25 / 31
おまけ
3
しおりを挟む
職場から小走りに出てきた詩乃さんを見た瞬間泣きそうになった。「お待たせ」っていつものように微笑む詩乃さんが詩乃さんでほっとした。
ここ数か月の自分が一体何だったんだと思うぐらい、詩乃さんは普段通りで俺に安心をくれる。
「どうぞ~」
「お邪魔しまーす」
詩乃さんの部屋に入って後ろ手で鍵をしながら抱きしめたのは言うまでもない。詩乃さんはふふって笑って俺の腕に収まってくれた。
「ご飯遅くなっちゃうけどごめんね。お料理温め直したりしなきゃ」
「いい。いつまでだって待つ」
ありがとうとキスをしたら思いの外深くなってしまった。詩乃さんに腕を叩かれて渋々離れた。
「冷蔵庫も冷凍庫もパンパン。来てくれてよかった」
はい好きー。
もう結婚する。
「全部いただきますって言ったでしょ。今日おやつ抜きできた」
なんていうと、詩乃さんがころころと喉を鳴らす。主にポジティブな感情の時の仕草だって知った。中でも今のは喜びの音。かわいい。
本当はひとつ気になっていることがある。
前の男にも手料理を食べさせたのかってことなんだけど、こんなの絶対に詩乃さんに聞けない。小さい男だと思われたくない。悔しいけど、過去にも作ってはいるだろうしね。万が一、俺が好きな料理と被ったりでもしたらすげぇ嫌だ。
部屋着に替えることなく詩乃さんはエプロンをして、きれいな黒髪をまとめあげた。袖まくりをしてさっさと手を洗う。
新婚の奥様感溢れてるなんて考えたら、鼻の奥がじわっとしてきた。鼻血でそう。
「急いで準備するね。逸登君はテレビでも見ててー」
俺は詩乃さんしか見る気ないんだな。
荷物を置いて俺も手を洗う。
「手伝う。指示して」
辞退しかけた詩乃さんだけど思い直したらしく「ありがとう」を忘れない。当たり前のことなのにいつだってちゃんとお礼を口にするところが彼女の心根の良さを表わしている。
「実はお皿が足らなくて紙皿にしちゃった。タッパーのままになっちゃうのもあるの」
「ぜんっぜん気になんない」
取り皿や箸と一緒に出てきたコップを思わずまじまじとみてしまう。
これって。この黒猫って。
「それね、ずいぶん前に宇多がくれたの。私に似てるから買ったっていうんだけど、私そんな愛嬌ないと思うんだよね」
いや。わかる。宇多さん、めっちゃわかる。
詩乃さんの友だちで唯一まだお会いしていない宇多さんだけど、詩乃さんの口から一番よく聞く名前だ。しっかり者で信頼できるひとっぽい。
とりあえず俺も同じキャラのクッションを買ったことは黙っとこ。次に俺んち来たら隠しようがないけど。それまでは。
続いて冷蔵庫から幾つも容器を取り出して手渡される。
全て作り置きしてくれたとしたら手間がかかってるどころじゃない。お誘いの電話から4日間、仕事が終わってから部屋を片づけてこれだけの料理までするって相当大変だったはずだ。
「これ、うちのお母さんの得意料理で私の大好物なの」
と容器のひとつを開けてつまみ食いをした。「んーおいしっ」って目を細めてから「食べる?」って俺にも同じように指で摘まんで差し出してきた。
食うでしょ。
食わんわけないでしょ。
ぱくっと口にした。醤油ベースの味わいで磯の香りが鼻孔を通り抜けた。コリっとした食感で酒のあてにもよさそうだ。
「うまっ。貝?」
「あったり~。ね、いいでしょ」
母上が毎年作る季節ものらしい。今年も送ると連絡があった際に、小食の詩乃さんらしからず多めに頼んだのをきっかけに俺の存在が伝わったとのこと。んでもって大量の食材が届いた、と。
「それって、さ」
「んー?」
「今まで作ってあげたことなかったとか?」
ええ、ええ。小さい男ですよ、俺は。
きょとんとする詩乃さんが考えを巡らして……ちょっと不安になる間が空く。
詩乃さんはきっと噓をつかない。んでもって真実で俺を傷つけまいともする。
