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お仕事体験編
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橙子は手にした極太フレームのオシャレ眼鏡を手慰みにしてから掛けた。最終確認とともに渡されたそれはカメラが仕込まれている。が、見た目にはわからない。
「どう?」
「いーと思います」
適当な感想で返した亜紀が茶化さないのであれば合格点だと解釈できる。亜紀も欲しがっているが、なにせ突然の捜査参加でガジェットの数に限りがある。
今夜のイベントは麻薬売買という裏の目的がある。
近辺で活動が活発化しているギャング集団が関わっており、背後に反社会勢力がついたクラブ経営陣もブラックリストに上がっている。常連客だけではなく新規顧客獲得にも積極的だ。
悪ガキの集団だと捨て置くには組織として確立している。イベントを開催するクラブは点々としており、ようやく掴んだ機会なのだ。前回は別の場所で、ほぼ同じ条件下で包囲網を敷いたが失敗に終わった。警察の沽券に関わる問題で、今回はリベンジも兼ねている。
情報操作はもちろん、大量投入される潜入要員を若手に絞ったのも作戦の一つである。しかしながら、経験不足は明らかで不安は残る。そこで場慣れしている橙子と亜紀にも協力要請が出された。
無論、橙子は全力で断り、徹も断固拒否を示した。俊樹でさえ危険性を訴えた。
亜紀だけが「防護してくれるのでしょ」と乗り気で、鶴の一声と加勢したおじさんたちに黙らされてしまった。
「超楽しい」
「不謹慎」
「スパイグッズ支給されて映画みたいじゃん」
日野をはじめとする年配者は、近隣で待機をしている。橙子の眼鏡映像や捜査員たちの音声等は機材を積んだ車両に通信される仕組みだ。簡易本部であるそれらの車両から指示を出す。そして潜入に不向きと判断された屈強な面々は現場周辺を取り囲むという寸法だ。
「ホント、何でこんなことに」
「まさかのイベントを引き当てるとか、さすが私!」
橙子は亜紀の手前味噌を褒められる心境にない。亜紀がスマホで見せたイベントが該当案件でなければ、こんな事態には陥っていなかったはずだ。
橙子には出来るだけ多くの人間をカメラに映すよう指示されている。映像から既に警察が掴んでいるギャング構成員や麻薬ディーラーだと特定され次第、売買に漕ぎつけるよう潜入員に指示が出される。商談交渉に持ち込められたら現行犯逮捕ができる。
全ては「顧客」として認識されるかに懸かっているのだ。橙子にも必要に応じて釣られろと示唆されているのも事実だ。
「いつも通り、しっかりおバカ発揮しなさいね」
「男引っ掛けられるかは先輩次第っしょ」
「三十路越えたオバサンにハタチそこそこの子釣れってさぁ」
橙子は徹と同じ台詞で掛け合った。オバサンが同行しても役には立てるはずがないと、気が重い。
橙子が関わらぬうちに片がつくように祈るしかない。
「川原さん、森下さん、行けますか?」
「はーい!」
「……はい」
「久我島と尾野も入ってるから気楽にね♪」
いってらっしゃーいと、日野に見送られ入場の列に並ぶ。
「結構盛り上がってんね」
亜紀の言う通り混雑しているが、まだ身動きが取れないほどではない。入場数が一番多い時間帯で、少し経てばメインイベントも開始されるはずだ。
勢いよく首を動かさないように。
橙子は心中で注意事項を反芻し、眼鏡を気遣いながら亜紀について歩く。
「あっちゃー。みんな忍者じゃん」
橙子より先に入場をした捜査員たちは壁に張り付いている状態だ。慣れないからか、忠実に持ち場を警備しているのか、定かではない。
