝えますね」
魔王ディグラスは少しだけ正気を取り戻しつつあったが、皆目見当の付かない話しの内容などそっちのけだった。
しかし何かを言おうとしているアイリに対して、「声を掛けなければ」と考えた末に声が上擦り涙ながらに「うむ」と応えるのが精一杯だった。
「私達の愛娘は、もう既に危ういながらも世界を渡る為の術を持っています。そして、この子のお友達の力を借りればそれは必ず成功するでしょう」
「……!?」
「あと、北の大地に今回の騒ぎを起こした者達の魂が眠っています、その魂をこの子に渡しておいて下さいね。そうすれば、いつでもここに帰って来られる様になりますから」
アイリは言の葉を結んだ。そして魔王ディグラスの方へと少しだけ歩き、その途中で光の粒子となり余韻も残さず消えていった。
魔王ディグラスは消えゆく妻を抱き締めようと腰を上げた。しかしその瞳はアイリから離すまいと視線を向けたままだったのが災いし、自分の目の前にある机に阻まれ歩は先へと進まなかった。
机上に置かれていたカップはその衝撃で床へと落ちて割れてしまい、紅茶が部屋のカーペットに染みを作っていく。
魔王ディグラスは、せめて亡き妻の温もりをと手を必死に伸ばしたが何も掴む事は出来なかった。
魔王ディグラスは不意に目覚めた。どうやら机の上に突っ伏して寝ていたようだ。
「今のは夢だった…のか?随分とリアルな夢だった…な」
魔王ディグラスは自分に言い聞かせるように言の葉を紡いでいく。その表情はたとえ夢の中でも最愛の妻に逢えた事に、思いを馳せ切なさを湛えていた。
魔王ディグラスは白昼夢を見ていたかの様な錯覚に今も囚われている。そんな亡き妻に馳せる想いから思考を切り替えようと、頭を横に振り姿勢を正そうと立ち上がると、足元からは「ジャリッ」と音が響く。
魔王ディグラスは足元から鳴った音が気になり、足元へと視線を向けるとそこには割れたカップがあった。
魔王ディグラスはうたた寝の最中にカップを落として割ってしまったと思い、割れたカップに手を伸ばしていく。
すると、「ぎいぃぃぃぃ」と鈍い音がして扉が少しずつ閉まっていこうと動いているのに気付いたのだった。
割れたカップと開け放たれていた扉に、魔王ディグラスは「ハッ」と何かに気付き城に尋ねていった。
「城よ、余の部屋から出ていった者はいるか?」
「誰もおりません、マイ・マスター」
「では誰が扉を開けた?」
「誰も開けておりません、マイ・マスター」
「閉まっていた筈の扉が勝手に開く訳が無い」
ディグラスは城からの返答に拠って「城は認識阻害を受けている。そしてさっきのアイリは実際にここにいた」という事実を悟るのだった。
何故ならばアイリは部屋に入って来た時に扉を閉めず、部屋の中にいながらにして消えたからだ。
「夢だと思っていたが、あれはリアルであったのか?」
ディグラスはついさっきの出来事を、まるで遠い過去の出来事を懐かしむような表情を作り「夢」だと思っていた内容を思い返していた。
すると取り急ぎ旅の用意を整え、城に「暫く留守にする」とだけ伝え姿を消したのだった。
-・-・-・-・-・-・-
『 「あら?ここは、どこかしら?」
誰かに呼ばれた気がして目を覚ました時、私は見た事の無い部屋におりました。
そして自分が今、横になっているベッドの横には、もたれ掛かって寝ている知らない少女がいましたの。
「目を覚ましたんですの?」
自分が動いたからでしょうか?それとも声を出したからでしょうか?もたれ掛かって寝ていた少女は目を覚ました様子で、私に声を掛けてきましたの。
だけれども正直な話し、私はこの少女が何処の誰なのか分かりませんでした。
然しながら、私の身に何かが起きて、私の事を看病してくれていたのなら、無碍には出来ませんから。
そうも考えておりました。
「え、えっと、ここはどこかしら?」
でも流石に初対面の少女に向かってどうやって話しを切り出そうか、色々と考えていたのですけど、咄嗟に口を開くと単調な言の葉が漏れるだけでしたの。
私の問いに見知らぬ少女は、「ここは、魔王陛下の城の中ですわ」と言の葉を投げ返してくれました。
「魔王陛下の城?」
私は凄く驚きましたの。それはもう、心臓が口から飛び出てしまうんじゃないかって思うくらいに。
だから驚きの余りに思わず本当に飛び出ない様に口元を手で覆い隠してしまいましたの。
でも何故、私が「魔界」にいるのかは分かりませんでした。
それこそ、「皆目見当が付かない」と言っても過言ではないでしょうね?
見知らぬ少女が紡いでくれた言の葉をそのままオウム返しで漏らしてしまったので、目の前の少女はきょとんとした表情を私に向けていましたの。
私の口から漏れた言の葉が意味深だったのか、それとも、私の態度が意味深だったのかは分かりませんけどね。
でもどちらかと言うと怪しまれている感じと言うよりは、「何を言ってるの?」って感じに思えましたけど。
「身体の調子は大丈夫なんですの?まだ、顔色が悪いみたいですわ。暫く横になって安静にしていた方が宜しいのではなくて?」
見知らぬ少女は心配して下さってる様子で私に言の葉を紡ぎながらも、その手に持っている鏡を差し出して下さいましたの。
「誰??」
今回も危うく声を漏らしてしまう所でした。
でも今回はお漏らしせずに耐える事なく成功したので僥倖と言えますね。
本当に良かった良かった。
でも、鏡に写った私の姿は、いつも見慣れている私の顔では無かったんですもの。驚くのも無理はありませんよね?
でも目の前の見知らぬ少女は、本来のこの顔の持ち主の知り合いなのでしょう?
ならば、自分に向かって「誰??」なんて言ってたら「何を言ってるの?」「貴女は誰なの?」って言いたくなってしまいますものね?
だからお漏らししなくて本当に良かったわ。
「だけど、この顔はどこかで知っている誰かの面影があるような……」
私は口から声が漏れない様に細心の注意を払い心の中で呟いておりました。
「あッ!」
そして、繋がりましたの。だけどやっぱり不注意な私は今度もお漏らししていたみたいで、目の前の少女は突如として上がった声に、「ビクっ」と身体を一瞬だけ上下させていたのよ。
驚かせるつもりはなかったんですけど、突然間近で大声が上がれば普通は驚くものよね?
悪い事をしたわ。本当に。
そうそう、私は、私の娘の姿になっていたの!!娘の中に入ってるとでも言えばいいのかしら?
でも何故こうなったのかは分からないの。分からないけれど、実際に起きた事だから何かの偶然なのかもしれないわね。
でもそう言えば、夢の中で呼ばれた気がしなくもないの。
そこで私は、娘の現在の事を、今までの記憶を、私が知る事がなかった娘の過去を調べる為に潜っていったの。
娘のプライバシーを侵害したかもしれないけれど、それは秘密ね。
その間、正面にいる少女は顔に「?」が浮かべていたけれど…。
私に対して何かを言いたそうな感じもしたのだけれど…。
私は目の前の少女に対して何もアクションを起こす事はしなかったわ。
だって、偶然にもここに来る事が出来た私は、次も来る事が出来るとは限りません。それに娘が寝ている間に身体に忍び込んでいるわけだから、おそらくあと1時間もしない内に私はこの身体から追い出される事になるでしょうからね?
だからこそ娘の事を調べた結果、私の目の前にいるこの少女が「誰なのか?」も分かったんですの。
でも私としては、この城にいる最愛の夫に話さなくてはいけない事の方が優先順位は高いと思いましたの。
私の娘には大変申し訳無く思うのですけど、私の本当の姿を他の者に見られる訳にはいきませんの。
それが娘の友達であるルミネという名の少女でもね。
だから少しの間、寝ていてもらう事にしましたわ。
おやすみなさい。
私は本当の姿に形を変え、今、最愛の夫に会いにいきます。
娘のマテリアル体はいらないからベッドに残したままで、おやすみなさい。
娘のアストラル体はもうちょっとだけ借りていくわね。
ありがとう 』
「鍵は開いている、自由に入って来なさい」
突然鳴ったノック音に対して魔王ディグラスは、「復興の方策か何かだろう」と考えていた。
だから迷いや悩みを振り払う為に頭を勢い良く横に振って気持ちを切り替えると、視線を机の上に置かれた書類へと移していった。
「アイ…リ!?」
何者かが部屋に入って来たのは足音で分かっていた。それでも困り事のせいで上の空だった事から、仕事をしている風の姿で話しを聞き流そうとしていたのだ。
しかし入って来た者が、何も話し出さないのを訝しみ、顔を上げその姿に驚きの声をあげる事になる。
魔王ディグラスはその者の顔を見た途端に驚きの余り手に持っていたカップを危うく落としそうになり、非常に動揺しながらカップを机上に置くのだった。
魔王ディグラスの前には1人の女性が立っていたのである。
「お疲れのようね、あなた。少しはお休みになられていて?」
魔王ディグラスが「アイリ」と呼んだ女性は、ディグラスに対して慈愛に満ちた優しい目を向けながらも、どこか心配そうな表情を浮かべていた。
「それと、今回は大変迷惑を掛けたみたいね。本当にごめんなさい」
アイリは続けて言の葉を紡いでいく。だが魔王ディグラスの耳にはそれらの言の葉は入って来ていなかった。
何故ならば「もう2度と会えない」と思っていた亡き妻の姿に、ディグラスは感情が昂ぶり、その目には涙が溢れ止まらなかったからだ。
