2度目の青春

花森 雲空

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愛菜と多恵は仲良し姉妹

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「多恵姉さん、ごめん!寝坊しちゃった!」



私は、カフェまで車を飛ばしてきたものだから、ボサボサのまま着いた。

「相変わらずね、愛菜。座りなさい」



相変わらず、多恵姉さんは綺麗だ。

モデルをしながら、若い子を育てている社長さん。

私の自慢の姉だ。

「仕事探してるなら、うちのモデル事務所に所属しなさい。私の妹ならできるはずよ」

ほえへと、ぼんやり聞いていたけど、多恵姉さんが話を進めていくので任せることにした。


連れていかれたのは、美容室?みたいなところ。

「私の妹の愛菜よ!綺麗にしてちょうだい!」

されるがまま、私は人形みたいになった。

3時間かかり、鏡を見て驚き、思わず声にだした。

「これが私なの!?」

多恵ねえは手を叩きながら言った。

「明後日から仕事入れるから、蒼瑠(あおる)に教えてもらいなさい」

3万円をもらい、肩を叩かれ振り向いた。

「はじめまして。QUEEN&KING所属の蒼瑠です。23歳同士、タメ口でいいよね?」



ホストみたい。綺麗な人。蝋人形みたいな!

「はじめまして。愛菜です。よろしく」

多恵姉さんが、すかさず言った。

「美味しいもの食べさせたらどう?」

家に連れて行って食べさせるの!?

「私の味でよければ、家に来ますか?」

蒼瑠は、車のキーをだして微笑んだ。

私は喜び、2人でスーパーに向かうことにした。

7月の終わりのことだ。



蒼瑠と買い物を済ませ、夏におでんをすることにした。

「狭いですけど、どうぞ!」

2LDKとは名ばかりの狭い部屋だ。

私は着替え、おでんを作ることにした。

すると、蒼瑠が冷蔵庫からビールを取り出し、私には日本酒を注いでくれた。

(料理酒の代わりなんだけどな)

乾杯をして、飲み干し、ゆで卵を作りながら、土鍋に出汁を作る。

蒼瑠は嬉しそうに色んな話をしてくれた。

(気さくな人なんだ)

あとは煮込むだけだからと、枝豆を茹で、ソファーに2人で座った。

「蒼瑠、お姉ちゃん落としたいなら無理だよ?結婚して、子供も2人いるんだから」

蒼瑠はビールを吐きかけた。

「悩ましくて綺麗なのに!やっぱりなぁ」

そんな話をしながら、私は焼酎ロックを2つだした。

「おでんできたよ!待ってね!」

そんな感じで蒼瑠は迎えが来るまで、おでんを堪能してくれた。

明日、また来ると言い残して。





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