「とーこセンパーイ、手始めに逆ナンいっちゃいますか」
「まぁ、確かにちょっとね」
亜紀の悪戯な顔に、橙子は頷いた。
橙子の持つひと掛けの眼鏡にホール警備のすべてを託されてはかなわない。
「お兄さんたちよく来るのー?」
亜紀がイイカラダだと弄った捜査員たちに声をかけた。
「え?」
「は?」
「真顔かよ!」
新人の彼らは引っ張り出すには最適だ。
ふざけているようで、亜紀も心得ている。
「はいはい、巻き込み御免。行くよー」
亜紀と橙子は、少々強引に捜査員たちの腕を引っ張る。
(おぉ。確かに逞しいわ)
橙子が掴んだ腕に無駄はない。妙に強張っているのは無理矢理引かれているからだろう。
「ふふっ。強引なのはオバサンの特権だから諦めて」
橙子が掴んだ腕をぐっと下に引いて耳元で伝達した。やられた捜査員は困ったように顔を逸らした。
亜紀に場を任せ、橙子はフロアを横断して対角線を目指す。視線は上げたまま人波を縫っていく。フロアの様子が届けられるように意識した。
「あっ、久しぶり~!」
途中、女性捜査員たちにも声をかける。男性陣と同様、真顔で返されてしまった。
亜紀が手がけたグループは流行りよりモテを意識した仕上がりだ。橙子は釣れるとしたら彼女たちだろうと当たりをつけていた。
「あっちに亜紀を置いて来たから行こう?」
「あ、いえ。私たちはここで」
あなたたちの持ち場はホールでしょうが! となじりたい気持ちを押さえる。
「誰か待ち?」
「そうではなくてですね」
「はい仕事仕事!」
無理です~という気弱な声は聞こえないふりで背中を押す。
「こっちこっち~」
笑顔で手を挙げる亜紀が頼もしい。
橙子は友だちを見つけた風に装って合流した。
小柄な亜紀は人ごみに紛れやすい。丸腰であるので、どの捜査員でもいいから必ず目に付く位置にと指示があった。橙子と別行動になっても必ずひとりは付いてくれる。
「ちょっとごめん。お名前は?」
橙子は真横の女性捜査員に話しかけた。律義にも苗字を告げられ、苦笑を押し殺して聞き直す。
「美穂です」
「おっけ、美穂ちゃん。私、一回りするから付き合ってもらえるかな?」
「了解です」
「橙子でいいからね。言いにくかったら亜紀みたく先輩でも」
与えられた任務は早めにこなすに限る。橙子の眼鏡からは一方的な発信のみだ。捜査員だけに音声の授受がされる。本部からの指示がある可能性を踏まえて、単独行動より効果的だと考えた。
次第に客が増え、声を掛けられる回数も比例する。
橙子と美穂は、適当に会話をしながら移動を繰り返す。
「さすがだねって、尾野さんが」
美穂から短い伝言を受け、橙子は方頬を微妙に釣り上げた。
「どうせ半笑いでしょ。アイツ、絶対いい意味で言ってないからね」
「そんなこと」
美穂が勢いよく手を左右に振る。一生懸命否定する美穂が一瞬固まって見えた。気を遣わせてしまったかと勘繰り、美穂の視線に釣られて目線を落とした。
「待って!」
橙子は反射的に美穂に抱き着いた。落ち着いてと囁いて、美穂の腰にある手を思いっ切り振り解く。美穂の正面から背後に回るように身体を割り入れる。美穂の肩を抱いてフロアから一時撤退だ。
「怖かったね」
「す、すみません。私、」
「投げ飛ばすとこだったでしょ」
唇を噛み締める美穂を見て、橙子は態と明るく揶揄い口調に努める。
橙子の状況把握が警察官の身体能力を上回ったのは奇跡だ。場所が場所なだけで、街中であればただの痴漢行為だ。意識を回復した警察官が条件反射で身体を動かしても驚きはない。
「けっこう歩き回ったから、少し休憩しよう」
