350 / 363
最終章 世界の夜明け
第19話 魚人との交流
しおりを挟む
事情を察してくれた魚人は快く休憩することを認めてくれた。俺は感謝を伝えたあと、水場から上がって家族のもとヘ向かい右手でOKサインを出す。
俺達が休む前に、最も疲れている馬を家馬車から離して水を飲ませながら労をねぎらう。
「お疲れ様。王国の領土から抜け出るまで、もう少し頑張ってくれ」
「ブルゥ~」
甘える仕草で俺の顔を『ペロペロ』と舐められながらも、魔法鞄から果物を取り出した。これは本で得た知識だけど、魚人がベジタリアンであるからだ。
「ねぇ、これはここを使わせてもらう為の心ばかりのお礼だ。それと、去る時にも声をかけたいので、できれば名前を聞かせてもらえないかな?」
「遠慮せずに頂く。俺の名ははタタンだ」
「タタンだね。良ければここでの生活状況と、クルーズ共和国について知っていることを聞かせてくれないか?」
俺は種族差別に受けながらも水場で暮らす魚人の現状と、タタンが共和国のことをどう思っているのか聞きたいと思った。何故なら、種族差別により迫害を受けているのなら、俺達のようにクルーズ共和国への移住を目指すはずだ。もっと違う理由があって、ここを離れられないのかも知れないしね。
「良いだろう。この先に俺達の住処がある。疲れを癒したら来てくれ」
住処のある場所を指をさして教えてくれた。俺達の居る場所は開けているが、タタン達は木々が生い茂った所で暮らしているようだ。人に見つからない為なのだろうか?
「了解。タタンまた後で」
「あぁ」
話をする約束をすると、俺はタタンと一旦別れて家族の元へ戻った後は、アミュルと水場でたっぷりと遊んでから食事を取ると、疲れ切ったのかパンを手にしたまま『ウトウト』とし始めた。ハリエットは起こさないように抱き上げるて家馬車へと運んだ。その様子を見ながら俺達も体を休めようと声をかける。
「僕達も少し横になろうか? 周囲の警戒はセレーナに任せる。次の休憩はどうなるか判らないからしっかり休んでね」
「うん。ウォードは魚人と話をしに行くのよね?」
サーシャは、俺がこのままタタンの住処へ向かうと思ったようだ。早く話して色々な情報を得たいところだけど、流石に長旅をして疲れが溜まっている。この先ゆっくりと休憩をする場所があるかも判らないので、無理をするつもりはない。
「話をしに行くけど、ちゃんと横になって疲れを癒してからにするから大丈夫だよ」
「そう、それなら安心したわ」
休むことを伝えてると、セレーナに警戒を任せて俺達は家馬車へ入って体を休めた。
そして、数時間ほど睡眠を取って体が軽くなったことを確認してから、タタンの住処へと足を運ぶのだった。
俺達が休む前に、最も疲れている馬を家馬車から離して水を飲ませながら労をねぎらう。
「お疲れ様。王国の領土から抜け出るまで、もう少し頑張ってくれ」
「ブルゥ~」
甘える仕草で俺の顔を『ペロペロ』と舐められながらも、魔法鞄から果物を取り出した。これは本で得た知識だけど、魚人がベジタリアンであるからだ。
「ねぇ、これはここを使わせてもらう為の心ばかりのお礼だ。それと、去る時にも声をかけたいので、できれば名前を聞かせてもらえないかな?」
「遠慮せずに頂く。俺の名ははタタンだ」
「タタンだね。良ければここでの生活状況と、クルーズ共和国について知っていることを聞かせてくれないか?」
俺は種族差別に受けながらも水場で暮らす魚人の現状と、タタンが共和国のことをどう思っているのか聞きたいと思った。何故なら、種族差別により迫害を受けているのなら、俺達のようにクルーズ共和国への移住を目指すはずだ。もっと違う理由があって、ここを離れられないのかも知れないしね。
「良いだろう。この先に俺達の住処がある。疲れを癒したら来てくれ」
住処のある場所を指をさして教えてくれた。俺達の居る場所は開けているが、タタン達は木々が生い茂った所で暮らしているようだ。人に見つからない為なのだろうか?
「了解。タタンまた後で」
「あぁ」
話をする約束をすると、俺はタタンと一旦別れて家族の元へ戻った後は、アミュルと水場でたっぷりと遊んでから食事を取ると、疲れ切ったのかパンを手にしたまま『ウトウト』とし始めた。ハリエットは起こさないように抱き上げるて家馬車へと運んだ。その様子を見ながら俺達も体を休めようと声をかける。
「僕達も少し横になろうか? 周囲の警戒はセレーナに任せる。次の休憩はどうなるか判らないからしっかり休んでね」
「うん。ウォードは魚人と話をしに行くのよね?」
サーシャは、俺がこのままタタンの住処へ向かうと思ったようだ。早く話して色々な情報を得たいところだけど、流石に長旅をして疲れが溜まっている。この先ゆっくりと休憩をする場所があるかも判らないので、無理をするつもりはない。
「話をしに行くけど、ちゃんと横になって疲れを癒してからにするから大丈夫だよ」
「そう、それなら安心したわ」
休むことを伝えてると、セレーナに警戒を任せて俺達は家馬車へ入って体を休めた。
そして、数時間ほど睡眠を取って体が軽くなったことを確認してから、タタンの住処へと足を運ぶのだった。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる