激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 出会い編

第87話 安全を最優先に考える

　私達は20階層のボス部屋を抜けて下の階層へと降りていった。そして、21階層にあるセーフティエリアに到着して一息ついたの。

「じゃあ、今日はここで野営をして明日に備えるよ」
「アナとリューネは妖精の天幕フェアリーテントを設営してから食事の準備などをしなさい。私は湯を沸かしてアリス様に湯浴みして頂きながら、身体に異常がないかを確認するわね」
「「はい、姉さま」」

　アナとリューネは野営用の妖精の天幕フェアリーテントを設営をしてから野営の準備をする。ゼシカは、私の身体に異常がないかを確認する為に、直ぐに湯を沸かして湯浴みをする為に、ゼシカと一緒に浴室に入った。

「自分で洗えるから大丈夫だよ。大袈裟じゃない？」
「駄目です。〚超速再生〛をしたとはいえアリス様は傷を負われたのですよ？私の目で傷の有無を確認しなければ安心できません！」
「そ、そう？じゃあ頼むね」

　過保護な従者ゼシカによる事細かなボディチェックが済んだ事で、ようやく食事にありつけたのだった……

（はぁ……お腹が減った……早くご飯を食べたいよ）

　食事はリューネが用意してくれていて、私の湯浴みが終わって浴室から出てくると、タイミングよく食事の声を掛けられたの。

「アリス様、食事の用意が出来ました。お肉たっぷり特製ローストビーフ丼になります」

　空腹の限界だった私は、丼を持った瞬間に、思いきり口の中に掻き込みながら無心に食べたの。

「モグモグ、ほってもおいひい（とっても美味しい）……ひくらへもたへれるひょ（いくらでも食べられるよ）」
「アリス様……頬張った状態でのお喋りは……お行儀が悪いですよ？」

　ゼシカから行儀が悪いと注意されたけど、そんな事を全く気にせずに頬張ったままで返事をする。
「らってさ（だってさ）、ほなかへこへこだったんだもん（お腹ペコペコだったんだもん）」
「あの……アリス様が大変お腹が減っておられる事が判りましたので、先にお食事を済ませからゆっくりとお喋りくださいね」
「うん」

　そんな感じで、私はお腹いっぱいになり食事を終えた。落ち着いた後は、食後のティータイムを楽しみながら、明日からのダンジョン攻略について、4人で話をする事にしたので、先ずは私が3人に向かって話し掛けたの。

「私は25階層にあるボス部屋の手前まで進んだ所で、適当な場所に隠し部屋を作ってから、そこに転移魔法陣を設置した後に、ダンジョンから戻ろうと思ってるんだよね」

　私の言葉を聞いた3人は少し複雑な表情になる。

「それは、我々3人がまだまだ力不足で、ボス部屋を攻略する事が不可能だと判断されたからですか？」

　3人を代表してゼシカがボス部屋の手前で帰る理由を聞いてきたので、包み隠さずに本当の事を伝える事にした。

「そうだよ。ゼシカ達の安全を最優先に考えると、無理をしてまで進みたくないんだよね。それに、今回しかダンジョン攻略のチャンスがない訳じゃないからね。だから、その事で負目を感じないで欲しいかな？」
「「かしこまりました」」

　ゼシカ達は凄く悔しそうな表情だったけど、私を慕ってついて来てくれている従者達の安全を最優先にしたいから、今回は戻る事を選択したの。それでも25階層のボス部屋の手前までは行くんだから、ダンジョン攻略は続くので油断は絶対に禁物だね。