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猫になった日
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樹が右手で颯真の腰に縋り付き、深く刺さるペニスを更に奥へと受け入れていく。無意識に揺れる腰は、解放を求めて颯真の口内に樹のそれを擦り付ける。追い込まれていく樹の姿に、颯真は追い打ちをかけることにした。
颯真の目の前にある尻尾をゆっくり引っ張る。不意に訪れた刺激に仰け反る樹を、颯真はあやすように腰を振る。後孔が尻尾の形をなぞって開いては閉じる。間近で見るそれは淫靡で、樹の口内で颯真のペニスが更に膨張した。
「颯真、さ…、おっきぃ……」
呼吸の合間に呟く樹の、反り立つペニスを喉の深くまで差し込んで。
颯真が勢い良く、尻尾を引き抜いた。
「っ、あぁああ……っ」
樹の白濁が、颯真の口に注ぎ込まれる。本来ならば決して飲みたい味ではないはずのそれが、酷く甘く感じられた。何度も腰を震わせる樹。その度に噴き出すそれを、颯真は喉を鳴らして飲んでいく。
小刻みに動く、樹の口が颯真のペニスを刺激する。颯真も深く浅く突きながら、右手を先程まで尻尾を食んでいた場所に滑らせた。
樹は、突然増やされた快楽の場所に、慌てて颯真を止めようと、空いているはずの左手に力を込めた。が、既に颯真に捉えられたままビクともせず、代わりにお仕置とばかりに後孔を探る指が増やされた。
だめだと言う声は、颯真のペニスで塞がれ。後孔の刺激から逃げたくても、樹のそれを咥えたままの颯真に阻まれ。
颯真のそれと、後孔を攻める指が同じ動きを始めた。
「っふ、ん、はぁ……っ」
抜き差しの合間に漏れる喘ぎ声に、颯真のペニスは太くなっていく。ふ、と颯真が吐息で笑むと、それまで咥えるだけに留めていた樹のペニスを咥え直し、口淫を再開した。
耐えられない、と樹が首を振り、腰を無茶苦茶に振りたくる。その姿に颯真は口を窄め、頭を下げて喉の奥で先端を擽った。中を探る指は、とっくに見つけていた前立腺を優しく苛烈に攻め立てる。
樹が声にならない悲鳴を上げ、颯真のペニスで喉の深い所を突き刺しながら、腰をしならせて白濁をぶちまけた。
颯真は樹の口内を楽しむように腰を緩く揺らせ、少し力を失った樹のペニスの先端を吸う。僅かに残った白濁も舐め取られ、樹が脱力した。
「樹?俺はまだイってないんだけど?」
颯真が身体を起こしながら、からかうように先端や竿を樹の舌に擦り付ける。そして、口からそれを引き抜き、樹の額にキスを落とした。
少し怠そうな樹の髪を、颯真は優しく撫で梳く。ベッドの縁に半胡座をかいたその中心には、まだ臨戦態勢のペニスが見え、樹はゴクリと唾を飲んだ。
「喉、しんどそうだね。ちょっと待ってて」
ちゅ、と唇にキスをして、颯真は裸のまま移動してしまった。快楽で力が入らない身体。尻尾が外されてしまった場所が寂しく感じて、樹は慌てて首を振る。
首元の鈴がりんりんと激しく鳴り、丁度戻ってきた颯真がくすりと笑う。
「どうしたの。首、取れちゃいそうだよ。とりあえず水持ってきたけど飲む?」
はい、と手渡されたペットボトルを傾けながら、樹は均整の取れた颯真の身体をチラ見する。余分な肉のない、引き締まった身体。ムキムキではないが、筋肉の凹凸が影を作っていてとても綺麗だ。
見とれてしまった樹の姿を、颯真も見つめている。華奢な身体は筋肉が付きにくいらしく、樹は颯真によくぼやいていた。かと言って中性的な訳でもない、ちゃんと男の身体だ。靱やかで抱き心地の良い、颯真好みの身体。
お互いが裸のまま無言で見つめ合いながら水を飲むという、なんともシュールな絵面になっている事に気付いた颯真が、くすくす笑いながらベッドに膝を乗せる。樹の手からペットボトルを取り、自分の水と一緒にサイドテーブルに置く。そのままにじり寄ると、何故か樹が後ずさった。
「なんで逃げるのさ」
愉しげに笑う颯真に追い詰められ、樹の背が壁に当たった。
「ふふ、捕まえた」
ぎゅ、と抱き寄せられ、樹は颯真に逆らうことなく身を預ける。颯真が胡座をかいたその上に樹が膝立ちになると、颯真が樹の胸の飾りに吸い付いた。
「ちょ、颯真さん、待って」
慌てる樹に、やだ、と返して甘く噛みながら乳首を舐める。樹の背を支えていた颯真の右手がスルスルと降りていった先。
くぷりと、樹の後孔に颯真の指が飲み込まれた。
「っや、だめ、待っ……」
颯真の肩に縋るように抱きつきながら、収まりかけた熱が呼び戻される。とうとう背中の支えすら放棄して、颯真が樹のペニスを擦り始めた。
小さく喘ぐ樹が首筋にしがみつくと、颯真の口に耳朶が触れた。
――迂闊だよなぁ。
差し出された性感帯を食み、舌で撫でながら囁いた。
「樹、めちゃくちゃに抱いていい?」
後孔から指が引き抜かれ、代わりに指より太くて熱いペニスが触れる。まるで先端で後孔にキスをするかのように、触れては離れていく颯真のそれ。
「樹、俺が欲しい、って言って?」
樹の後孔は、それが齎す狂いそうな程の快感をもう知ってしまっている。請えば与えて貰えることも。
先程まで樹の口内にあったそれは、唾液と先走りで濡れそぼっている。くちゅくちゅと音が響くたび、樹の後孔はそれを欲しがって開いていく。
「俺は、樹が欲しいよ。今すぐこれでめちゃくちゃに突いて、中から溢れるほど注ぎたい」
低く掠れた、欲に溺れた声。好きだ、と囁かれ、顔を上げた樹の唇を、颯真が塞ぐ。舌が深く差し込まれ、唾液を送り込まれて、上顎を擦りながら出ていく。薄目を開けた樹の視界に、余裕のない颯真が映った。
「颯真、さん、俺も、欲しい……いっぱいになるまで……っ、あぁあっ!」
待ちわびたペニスが、望む場所深くに一気に差し込まれる。ベッドのスプリングを使って突き上げられ、乱暴なほど激しく出入りするそれ。一番張り出した場所が弱い所をゴリゴリと抉っていく。
「樹、好きだ、も、離さない、から……」
颯真が腰を突き上げ、樹の腰を落として揺らすたびに、鈴が激しく鳴る。湿った音も、肌がぶつかる音も、二人の喘ぐ声も。全て混ざりあって、溶けてしまいそうだ。
颯真が深く突き立てたまま、樹をゆっくり押し倒す。震える樹の膝裏を颯真の掌が撫で、そのまま脚を肩にかけて体重を乗せていく。
「やぁ、恥ずかし……っ」
後孔が真上を向くくらいに畳まれた身体。粘液を纏って抜き差しされる颯真のペニスと、ユラユラ揺れる樹のそれ。
「可愛い。もっと恥ずかしがって」
見せつけるように腰を揺らして水音を立てると、樹の頬が真っ赤になった。首元の鈴は、浅い所をゆるゆると突かれると小さく、深く貫かれると大きく鳴る。それが樹がどう責め立てられているのかを知らしめているようで、いたたまれなくなってしまう。
ぎゅ、と固く口を噤んだ樹に、颯真は甘く甘く囁く。
「樹。可愛い鳴き声を聴かせて?」
同時に深く差し込まれ、胸の飾りも捏ねられて、樹が高い声で喘ぐ。颯真は口角を上げて樹の髪を撫で、身体を起こして樹の腕を取った。
「颯真、さん?」
そのまま上に持ち上げられ、颯真の左手で一纏めに戒められた。
「抵抗、できなくなっちゃったね?」
うん、と頷く樹は、酔ったように甘く笑んだ。颯真が身体を倒し、再び樹を攻め立て始める。口を塞ぐことも、登りつめそうな表情も隠すことができず、樹は鈴を鳴らしながら首を振る。
「も、だめ、イっちゃ、う……、颯真、さんっ」
生理的な涙に潤んだ目で縋られ、颯真も腰の動きを激しくした。
「いいよ、一緒にイこう。……出すよ」
一際深くを抉ったそれを、樹が締め付ける。無理な体勢になりながらキスをすると、樹の舌が絡められた。
そのまま何度か細かく揺らし、颯真の低い呻き声と樹の喘ぎ声が重なった。
颯真が白濁を中に塗りこめると樹の後孔がうねる。達してもすぐ硬さを取り戻すペニスで、休むことなく撫で回した。
「ま、まだ、イってる、からぁ……っ!」
樹のお腹には自ら吐き出した白濁が散らされ、強引に重ねられた颯真の身体で塗り拡げられる。
颯真から絶え間なく与えられる、過ぎた快感。折り畳まれた身体が窮屈で辛いはずなのに、淫らな音を立てる後孔に全ての感覚が集まったようで。
「っく、……っ」
颯真が、樹の耳元で快楽に息を詰める。視線をずらすと、上気した頬に眉根を顰め、荒い息をする颯真が間近に居る。
「颯真さんも、気持ちいぃ……?」
喘ぎ声に混ぜて問いかけると、中の颯真のペニスが逞しくなる。
「あぁ、気持ちいい、よ。樹」
口を塞がれ、真上から突き入れられるように抜き差しを繰り返す。言葉通り溢れるまで注がれ、思い出したように口淫の動きをなぞられ、樹の声が掠れて出なくなる頃。
颯真がようやく樹の中からそれを引き抜いた。攻め続けられた樹の後孔から白濁が溢れる。上げっぱなしだった脚を下ろしてベッドに寝かせてやると、樹が虚ろな目で颯真を見た。
「ごめん。無理させた」
きっと颯真に猫耳があれば、力なく伏せられていただろう。しょげてしまった颯真が珍しくて、樹は小さく笑った。
「大丈夫ですよ。気持ちよかったし……」
恥ずかしげに目を伏せる樹に、颯真のペニスがまたムクムクと力を取り戻す。しかし、流石に駄目だと苦笑して、色んな体液でどろどろになってしまった樹をタオルで清めていく。
「それは良かった。さ、少し落ち着いたら、風呂のあと食事だな」
微笑んで樹の世話を焼きながら、サイドテーブルの水を樹に渡す。
「温くなっちゃったけど。凄い声になってるよ」
散々啼かせた俺のせいだけど、と笑う颯真から目を逸らしながら、樹がそれを口に含んで飲み込んでいく。飲み損ねた一筋の水が喉を伝うと、颯真の舌が舐め取る。
「颯真さん、もうダメですよ……」
視界の端には頭をもたげた颯真のペニスが。散々それに擦られた中はまだ、快感が燻るように残っている。
「はは、分かってるって。これはまあ、ね?樹が可愛いから仕方ないという事で。じゃ、お湯張ってくるよ」
樹の頭をぽんぽんと撫でた颯真は、一つ伸びをしてから寝室を出ていく。
全裸で。
「全く……あの人は恥じらいとかないのかよ……」
寝室に取り残された樹は頭をガシガシとかいて、またベッドに倒れ込んで。
「あぁ、やり過ぎた……」
二人は全く別の場所で、同じ台詞を呟くのだった。
颯真の目の前にある尻尾をゆっくり引っ張る。不意に訪れた刺激に仰け反る樹を、颯真はあやすように腰を振る。後孔が尻尾の形をなぞって開いては閉じる。間近で見るそれは淫靡で、樹の口内で颯真のペニスが更に膨張した。
「颯真、さ…、おっきぃ……」
呼吸の合間に呟く樹の、反り立つペニスを喉の深くまで差し込んで。
颯真が勢い良く、尻尾を引き抜いた。
「っ、あぁああ……っ」
樹の白濁が、颯真の口に注ぎ込まれる。本来ならば決して飲みたい味ではないはずのそれが、酷く甘く感じられた。何度も腰を震わせる樹。その度に噴き出すそれを、颯真は喉を鳴らして飲んでいく。
小刻みに動く、樹の口が颯真のペニスを刺激する。颯真も深く浅く突きながら、右手を先程まで尻尾を食んでいた場所に滑らせた。
樹は、突然増やされた快楽の場所に、慌てて颯真を止めようと、空いているはずの左手に力を込めた。が、既に颯真に捉えられたままビクともせず、代わりにお仕置とばかりに後孔を探る指が増やされた。
だめだと言う声は、颯真のペニスで塞がれ。後孔の刺激から逃げたくても、樹のそれを咥えたままの颯真に阻まれ。
颯真のそれと、後孔を攻める指が同じ動きを始めた。
「っふ、ん、はぁ……っ」
抜き差しの合間に漏れる喘ぎ声に、颯真のペニスは太くなっていく。ふ、と颯真が吐息で笑むと、それまで咥えるだけに留めていた樹のペニスを咥え直し、口淫を再開した。
耐えられない、と樹が首を振り、腰を無茶苦茶に振りたくる。その姿に颯真は口を窄め、頭を下げて喉の奥で先端を擽った。中を探る指は、とっくに見つけていた前立腺を優しく苛烈に攻め立てる。
樹が声にならない悲鳴を上げ、颯真のペニスで喉の深い所を突き刺しながら、腰をしならせて白濁をぶちまけた。
颯真は樹の口内を楽しむように腰を緩く揺らせ、少し力を失った樹のペニスの先端を吸う。僅かに残った白濁も舐め取られ、樹が脱力した。
「樹?俺はまだイってないんだけど?」
颯真が身体を起こしながら、からかうように先端や竿を樹の舌に擦り付ける。そして、口からそれを引き抜き、樹の額にキスを落とした。
少し怠そうな樹の髪を、颯真は優しく撫で梳く。ベッドの縁に半胡座をかいたその中心には、まだ臨戦態勢のペニスが見え、樹はゴクリと唾を飲んだ。
「喉、しんどそうだね。ちょっと待ってて」
ちゅ、と唇にキスをして、颯真は裸のまま移動してしまった。快楽で力が入らない身体。尻尾が外されてしまった場所が寂しく感じて、樹は慌てて首を振る。
首元の鈴がりんりんと激しく鳴り、丁度戻ってきた颯真がくすりと笑う。
「どうしたの。首、取れちゃいそうだよ。とりあえず水持ってきたけど飲む?」
はい、と手渡されたペットボトルを傾けながら、樹は均整の取れた颯真の身体をチラ見する。余分な肉のない、引き締まった身体。ムキムキではないが、筋肉の凹凸が影を作っていてとても綺麗だ。
見とれてしまった樹の姿を、颯真も見つめている。華奢な身体は筋肉が付きにくいらしく、樹は颯真によくぼやいていた。かと言って中性的な訳でもない、ちゃんと男の身体だ。靱やかで抱き心地の良い、颯真好みの身体。
お互いが裸のまま無言で見つめ合いながら水を飲むという、なんともシュールな絵面になっている事に気付いた颯真が、くすくす笑いながらベッドに膝を乗せる。樹の手からペットボトルを取り、自分の水と一緒にサイドテーブルに置く。そのままにじり寄ると、何故か樹が後ずさった。
「なんで逃げるのさ」
愉しげに笑う颯真に追い詰められ、樹の背が壁に当たった。
「ふふ、捕まえた」
ぎゅ、と抱き寄せられ、樹は颯真に逆らうことなく身を預ける。颯真が胡座をかいたその上に樹が膝立ちになると、颯真が樹の胸の飾りに吸い付いた。
「ちょ、颯真さん、待って」
慌てる樹に、やだ、と返して甘く噛みながら乳首を舐める。樹の背を支えていた颯真の右手がスルスルと降りていった先。
くぷりと、樹の後孔に颯真の指が飲み込まれた。
「っや、だめ、待っ……」
颯真の肩に縋るように抱きつきながら、収まりかけた熱が呼び戻される。とうとう背中の支えすら放棄して、颯真が樹のペニスを擦り始めた。
小さく喘ぐ樹が首筋にしがみつくと、颯真の口に耳朶が触れた。
――迂闊だよなぁ。
差し出された性感帯を食み、舌で撫でながら囁いた。
「樹、めちゃくちゃに抱いていい?」
後孔から指が引き抜かれ、代わりに指より太くて熱いペニスが触れる。まるで先端で後孔にキスをするかのように、触れては離れていく颯真のそれ。
「樹、俺が欲しい、って言って?」
樹の後孔は、それが齎す狂いそうな程の快感をもう知ってしまっている。請えば与えて貰えることも。
先程まで樹の口内にあったそれは、唾液と先走りで濡れそぼっている。くちゅくちゅと音が響くたび、樹の後孔はそれを欲しがって開いていく。
「俺は、樹が欲しいよ。今すぐこれでめちゃくちゃに突いて、中から溢れるほど注ぎたい」
低く掠れた、欲に溺れた声。好きだ、と囁かれ、顔を上げた樹の唇を、颯真が塞ぐ。舌が深く差し込まれ、唾液を送り込まれて、上顎を擦りながら出ていく。薄目を開けた樹の視界に、余裕のない颯真が映った。
「颯真、さん、俺も、欲しい……いっぱいになるまで……っ、あぁあっ!」
待ちわびたペニスが、望む場所深くに一気に差し込まれる。ベッドのスプリングを使って突き上げられ、乱暴なほど激しく出入りするそれ。一番張り出した場所が弱い所をゴリゴリと抉っていく。
「樹、好きだ、も、離さない、から……」
颯真が腰を突き上げ、樹の腰を落として揺らすたびに、鈴が激しく鳴る。湿った音も、肌がぶつかる音も、二人の喘ぐ声も。全て混ざりあって、溶けてしまいそうだ。