「実家から食材送ってもらってまではね~」
ほらね。満点のお返事でしょ。
俺の視線なんて気にせず、さらに冷蔵庫からお皿を取り出してラップを剥がした。うまそうな一品に思わず視線がお皿に釘付けになる。
「詩乃さんそのお肉は?」
「お魚ばっかりもどうかと思って」
綺麗に盛られたローストビーフにソースを垂らす。
作り置きに持ってこいだってことは、出来合いじゃないってことじゃん。
「これも俺のためにわざわざ?」
「ふふっ。はりきっちゃった」
詩乃さんが少しだけ俯き加減になる。髪の中に隠れようとする、彼女の照れる仕草だ。髪をまとめているから隠れきれない。伏し目がちに照れる詩乃さんの柔らかさに心を擽られる。
俺の手に積み重ねられた容器をテーブルに置いて、急いで詩乃さんの元へ戻った。彼女から照れはなくなって、さっきより機嫌よくガスレンジの前に立っている。
詩乃さんの一挙手一投足が見過ごせなくて丸っと食べちゃいたいぐらい愛おしい。
鍋の中身をかき混ぜる詩乃さんの腰に手を回す。
「ちょっ、くすぐったい」
うなじに顔をくっつけると詩乃さんは身をよじる。逃さない。普段は長髪に隠されている華奢なうなじの白さがたまらなく惹きつける。ほんのり香る紅茶みたいな匂いがすげぇ似合ってんだよなぁ。
スンスンしているうちに唇に当たる肌の感触にやみつきになっていく。
うん。
エプロン装備の詩乃さんとキッチンでって、いいじゃん。
いい。とてもいい。
こっそりガスの火を止める。
「ねぇ、詩乃さん」
「無理。ない。絶対だめ」
うぐっ。
ヤメテ。そのコンボ。
もう少し言い方があるでしょうに。
めげるものかと控えめにエプロンの上から胸に手を置いてみる。
「ストーップ」
「えー。俺も無理」
「ほんっと! 今じゃないからっ」
えっ。こんな雰囲気ぶち壊す子じゃないはず。
マジで嫌がってたりする?
思いっきり抱き寄せて顔だけ回り込むように詩乃さんの顔を確認する。
──真顔は止めてクダサイ。オネガイシマス。
ここ数か月の自分が一体何だったんだと思うぐらい、詩乃さんは普段通りで俺に安心をくれる。
「どうぞ~」
「お邪魔しまーす」
詩乃さんの部屋に入って後ろ手で鍵をしながら抱きしめたのは言うまでもない。詩乃さんはふふって笑って俺の腕に収まってくれた。
「ご飯遅くなっちゃうけどごめんね。お料理温め直したりしなきゃ」
「いい。いつまでだって待つ」
ありがとうとキスをしたら思いの外深くなってしまった。詩乃さんに腕を叩かれて渋々離れた。
「冷蔵庫も冷凍庫もパンパン。来てくれてよかった」
はい好きー。
もう結婚する。
「全部いただきますって言ったでしょ。今日おやつ抜きできた」
なんていうと、詩乃さんがころころと喉を鳴らす。主にポジティブな感情の時の仕草だって知った。中でも今のは喜びの音。かわいい。
本当はひとつ気になっていることがある。
前の男にも手料理を食べさせたのかってことなんだけど、こんなの絶対に詩乃さんに聞けない。小さい男だと思われたくない。悔しいけど、過去にも作ってはいるだろうしね。万が一、俺が好きな料理と被ったりでもしたらすげぇ嫌だ。
部屋着に替えることなく詩乃さんはエプロンをして、きれいな黒髪をまとめあげた。袖まくりをしてさっさと手を洗う。
新婚の奥様感溢れてるなんて考えたら、鼻の奥がじわっとしてきた。鼻血でそう。
「急いで準備するね。逸登君はテレビでも見ててー」
俺は詩乃さんしか見る気ないんだな。
荷物を置いて俺も手を洗う。
「手伝う。指示して」
辞退しかけた詩乃さんだけど思い直したらしく「ありがとう」を忘れない。当たり前のことなのにいつだってちゃんとお礼を口にするところが彼女の心根の良さを表わしている。
「実はお皿が足らなくて紙皿にしちゃった。タッパーのままになっちゃうのもあるの」
「ぜんっぜん気になんない」
取り皿や箸と一緒に出てきたコップを思わずまじまじとみてしまう。