DJイベントが開始され照明も騒がしくなった。暗い中の映像では判別に効果的でないだろう。テーブルと椅子のあるコーナーに移動する。
真面目な美穂を慮って「次のミッション待ちね」と言い直した。
「どう?」
「いーと思います」
適当な感想で返した亜紀が茶化さないのであれば合格点だと解釈できる。亜紀も欲しがっているが、なにせ突然の捜査参加でガジェットの数に限りがある。
今夜のイベントは麻薬売買という裏の目的がある。
近辺で活動が活発化しているギャング集団が関わっており、背後に反社会勢力がついたクラブ経営陣もブラックリストに上がっている。常連客だけではなく新規顧客獲得にも積極的だ。
悪ガキの集団だと捨て置くには組織として確立している。イベントを開催するクラブは点々としており、ようやく掴んだ機会なのだ。前回は別の場所で、ほぼ同じ条件下で包囲網を敷いたが失敗に終わった。警察の沽券に関わる問題で、今回はリベンジも兼ねている。
情報操作はもちろん、大量投入される潜入要員を若手に絞ったのも作戦の一つである。しかしながら、経験不足は明らかで不安は残る。そこで場慣れしている橙子と亜紀にも協力要請が出された。
無論、橙子は全力で断り、徹も断固拒否を示した。俊樹でさえ危険性を訴えた。
亜紀だけが「防護してくれるのでしょ」と乗り気で、鶴の一声と加勢したおじさんたちに黙らされてしまった。
「超楽しい」
「不謹慎」
「スパイグッズ支給されて映画みたいじゃん」
日野をはじめとする年配者は、近隣で待機をしている。橙子の眼鏡映像や捜査員たちの音声等は機材を積んだ車両に通信される仕組みだ。簡易本部であるそれらの車両から指示を出す。そして潜入に不向きと判断された屈強な面々は現場周辺を取り囲むという寸法だ。
「ホント、何でこんなことに」
「まさかのイベントを引き当てるとか、さすが私!」
橙子は亜紀の手前味噌を褒められる心境にない。亜紀がスマホで見せたイベントが該当案件でなければ、こんな事態には陥っていなかったはずだ。
橙子には出来るだけ多くの人間をカメラに映すよう指示されている。映像から既に警察が掴んでいるギャング構成員や麻薬ディーラーだと特定され次第、売買に漕ぎつけるよう潜入員に指示が出される。商談交渉に持ち込められたら現行犯逮捕ができる。
全ては「顧客」として認識されるかに懸かっているのだ。橙子にも必要に応じて釣られろと示唆されているのも事実だ。
「いつも通り、しっかりおバカ発揮しなさいね」
「男引っ掛けられるかは先輩次第っしょ」
「三十路越えたオバサンにハタチそこそこの子釣れってさぁ」
橙子は徹と同じ台詞で掛け合った。オバサンが同行しても役には立てるはずがないと、気が重い。
橙子が関わらぬうちに片がつくように祈るしかない。
「川原さん、森下さん、行けますか?」
「はーい!」
「……はい」
「久我島と尾野も入ってるから気楽にね♪」
いってらっしゃーいと、日野に見送られ入場の列に並ぶ。
「結構盛り上がってんね」
亜紀の言う通り混雑しているが、まだ身動きが取れないほどではない。入場数が一番多い時間帯で、少し経てばメインイベントも開始されるはずだ。
勢いよく首を動かさないように。
橙子は心中で注意事項を反芻し、眼鏡を気遣いながら亜紀について歩く。
「あっちゃー。みんな忍者じゃん」
橙子より先に入場をした捜査員たちは壁に張り付いている状態だ。慣れないからか、忠実に持ち場を警備しているのか、定かではない。
「とーこセンパーイ、手始めに逆ナンいっちゃいますか」
「まぁ、確かにちょっとね」
亜紀の悪戯な顔に、橙子は頷いた。
橙子の持つひと掛けの眼鏡にホール警備のすべてを託されてはかなわない。
「お兄さんたちよく来るのー?」
亜紀がイイカラダだと弄った捜査員たちに声をかけた。
「え?」
「は?」
「真顔かよ!」
新人の彼らは引っ張り出すには最適だ。
ふざけているようで、亜紀も心得ている。
「はいはい、巻き込み御免。行くよー」
亜紀と橙子は、少々強引に捜査員たちの腕を引っ張る。
(おぉ。確かに逞しいわ)
橙子が掴んだ腕に無駄はない。妙に強張っているのは無理矢理引かれているからだろう。
「ふふっ。強引なのはオバサンの特権だから諦めて」
橙子が掴んだ腕をぐっと下に引いて耳元で伝達した。やられた捜査員は困ったように顔を逸らした。
亜紀に場を任せ、橙子はフロアを横断して対角線を目指す。視線は上げたまま人波を縫っていく。フロアの様子が届けられるように意識した。
「あっ、久しぶり~!」
途中、女性捜査員たちにも声をかける。男性陣と同様、真顔で返されてしまった。
亜紀が手がけたグループは流行りよりモテを意識した仕上がりだ。橙子は釣れるとしたら彼女たちだろうと当たりをつけていた。
「あっちに亜紀を置いて来たから行こう?」
「あ、いえ。私たちはここで」
あなたたちの持ち場はホールでしょうが! となじりたい気持ちを押さえる。
「誰か待ち?」
「そうではなくてですね」
「はい仕事仕事!」
無理です~という気弱な声は聞こえないふりで背中を押す。
「こっちこっち~」
笑顔で手を挙げる亜紀が頼もしい。
橙子は友だちを見つけた風に装って合流した。
小柄な亜紀は人ごみに紛れやすい。丸腰であるので、どの捜査員でもいいから必ず目に付く位置にと指示があった。橙子と別行動になっても必ずひとりは付いてくれる。
「ちょっとごめん。お名前は?」
橙子は真横の女性捜査員に話しかけた。律義にも苗字を告げられ、苦笑を押し殺して聞き直す。
「美穂です」
「おっけ、美穂ちゃん。私、一回りするから付き合ってもらえるかな?」
「了解です」
「橙子でいいからね。言いにくかったら亜紀みたく先輩でも」
与えられた任務は早めにこなすに限る。橙子の眼鏡からは一方的な発信のみだ。捜査員だけに音声の授受がされる。本部からの指示がある可能性を踏まえて、単独行動より効果的だと考えた。
次第に客が増え、声を掛けられる回数も比例する。
橙子と美穂は、適当に会話をしながら移動を繰り返す。
「さすがだねって、尾野さんが」
美穂から短い伝言を受け、橙子は方頬を微妙に釣り上げた。
「どうせ半笑いでしょ。アイツ、絶対いい意味で言ってないからね」
「そんなこと」
美穂が勢いよく手を左右に振る。一生懸命否定する美穂が一瞬固まって見えた。気を遣わせてしまったかと勘繰り、美穂の視線に釣られて目線を落とした。
「待って!」
橙子は反射的に美穂に抱き着いた。落ち着いてと囁いて、美穂の腰にある手を思いっ切り振り解く。美穂の正面から背後に回るように身体を割り入れる。美穂の肩を抱いてフロアから一時撤退だ。
「怖かったね」
「す、すみません。私、」
「投げ飛ばすとこだったでしょ」
唇を噛み締める美穂を見て、橙子は態と明るく揶揄い口調に努める。
橙子の状況把握が警察官の身体能力を上回ったのは奇跡だ。場所が場所なだけで、街中であればただの痴漢行為だ。意識を回復した警察官が条件反射で身体を動かしても驚きはない。
「けっこう歩き回ったから、少し休憩しよう」
DJイベントが開始され照明も騒がしくなった。暗い中の映像では判別に効果的でないだろう。テーブルと椅子のあるコーナーに移動する。
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