「いけないわ、私にはあまり時間が無いのでした。てへッ。今はあの子の身体をちょっとだけ借りて、ここに来ているのですから要点だけ急いで伝えますね」
魔王ディグラスは少しだけ正気を取り戻しつつあったが、皆目見当の付かない話しの内容などそっちのけだった。
しかし何かを言おうとしているアイリに対して、「声を掛けなければ」と考えた末に声が上擦り涙ながらに「うむ」と応えるのが精一杯だった。
「私達の愛娘は、もう既に危ういながらも世界を渡る為の術を持っています。そして、この子のお友達の力を借りればそれは必ず成功するでしょう」
「……!?」
「あと、北の大地に今回の騒ぎを起こした者達の魂が眠っています、その魂をこの子に渡しておいて下さいね。そうすれば、いつでもここに帰って来られる様になりますから」
アイリは言の葉を結んだ。そして魔王ディグラスの方へと少しだけ歩き、その途中で光の粒子となり余韻も残さず消えていった。
魔王ディグラスは消えゆく妻を抱き締めようと腰を上げた。しかしその瞳はアイリから離すまいと視線を向けたままだったのが災いし、自分の目の前にある机に阻まれ歩は先へと進まなかった。
机上に置かれていたカップはその衝撃で床へと落ちて割れてしまい、紅茶が部屋のカーペットに染みを作っていく。
魔王ディグラスは、せめて亡き妻の温もりをと手を必死に伸ばしたが何も掴む事は出来なかった。
魔王ディグラスは不意に目覚めた。どうやら机の上に突っ伏して寝ていたようだ。
「今のは夢だった…のか?随分とリアルな夢だった…な」
魔王ディグラスは自分に言い聞かせるように言の葉を紡いでいく。その表情はたとえ夢の中でも最愛の妻に逢えた事に、思いを馳せ切なさを湛えていた。
魔王ディグラスは白昼夢を見ていたかの様な錯覚に今も囚われている。そんな亡き妻に馳せる想いから思考を切り替えようと、頭を横に振り姿勢を正そうと立ち上がると、足元からは「ジャリッ」と音が響く。
魔王ディグラスは足元から鳴った音が気になり、足元へと視線を向けるとそこには割れたカップがあった。
魔王ディグラスはうたた寝の最中にカップを落として割ってしまったと思い、割れたカップに手を伸ばしていく。
すると、「ぎいぃぃぃぃ」と鈍い音がして扉が少しずつ閉まっていこうと動いているのに気付いたのだった。
割れたカップと開け放たれていた扉に、魔王ディグラスは「ハッ」と何かに気付き城に尋ねていった。
「城よ、余の部屋から出ていった者はいるか?」
「誰もおりません、マイ・マスター」
「では誰が扉を開けた?」
「誰も開けておりません、マイ・マスター」
「閉まっていた筈の扉が勝手に開く訳が無い」
ディグラスは城からの返答に拠って「城は認識阻害を受けている。そしてさっきのアイリは実際にここにいた」という事実を悟るのだった。
何故ならばアイリは部屋に入って来た時に扉を閉めず、部屋の中にいながらにして消えたからだ。
「夢だと思っていたが、あれはリアルであったのか?」
ディグラスはついさっきの出来事を、まるで遠い過去の出来事を懐かしむような表情を作り「夢」だと思っていた内容を思い返していた。
すると取り急ぎ旅の用意を整え、城に「暫く留守にする」とだけ伝え姿を消したのだった。
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『 「あら?ここは、どこかしら?」
誰かに呼ばれた気がして目を覚ました時、私は見た事の無い部屋におりました。
そして自分が今、横になっているベッドの横には、もたれ掛かって寝ている知らない少女がいましたの。
「目を覚ましたんですの?」
自分が動いたからでしょうか?それとも声を出したからでしょうか?もたれ掛かって寝ていた少女は目を覚ました様子で、私に声を掛けてきましたの。
だけれども正直な話し、私はこの少女が何処の誰なのか分かりませんでした。
然しながら、私の身に何かが起きて、私の事を看病してくれていたのなら、無碍には出来ませんから。
そうも考えておりました。
「え、えっと、ここはどこかしら?」
でも流石に初対面の少女に向かってどうやって話しを切り出そうか、色々と考えていたのですけど、咄嗟に口を開くと単調な言の葉が漏れるだけでしたの。
私の問いに見知らぬ少女は、「ここは、魔王陛下の城の中ですわ」と言の葉を投げ返してくれました。
「魔王陛下の城?」
私は凄く驚きましたの。それはもう、心臓が口から飛び出てしまうんじゃないかって思うくらいに。
だから驚きの余りに思わず本当に飛び出ない様に口元を手で覆い隠してしまいましたの。
でも何故、私が「魔界」にいるのかは分かりませんでした。
それこそ、「皆目見当が付かない」と言っても過言ではないでしょうね?