これって。この黒猫って。
「それね、ずいぶん前に宇多がくれたの。私に似てるから買ったっていうんだけど、私そんな愛嬌ないと思うんだよね」
いや。わかる。宇多さん、めっちゃわかる。
詩乃さんの友だちで唯一まだお会いしていない宇多さんだけど、詩乃さんの口から一番よく聞く名前だ。しっかり者で信頼できるひとっぽい。
とりあえず俺も同じキャラのクッションを買ったことは黙っとこ。次に俺んち来たら隠しようがないけど。それまでは。
続いて冷蔵庫から幾つも容器を取り出して手渡される。
全て作り置きしてくれたとしたら手間がかかってるどころじゃない。お誘いの電話から4日間、仕事が終わってから部屋を片づけてこれだけの料理までするって相当大変だったはずだ。
「これ、うちのお母さんの得意料理で私の大好物なの」
と容器のひとつを開けてつまみ食いをした。「んーおいしっ」って目を細めてから「食べる?」って俺にも同じように指で摘まんで差し出してきた。
食うでしょ。
食わんわけないでしょ。
ぱくっと口にした。醤油ベースの味わいで磯の香りが鼻孔を通り抜けた。コリっとした食感で酒のあてにもよさそうだ。
「うまっ。貝?」
「あったり~。ね、いいでしょ」
母上が毎年作る季節ものらしい。今年も送ると連絡があった際に、小食の詩乃さんらしからず多めに頼んだのをきっかけに俺の存在が伝わったとのこと。んでもって大量の食材が届いた、と。
「それって、さ」
「んー?」
「今まで作ってあげたことなかったとか?」
ええ、ええ。小さい男ですよ、俺は。
きょとんとする詩乃さんが考えを巡らして……ちょっと不安になる間が空く。
詩乃さんはきっと噓をつかない。んでもって真実で俺を傷つけまいともする。
「実家から食材送ってもらってまではね~」
ほらね。満点のお返事でしょ。
俺の視線なんて気にせず、さらに冷蔵庫からお皿を取り出してラップを剥がした。うまそうな一品に思わず視線がお皿に釘付けになる。
「詩乃さんそのお肉は?」
「お魚ばっかりもどうかと思って」
綺麗に盛られたローストビーフにソースを垂らす。
作り置きに持ってこいだってことは、出来合いじゃないってことじゃん。
「これも俺のためにわざわざ?」
「ふふっ。はりきっちゃった」
詩乃さんが少しだけ俯き加減になる。髪の中に隠れようとする、彼女の照れる仕草だ。髪をまとめているから隠れきれない。伏し目がちに照れる詩乃さんの柔らかさに心を擽られる。
俺の手に積み重ねられた容器をテーブルに置いて、急いで詩乃さんの元へ戻った。彼女から照れはなくなって、さっきより機嫌よくガスレンジの前に立っている。
詩乃さんの一挙手一投足が見過ごせなくて丸っと食べちゃいたいぐらい愛おしい。
鍋の中身をかき混ぜる詩乃さんの腰に手を回す。
「ちょっ、くすぐったい」
うなじに顔をくっつけると詩乃さんは身をよじる。逃さない。普段は長髪に隠されている華奢なうなじの白さがたまらなく惹きつける。ほんのり香る紅茶みたいな匂いがすげぇ似合ってんだよなぁ。
スンスンしているうちに唇に当たる肌の感触にやみつきになっていく。
うん。
エプロン装備の詩乃さんとキッチンでって、いいじゃん。
いい。とてもいい。
こっそりガスの火を止める。
「ねぇ、詩乃さん」
「無理。ない。絶対だめ」
うぐっ。
ヤメテ。そのコンボ。
もう少し言い方があるでしょうに。
めげるものかと控えめにエプロンの上から胸に手を置いてみる。
「ストーップ」
「えー。俺も無理」
「ほんっと! 今じゃないからっ」
えっ。こんな雰囲気ぶち壊す子じゃないはず。
マジで嫌がってたりする?
思いっきり抱き寄せて顔だけ回り込むように詩乃さんの顔を確認する。
──真顔は止めてクダサイ。オネガイシマス。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる