激レア種族に転生してみた（笑）

異世界転生 学園編

第69話 マリアンヌとの親睦

「お疲れ様～♪さぁ、帰ってごはん～」

　ミネバの待つ馬車へ向かいながら、従者達に声をかけていると、マリアンヌ達が自習のお礼と別れの挨拶をしてきた。

「アリス様は本当にご自由奔放な方ですね。本日は大変充実した時間を過ごせました」
「そう言ってくれると嬉しいな。宿題もしっかりと頑張ってね」
「アリス、次は武術の手合わせを楽しみにしているよ。またよろしくね」
「うん、ジャンケンを頑張って勝ち取ってね！」
「アリス！」

　リオネル君が何か言おうとしたけど、そっぽを向いたまま歩いていいくと、顔を赤くしながら呼び止めてきた。

「おい！アリス！」
「……」
「俺の扱いが雑過ぎるだろう！」
「「ふっ」」
「ぐぬぬ」

　リオネル君を無視して歩き続けると、従者達は薄っすらと笑みを浮かべながら失笑していた。ここまで思い切りスルーされると、その後は絡むことなく私が帰って行く邪魔はしてこなかった。

　私達が正門に着きゼシカが手を振ると、気づいた御者が馬車を近づけた。馬車のドアが開き乗り込もうとすると、マリアンヌが駆け足で私を追ってきた。

「はぁ、はあっ、アリス様、今日のご予定はどうなっておられますか？　少しでも空いてる時間があるのなら、伺ってもよろしいでしょうか？」

　息を切らせながら今日の予定を聞いてくるマリアンヌ、貴族令嬢らしからぬ立ち振舞に、少し驚きながらもミネバにこの後の予定を尋ねた。

「今日の予定ってなにかあった？」
「本日は、仕上がった衣装のお披露目会です」
「おぉ！あれは面倒なんだよね。マリアンヌとの親睦を図るために、お披露目会は中止にする？」

　従者達は楽しみにしているけど、ひたすら着替え続けるのはかなり面倒。これは好都合だと思い、マリアンヌとの親睦を理由にお披露目会の中止を訴えた。

「そうですね。友人との親睦は大事なので、予定の30着を半分にします。せっかくなので、マリアンヌ様もお披露目会に参加してもらって、その後は親睦会を開こうかと思いますが、マリアンヌ様はどうですか？」
「えっ、アリス様のファッションショー！それは見てみたいです！」
「では、その段取りで予定を変更します。アリス様もそれでよろしいですか？」

　どうせならお披露目会の中止が良かったけど、先にマリアンヌに話を振って外堀を埋められてしまい、『うん』と言う選択肢しか残っていなかった。

（流石はミネバ、見事な誘導だったよ）

「うん、それで良いよ。ねぇ、せっかくだから私の馬車に乗っていく？」
「ありがとうございます」

　マリアンヌとの話が終わると、停まっていた馬車に乗り込み馬車を走らせて帰宅したの。