激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 出会い編

第54話 ユーザニア市への護衛④

　休憩を済ませてから渓谷を進んでいると、左右の絶壁から〚気配感知〛に反応が出たので馬車を止める。そして御者さんを馬車の中へ避難してもらった後は、馬車に結界を張ってから2人へ指示を出して、魔物の襲撃に備える。

「左右の絶壁から魔物が来るよ！左からは5体、右からは3体来るから、私が左を5体をもらうから2人は右の3体を頼むね！」
「「はい、お任せを！」」

　絶壁から岩石の塊が転がり落ちてくる。私は転がる塊を〘天眼〙で鑑定して確認をする。

【ロックゴーレム 】
【HP】250
【MP】50
【防御】300
《体当たり》《硬化》《岩落し》
〘弱点〙水系魔法

「魔物はロックゴーレムで弱点は水だよ。アナは土魔法で壁を作って受け止めて！ゼシカは水魔法で攻撃をしてね！」

　2人は私の指示通りに魔法を発動させる。

「ゼシカ姉様止めるのでお願いします〚土壁アースウォール〛！」
『ゴガァーン……』
「任せて〚水弾ウォーターショット〛」

　アナの発動した土壁でロックゴーレムの勢いを受け止めると、ゼシカの発動した水弾がロックゴーレムへ直撃すると、ロックゴーレムの頑丈な体に小さな亀裂が入った。アナは反撃の隙を与えずにレイピアで亀裂への刺突で核を破壊する。ゼシカも矢を2本持って、亀裂へ目掛けて矢を射出する。矢は亀裂へ突き刺さり核を破壊するとロックゴーレム達は崩れ落ちた。

「向こうは大丈夫だね。私の方も終わしちゃうか！〚爆水砲ウォーターキャノン〛」

　水の大砲が次々とロックゴーレムに直撃していくと、着弾した瞬間に爆散して戦闘は呆気なく終了したの。

「はい、討伐終了だよ～♪」

　私の言葉を聞いてミネバ様達が馬車から出てきて、驚きながら私達へ声を掛けてくれた。

「本当に、【光の絆】は規格外なのですね……」
「「規格外はアリス様だけです！！」」
「そう？今のは雑魚過ぎたんだよ(笑)」

　何が規格外なのか判らなかったけど、どう考えても今回のロックゴーレム弱過ぎだよね。御者も驚きながらも馬車を動かす準備をする。

「ははっ、ユーザニア市まではあと少してす。この先もよろしく頼みますね」
「はい、お任せを！」

　その後も襲ってくる魔物達を『サクッ』と倒していって、暗くなる頃には渓谷を抜けて、ユーザニア市へ向かう大きな街道に辿り着いたので野営をした。

　この日はなかなかの強行移動だったので、ミネバ様は直ぐに熟睡したので、テントの外で話をしたの。

「アリス様は学園に興味があるのですか？」
「まぁ、学園での生活とかってさ、その時にしか経験が出来ないからねぇ～」
「ミネバ様が言っておられた【王立グリエル英傑学院】を受験されるのですか？」
「ん～、そこがこの国で最高クラスみたいだからね。どうせ学びに行くなら最高クラスが良くない？」
「アリス様には最高こそ相応しいと思います。10歳に成られるまでに、英傑学院について色々と調べるのが良さそうですね」
「そうだね、まだまだ時間はあるしさ、楽しめそうな場所ならみんなで行こうね♪」
「「かしこまりました」」

　後に私達は【王立グリエル英雄学院】へ通い、黄金世代と言われる同級生達と共に、順風満帆？な学院生活を送る事になるんだけど、その事はも先3年先の話である。