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飼い主と飼い猫の淫らな生活
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良く晴れたある日。予定より早く仮住まいを引き払った二人は、並んで真新しい玄関の扉に鍵を差し込む。軽やかな音を立てたそこから鍵を引き抜き、扉をそっと押し開けた。
ふわりと鼻腔を擽るのは、建材の木の香り。靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて、中へ入っていく。
「なんか……、早かった、ですね」
廊下から居間に入った樹が気圧されるように洩らすと、颯真はくすりと笑う。
「そう?俺は待ち侘びたよ」
まだ最低限の家具しかないリビングは広々としていて、音がよく響く。二人は手を取りあい、何度も見返して覚えてしまった間取りを辿る。
台所や風呂場は広め。収納スペースもしっかり取って、使い勝手の良い場所に物をしまえるようにした。階段付近は天窓にしたため、広く明るい雰囲気になっている。
「うん、いいね。落ち着いた雰囲気もあるし、いい家になった」
寝室は二階。それぞれの個室からしか入れない。他にも客間や在宅勤務用の小部屋も作り、一通り見た感じ、動線も問題無さそうだった。
寝室には、大人が三、四人は寝転べそうな広さのベッドが一つ。小さな机、壁側に収納があるだけだ。颯真は樹を抱き寄せ、耳にキスを落とす。
「ここの寝室、どのくらい使うかは分からないけど。ね」
耳元で囁かれた樹はぴくりと肩を跳ねさせる。樹の腰に回された手が臀部に降り、その奥に埋まるディルドを押し込んだ。
「っ、あ……」
一気に樹の声に色が付く。颯真は樹の首を飾るチョーカーを撫で、鈴を弾いて鳴らす。
「下に、行ってみようか」
目立たないように作られた扉を潜ると、地下へ向かう、少し狭い階段が現れる。二階への階段とは違い、最低限の視界が確保できる程度にしか照明をつけなかった。壁は荒削りの石のような壁材を使い、どことなく頽廃的な雰囲気を醸し出している。
半分ほど下った頃、ひんやりとした空気に気圧されるように、樹が立ち止まる。
「どうした、樹。……怖い?」
胸の前で手を組む樹は、小さく首を振る。
――確認や搬入のためになら、何度も来たけど……。
樹も颯真も、この先に何があるか分かっている。樹は分かっているからこそ足が竦む。それは恐怖のようで、どこか違うぼんやりとした感覚だ。
「怖いわけじゃない、んです。でも……、緊張しているんだと思います」
頼りない返事も颯真は微笑み、手を差し出す。手を取った樹は、いつになく冷たいその手に驚き、颯真を見た。
「俺も……緊張してる」
颯真の声はいつもより固い。普段通りに見えた颯真の告白に、樹の気が少し弛んだ。
――この先に進めば、俺は……。
樹が生唾を飲み込むと、颯真がふわりと抱きしめた。階段一つ分低い位置にいる颯真は、屈むことなく樹にキスをする。
「好きだよ、樹。……行こう」
甘く優しく囁く声が導くまま、樹は階段を降りていった。
階段を降りきった先は行き止まり。そこから右手に扉がある。
颯真は樹に背を向け、扉の取っ手を握る。前を向いたまま、樹の名を呼んだ。
「……覚悟は、いい?」
その問いは、樹と颯真自身に向けたもの。少しの間の後、樹がしっかり肯定すると、颯真はそっと扉を開いた。
「……っ」
目の前には鉄格子。ホテルにあったものより間隔が狭く、ここから抜け出すことはできなさそうだ。扉になっている部分の壁に、鍵掛けが作られていて、ここだけ手が出る程度に広げてある。
扉の影に小さな棚がある。そこには首輪や枷、臙脂色と紺色の革紐が飾られている。
「樹」
その中から白い封筒を取り出した颯真が、樹に向き直る。微かに震える颯真の手が、それを樹に差し出した。
「俺の……飼い猫に、なってくれる?」
封筒を受け取った樹が中を開く。
「婚姻、届……」
片方には既に、颯真の名が整った文字で綴られている。差し出されたペンを取り、樹もそこに名を連ねると、どちらともなく息を深く吐き出した。
空欄の埋まったそれをなぞり、樹は颯真を見上げる。颯真は樹の額にキスを落とし、チョーカーを撫でる。
「ただの猫じゃなくて……一生、俺に飼われて?」
颯真に迫られ、樹が生唾を飲み込む。その音がやけに響いた気がして、どうしていいか分からなくなった樹は俯く。その顎を颯真に取られ、引き上げられた。
強い視線に射抜かれた樹は、浅い呼吸を繰り返す。颯真は愛しげに頬を撫で、樹の身体の向きを変えさせた。
目の前に、鉄格子と内装が広がる。
「繋いで、縛って……、一生、愛し続けるから」
樹の視線がゆっくり動く。鉄輪が至る所に打ち付けられ、滑車が下がる。広いベッドに拘束具。落ち着いた雰囲気のソファセットが、却って非現実的に見える。
ずくり、と樹のペニスが脈打つ。颯真の指は顎に添えられ、俯くことはできない。
「俺……、ずっと、颯真さんの飼い猫になりたかったんです」
視線が外れているからこそ、伝えられる本心。背後で颯真が息を詰めたのが分かる。
樹はくるりと振り返り、颯真に抱きつく。
「飼ってください。一生颯真さんに……繋いでいて欲しいです」
「樹の全てを、知りたい」
服を脱ぎ捨て、樹に枷を着けて鉄格子を潜る。両手を万歳するようにベッドに繋ぎ、脚を大きく広げさせ、ベッドベッドの左右にある、小さな滑車にそれぞれ通す。頭の真上で鎖同士を繋げば、脚を閉じることはもうできなくなった。
「これ、恥ずかしい、です……」
明かりが煌々と照らす部屋で、樹はペニスも後孔も曝け出す。颯真はくすりと笑い、樹の薄い腹を撫でながら後孔にペニスを突き立てた。
「っあ、ん、っあぁあ……っ」
呆気なく達した樹の奥を抉り、そこで動きを止める。行き止まりのように窄まる奥の入口。誰も入らせてはならない場所。
「ここをこじ開けられるのは、飛ぶほどいいらしいよ」
颯真が脚の鎖の中心を引くと、樹の腰が引き上げられる。颯真は浮いた腰の下に枕を敷き、下げられないようにした。
「ね。俺をココに、入れてくれる?」
颯真は真上から押し込むように腰を揺らしながら、樹の太腿に手をかける。
「樹。答えて」
達し続ける樹は、薄目を開けて颯真を見た。
「――っ!」
欲にぎらつく支配者の目で射抜かれ、樹の中が収縮を繰り返す。颯真の手に力が込められ、脚が限界まで広げられた。根元まで埋まっていたはずの颯真のペニスの、付け根が僅かに見える。
「気づいた?これを押し込んだら……奥に届くね」
樹は未知の快楽を予感して白濁を散らす。高く上げられた場所から出たそれは、樹の顔を白く汚す。颯真は笑いながら腰を引き、先端だけを樹の中に残した。
「っや、抜かないで……」
樹は白濁と体液を纏うペニスから、目が離せなくなった。颯真は焦らすように後孔の入口を括れで擦る。時々前立腺を掠める動きに、樹の腰が揺らめいた。
「お願い、奥に……」
颯真は意地悪く笑ったまま、同じ動きを繰り返す。気が狂う程のもどかしさに、樹はとうとう颯真に答えた。
「奥の奥、こじ開けていいから……、来て、ください……っ」
颯真はくつくつと笑い、手に更に力を込める。そうして息を小さく吐くと、腰を一気に落とした。
「っは、ぐ、ぅあ、あぁああああ!!」
奥の入口を一気に突き抜けたペニスに、樹が叫ぶように嬌声を上げる。目を見開き、手足の鎖を激しく鳴らす。壊れたように跳ねる樹の結腸を犯したまま、颯真は樹を抱きしめる。
「あぁ……、これが樹の、結腸か。気持ちいい、ね」
ペニスの括れの近くを、ひくつく膜が刺激する。達し続ける樹の中がペニスを揉みしだき、颯真に快感を伝える。
「あ、ぅ、あ、っ、颯真、さ、壊れちゃう、ぃあぁああ……っ」
樹の腰ががくがくと揺れ、勝手に追い詰められていく。叫ぶ口を颯真の唇で塞ぎ、颯真が僅かに腰を引く。
くぷん、と結腸口から抜けたペニスに、樹は白濁を散らす。
「この奥にも俺の精液、飲ませてあげる。……覚悟はいい?」
颯真のペニスが再びそこをつつく。樹が涙を流しながら頷くと、颯真は優しくキスをした。
「いくよ」
樹の身体から力が抜けた一瞬を見計らい、颯真が入口を突き破る。叫ぶ樹にキスをしたまま、こじ開けた先を小突いて犯す。
「んん、っふ、んんんんっ!」
上の口を舌で嬲られ、樹が細かく痙攣する。
「で、る……っ」
颯真が身体をしならせて樹の奥の奥を穿つ。そのまま白濁をそこに吐き出しながら、腰を強く押し付けた。
意識を飛ばした樹の手足の鎖を一度解き、颯真は樹を強く抱きしめた。ペニスはまだ、奥に嵌ったまま。何度か腰を揺らすと、樹がぼんやりと目を開いた。
「そ、うま、さん……、まだ」
何か言いたげな樹に、颯真はくすりと笑う。
「ああ、まだだ。ここではこの奥を犯されるんだと、刷り込んであげないと」
宣言通り、樹はお腹が膨らむほど奥に注がれ、黒いディルドで栓をされる。颯真も流石に疲れたらしく、樹の首輪に長い鎖を取り付けて、ベッドヘッドに繋いだ。
「ちょっと休憩」
苦笑する颯真に微笑み、ベッドから降りた樹は壁際の戸棚に向かおうとする。
「ひゃ、あっ」
酷使しすぎた身体を支えきれず、倒れて四つん這いになる。樹は諦めてそのまま戸棚から目的のものを取り出し、颯真の元へ戻った。
「もの欲しげに尻尾を振って飼い主を煽るとは、悪い飼い猫だな」
颯真はベッドに座り、片膝を立ててそれを眺めていた。休憩と言ったはずの颯真のペニスが硬く勃ち上がる。樹は慌てて、手にした箱を差し出した。
「えっと、これ、渡したかっただけです……」
颯真は首を傾げながら、箱を受け取る。幅の狭い二色のリボンが、螺旋を描くように緩く絡みながら箱を飾っていた。
「俺に?ありがとう。開けていい?」
力尽きた樹がフラフラしながら頷くと、颯真は樹の頭を優しく撫でながら引き寄せる。ふわりと転がされた頭の下に、颯真の太腿の感触。
「ここにいて」
あやすように撫でられ、目を細めた樹は太腿に頬擦りをして甘えた。颯真のペニスから濃い雄の匂いがして、樹が甘く息を吐く。無意識に顔をペニスに擦り付け、まだ二人の体液で滑る竿に唇を寄せる。ちゅ、とキスをするたびにぴくりと跳ねるペニスを、樹は戒められたままの手で包む。樹の目は次第に溶けて、ねだるように颯真を見上げた。
「まだだめ。先にこれを開けさせて」
樹の悪戯に苦笑しながら、颯真は下ろした膝の上でリボンを解いた。
ふわりと鼻腔を擽るのは、建材の木の香り。靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて、中へ入っていく。
「なんか……、早かった、ですね」
廊下から居間に入った樹が気圧されるように洩らすと、颯真はくすりと笑う。
「そう?俺は待ち侘びたよ」
まだ最低限の家具しかないリビングは広々としていて、音がよく響く。二人は手を取りあい、何度も見返して覚えてしまった間取りを辿る。
台所や風呂場は広め。収納スペースもしっかり取って、使い勝手の良い場所に物をしまえるようにした。階段付近は天窓にしたため、広く明るい雰囲気になっている。
「うん、いいね。落ち着いた雰囲気もあるし、いい家になった」
寝室は二階。それぞれの個室からしか入れない。他にも客間や在宅勤務用の小部屋も作り、一通り見た感じ、動線も問題無さそうだった。
寝室には、大人が三、四人は寝転べそうな広さのベッドが一つ。小さな机、壁側に収納があるだけだ。颯真は樹を抱き寄せ、耳にキスを落とす。
「ここの寝室、どのくらい使うかは分からないけど。ね」
耳元で囁かれた樹はぴくりと肩を跳ねさせる。樹の腰に回された手が臀部に降り、その奥に埋まるディルドを押し込んだ。
「っ、あ……」
一気に樹の声に色が付く。颯真は樹の首を飾るチョーカーを撫で、鈴を弾いて鳴らす。
「下に、行ってみようか」
目立たないように作られた扉を潜ると、地下へ向かう、少し狭い階段が現れる。二階への階段とは違い、最低限の視界が確保できる程度にしか照明をつけなかった。壁は荒削りの石のような壁材を使い、どことなく頽廃的な雰囲気を醸し出している。
半分ほど下った頃、ひんやりとした空気に気圧されるように、樹が立ち止まる。
「どうした、樹。……怖い?」
胸の前で手を組む樹は、小さく首を振る。
――確認や搬入のためになら、何度も来たけど……。
樹も颯真も、この先に何があるか分かっている。樹は分かっているからこそ足が竦む。それは恐怖のようで、どこか違うぼんやりとした感覚だ。
「怖いわけじゃない、んです。でも……、緊張しているんだと思います」
頼りない返事も颯真は微笑み、手を差し出す。手を取った樹は、いつになく冷たいその手に驚き、颯真を見た。
「俺も……緊張してる」
颯真の声はいつもより固い。普段通りに見えた颯真の告白に、樹の気が少し弛んだ。
――この先に進めば、俺は……。
樹が生唾を飲み込むと、颯真がふわりと抱きしめた。階段一つ分低い位置にいる颯真は、屈むことなく樹にキスをする。
「好きだよ、樹。……行こう」
甘く優しく囁く声が導くまま、樹は階段を降りていった。
階段を降りきった先は行き止まり。そこから右手に扉がある。
颯真は樹に背を向け、扉の取っ手を握る。前を向いたまま、樹の名を呼んだ。
「……覚悟は、いい?」
その問いは、樹と颯真自身に向けたもの。少しの間の後、樹がしっかり肯定すると、颯真はそっと扉を開いた。
「……っ」
目の前には鉄格子。ホテルにあったものより間隔が狭く、ここから抜け出すことはできなさそうだ。扉になっている部分の壁に、鍵掛けが作られていて、ここだけ手が出る程度に広げてある。
扉の影に小さな棚がある。そこには首輪や枷、臙脂色と紺色の革紐が飾られている。
「樹」
その中から白い封筒を取り出した颯真が、樹に向き直る。微かに震える颯真の手が、それを樹に差し出した。
「俺の……飼い猫に、なってくれる?」
封筒を受け取った樹が中を開く。
「婚姻、届……」
片方には既に、颯真の名が整った文字で綴られている。差し出されたペンを取り、樹もそこに名を連ねると、どちらともなく息を深く吐き出した。
空欄の埋まったそれをなぞり、樹は颯真を見上げる。颯真は樹の額にキスを落とし、チョーカーを撫でる。
「ただの猫じゃなくて……一生、俺に飼われて?」
颯真に迫られ、樹が生唾を飲み込む。その音がやけに響いた気がして、どうしていいか分からなくなった樹は俯く。その顎を颯真に取られ、引き上げられた。
強い視線に射抜かれた樹は、浅い呼吸を繰り返す。颯真は愛しげに頬を撫で、樹の身体の向きを変えさせた。
目の前に、鉄格子と内装が広がる。
「繋いで、縛って……、一生、愛し続けるから」
樹の視線がゆっくり動く。鉄輪が至る所に打ち付けられ、滑車が下がる。広いベッドに拘束具。落ち着いた雰囲気のソファセットが、却って非現実的に見える。
ずくり、と樹のペニスが脈打つ。颯真の指は顎に添えられ、俯くことはできない。
「俺……、ずっと、颯真さんの飼い猫になりたかったんです」
視線が外れているからこそ、伝えられる本心。背後で颯真が息を詰めたのが分かる。
樹はくるりと振り返り、颯真に抱きつく。
「飼ってください。一生颯真さんに……繋いでいて欲しいです」
「樹の全てを、知りたい」
服を脱ぎ捨て、樹に枷を着けて鉄格子を潜る。両手を万歳するようにベッドに繋ぎ、脚を大きく広げさせ、ベッドベッドの左右にある、小さな滑車にそれぞれ通す。頭の真上で鎖同士を繋げば、脚を閉じることはもうできなくなった。
「これ、恥ずかしい、です……」
明かりが煌々と照らす部屋で、樹はペニスも後孔も曝け出す。颯真はくすりと笑い、樹の薄い腹を撫でながら後孔にペニスを突き立てた。
「っあ、ん、っあぁあ……っ」
呆気なく達した樹の奥を抉り、そこで動きを止める。行き止まりのように窄まる奥の入口。誰も入らせてはならない場所。
「ここをこじ開けられるのは、飛ぶほどいいらしいよ」
颯真が脚の鎖の中心を引くと、樹の腰が引き上げられる。颯真は浮いた腰の下に枕を敷き、下げられないようにした。
「ね。俺をココに、入れてくれる?」
颯真は真上から押し込むように腰を揺らしながら、樹の太腿に手をかける。
「樹。答えて」
達し続ける樹は、薄目を開けて颯真を見た。
「――っ!」
欲にぎらつく支配者の目で射抜かれ、樹の中が収縮を繰り返す。颯真の手に力が込められ、脚が限界まで広げられた。根元まで埋まっていたはずの颯真のペニスの、付け根が僅かに見える。
「気づいた?これを押し込んだら……奥に届くね」
樹は未知の快楽を予感して白濁を散らす。高く上げられた場所から出たそれは、樹の顔を白く汚す。颯真は笑いながら腰を引き、先端だけを樹の中に残した。
「っや、抜かないで……」
樹は白濁と体液を纏うペニスから、目が離せなくなった。颯真は焦らすように後孔の入口を括れで擦る。時々前立腺を掠める動きに、樹の腰が揺らめいた。
「お願い、奥に……」
颯真は意地悪く笑ったまま、同じ動きを繰り返す。気が狂う程のもどかしさに、樹はとうとう颯真に答えた。
「奥の奥、こじ開けていいから……、来て、ください……っ」
颯真はくつくつと笑い、手に更に力を込める。そうして息を小さく吐くと、腰を一気に落とした。
「っは、ぐ、ぅあ、あぁああああ!!」
奥の入口を一気に突き抜けたペニスに、樹が叫ぶように嬌声を上げる。目を見開き、手足の鎖を激しく鳴らす。壊れたように跳ねる樹の結腸を犯したまま、颯真は樹を抱きしめる。
「あぁ……、これが樹の、結腸か。気持ちいい、ね」
ペニスの括れの近くを、ひくつく膜が刺激する。達し続ける樹の中がペニスを揉みしだき、颯真に快感を伝える。
「あ、ぅ、あ、っ、颯真、さ、壊れちゃう、ぃあぁああ……っ」
樹の腰ががくがくと揺れ、勝手に追い詰められていく。叫ぶ口を颯真の唇で塞ぎ、颯真が僅かに腰を引く。
くぷん、と結腸口から抜けたペニスに、樹は白濁を散らす。
「この奥にも俺の精液、飲ませてあげる。……覚悟はいい?」
颯真のペニスが再びそこをつつく。樹が涙を流しながら頷くと、颯真は優しくキスをした。
「いくよ」
樹の身体から力が抜けた一瞬を見計らい、颯真が入口を突き破る。叫ぶ樹にキスをしたまま、こじ開けた先を小突いて犯す。
「んん、っふ、んんんんっ!」
上の口を舌で嬲られ、樹が細かく痙攣する。
「で、る……っ」
颯真が身体をしならせて樹の奥の奥を穿つ。そのまま白濁をそこに吐き出しながら、腰を強く押し付けた。
意識を飛ばした樹の手足の鎖を一度解き、颯真は樹を強く抱きしめた。ペニスはまだ、奥に嵌ったまま。何度か腰を揺らすと、樹がぼんやりと目を開いた。
「そ、うま、さん……、まだ」
何か言いたげな樹に、颯真はくすりと笑う。
「ああ、まだだ。ここではこの奥を犯されるんだと、刷り込んであげないと」
宣言通り、樹はお腹が膨らむほど奥に注がれ、黒いディルドで栓をされる。颯真も流石に疲れたらしく、樹の首輪に長い鎖を取り付けて、ベッドヘッドに繋いだ。
「ちょっと休憩」
苦笑する颯真に微笑み、ベッドから降りた樹は壁際の戸棚に向かおうとする。
「ひゃ、あっ」
酷使しすぎた身体を支えきれず、倒れて四つん這いになる。樹は諦めてそのまま戸棚から目的のものを取り出し、颯真の元へ戻った。
「もの欲しげに尻尾を振って飼い主を煽るとは、悪い飼い猫だな」
颯真はベッドに座り、片膝を立ててそれを眺めていた。休憩と言ったはずの颯真のペニスが硬く勃ち上がる。樹は慌てて、手にした箱を差し出した。
「えっと、これ、渡したかっただけです……」
颯真は首を傾げながら、箱を受け取る。幅の狭い二色のリボンが、螺旋を描くように緩く絡みながら箱を飾っていた。
「俺に?ありがとう。開けていい?」
力尽きた樹がフラフラしながら頷くと、颯真は樹の頭を優しく撫でながら引き寄せる。ふわりと転がされた頭の下に、颯真の太腿の感触。
「ここにいて」
あやすように撫でられ、目を細めた樹は太腿に頬擦りをして甘えた。颯真のペニスから濃い雄の匂いがして、樹が甘く息を吐く。無意識に顔をペニスに擦り付け、まだ二人の体液で滑る竿に唇を寄せる。ちゅ、とキスをするたびにぴくりと跳ねるペニスを、樹は戒められたままの手で包む。樹の目は次第に溶けて、ねだるように颯真を見上げた。
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