颯真が深く突き立てたまま、樹をゆっくり押し倒す。震える樹の膝裏を颯真の掌が撫で、そのまま脚を肩にかけて体重を乗せていく。
「やぁ、恥ずかし……っ」
後孔が真上を向くくらいに畳まれた身体。粘液を纏って抜き差しされる颯真のペニスと、ユラユラ揺れる樹のそれ。
「可愛い。もっと恥ずかしがって」
見せつけるように腰を揺らして水音を立てると、樹の頬が真っ赤になった。首元の鈴は、浅い所をゆるゆると突かれると小さく、深く貫かれると大きく鳴る。それが樹がどう責め立てられているのかを知らしめているようで、いたたまれなくなってしまう。
ぎゅ、と固く口を噤んだ樹に、颯真は甘く甘く囁く。
「樹。可愛い鳴き声を聴かせて?」
同時に深く差し込まれ、胸の飾りも捏ねられて、樹が高い声で喘ぐ。颯真は口角を上げて樹の髪を撫で、身体を起こして樹の腕を取った。
「颯真、さん?」
そのまま上に持ち上げられ、颯真の左手で一纏めに戒められた。
「抵抗、できなくなっちゃったね?」
うん、と頷く樹は、酔ったように甘く笑んだ。颯真が身体を倒し、再び樹を攻め立て始める。口を塞ぐことも、登りつめそうな表情も隠すことができず、樹は鈴を鳴らしながら首を振る。
「も、だめ、イっちゃ、う……、颯真、さんっ」
生理的な涙に潤んだ目で縋られ、颯真も腰の動きを激しくした。
「いいよ、一緒にイこう。……出すよ」
一際深くを抉ったそれを、樹が締め付ける。無理な体勢になりながらキスをすると、樹の舌が絡められた。
そのまま何度か細かく揺らし、颯真の低い呻き声と樹の喘ぎ声が重なった。
颯真が白濁を中に塗りこめると樹の後孔がうねる。達してもすぐ硬さを取り戻すペニスで、休むことなく撫で回した。
「ま、まだ、イってる、からぁ……っ!」
樹のお腹には自ら吐き出した白濁が散らされ、強引に重ねられた颯真の身体で塗り拡げられる。
颯真から絶え間なく与えられる、過ぎた快感。折り畳まれた身体が窮屈で辛いはずなのに、淫らな音を立てる後孔に全ての感覚が集まったようで。
「っく、……っ」
颯真が、樹の耳元で快楽に息を詰める。視線をずらすと、上気した頬に眉根を顰め、荒い息をする颯真が間近に居る。
「颯真さんも、気持ちいぃ……?」
喘ぎ声に混ぜて問いかけると、中の颯真のペニスが逞しくなる。
「あぁ、気持ちいい、よ。樹」
口を塞がれ、真上から突き入れられるように抜き差しを繰り返す。言葉通り溢れるまで注がれ、思い出したように口淫の動きをなぞられ、樹の声が掠れて出なくなる頃。
颯真がようやく樹の中からそれを引き抜いた。攻め続けられた樹の後孔から白濁が溢れる。上げっぱなしだった脚を下ろしてベッドに寝かせてやると、樹が虚ろな目で颯真を見た。
「ごめん。無理させた」
きっと颯真に猫耳があれば、力なく伏せられていただろう。しょげてしまった颯真が珍しくて、樹は小さく笑った。
「大丈夫ですよ。気持ちよかったし……」
恥ずかしげに目を伏せる樹に、颯真のペニスがまたムクムクと力を取り戻す。しかし、流石に駄目だと苦笑して、色んな体液でどろどろになってしまった樹をタオルで清めていく。
「それは良かった。さ、少し落ち着いたら、風呂のあと食事だな」
微笑んで樹の世話を焼きながら、サイドテーブルの水を樹に渡す。
「温くなっちゃったけど。凄い声になってるよ」
散々啼かせた俺のせいだけど、と笑う颯真から目を逸らしながら、樹がそれを口に含んで飲み込んでいく。飲み損ねた一筋の水が喉を伝うと、颯真の舌が舐め取る。
「颯真さん、もうダメですよ……」
視界の端には頭をもたげた颯真のペニスが。散々それに擦られた中はまだ、快感が燻るように残っている。
「はは、分かってるって。これはまあ、ね?樹が可愛いから仕方ないという事で。じゃ、お湯張ってくるよ」
樹の頭をぽんぽんと撫でた颯真は、一つ伸びをしてから寝室を出ていく。
全裸で。
「全く……あの人は恥じらいとかないのかよ……」
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