見知らぬ少女が紡いでくれた言の葉をそのままオウム返しで漏らしてしまったので、目の前の少女はきょとんとした表情を私に向けていましたの。
私の口から漏れた言の葉が意味深だったのか、それとも、私の態度が意味深だったのかは分かりませんけどね。
でもどちらかと言うと怪しまれている感じと言うよりは、「何を言ってるの?」って感じに思えましたけど。
「身体の調子は大丈夫なんですの?まだ、顔色が悪いみたいですわ。暫く横になって安静にしていた方が宜しいのではなくて?」
見知らぬ少女は心配して下さってる様子で私に言の葉を紡ぎながらも、その手に持っている鏡を差し出して下さいましたの。
「誰??」
今回も危うく声を漏らしてしまう所でした。
でも今回はお漏らしせずに耐える事なく成功したので僥倖と言えますね。
本当に良かった良かった。
でも、鏡に写った私の姿は、いつも見慣れている私の顔では無かったんですもの。驚くのも無理はありませんよね?
でも目の前の見知らぬ少女は、本来のこの顔の持ち主の知り合いなのでしょう?
ならば、自分に向かって「誰??」なんて言ってたら「何を言ってるの?」「貴女は誰なの?」って言いたくなってしまいますものね?
だからお漏らししなくて本当に良かったわ。
「だけど、この顔はどこかで知っている誰かの面影があるような……」
私は口から声が漏れない様に細心の注意を払い心の中で呟いておりました。
「あッ!」
そして、繋がりましたの。だけどやっぱり不注意な私は今度もお漏らししていたみたいで、目の前の少女は突如として上がった声に、「ビクっ」と身体を一瞬だけ上下させていたのよ。
驚かせるつもりはなかったんですけど、突然間近で大声が上がれば普通は驚くものよね?
悪い事をしたわ。本当に。
そうそう、私は、私の娘の姿になっていたの!!娘の中に入ってるとでも言えばいいのかしら?
でも何故こうなったのかは分からないの。分からないけれど、実際に起きた事だから何かの偶然なのかもしれないわね。
でもそう言えば、夢の中で呼ばれた気がしなくもないの。
そこで私は、娘の現在の事を、今までの記憶を、私が知る事がなかった娘の過去を調べる為に潜っていったの。
娘のプライバシーを侵害したかもしれないけれど、それは秘密ね。
その間、正面にいる少女は顔に「?」が浮かべていたけれど…。
私に対して何かを言いたそうな感じもしたのだけれど…。
私は目の前の少女に対して何もアクションを起こす事はしなかったわ。
だって、偶然にもここに来る事が出来た私は、次も来る事が出来るとは限りません。それに娘が寝ている間に身体に忍び込んでいるわけだから、おそらくあと1時間もしない内に私はこの身体から追い出される事になるでしょうからね?
だからこそ娘の事を調べた結果、私の目の前にいるこの少女が「誰なのか?」も分かったんですの。
でも私としては、この城にいる最愛の夫に話さなくてはいけない事の方が優先順位は高いと思いましたの。
私の娘には大変申し訳無く思うのですけど、私の本当の姿を他の者に見られる訳にはいきませんの。
それが娘の友達であるルミネという名の少女でもね。
だから少しの間、寝ていてもらう事にしましたわ。
おやすみなさい。
私は本当の姿に形を変え、今、最愛の夫に会いにいきます。
娘のマテリアル体はいらないからベッドに残したままで、おやすみなさい。
娘のアストラル体はもうちょっとだけ借りていくわね。
ありがとう 』
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