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王の独占2
しおりを挟むオレオは物音で目を覚ますと驚愕した。
目の前、寝具の横にアレク王が立っていた。オレオが急いで起き上がろうとした瞬間、王はオレオの肩を押し、静止させた。
オレオは息を呑む。状況をやっと把握した。正面にいる男は主君であり、一国を支配するアレク王だ。品格ある顔がこちらを向いている。
オレオは愛しさが強く込み上げた。しかし、すぐ後に羞恥心が沸いてくる。立場上、主君を支える身分での今のこの有り様を向かいの王はどう思うだろうか。オレオの脳裏に「失望」の言葉が浮かんだ。
オレオ「アレク様、……その、」
オレオ「……このような事態…誠に……面目ありません」
オレオは渇いた口を必死に動かした。
王を失望させた事にかわりないが、そもそも自分は何を期待されていたのか…、
オレオはまた嫌悪感にさいなまれる。
アレク「何故、そう思う?」
王がオレオにやさしく声をかけた。
オレオ「私…え…と、私はグッジョブ侯と親交があったのにも関わらず、このような事態を防ぐことが出来ませんでした」
オレオ「何かしら処分を受けなければなりません…」
アレク「お前が廊にはいるのか?おかしな話だ」
オレオ「しかし…っ…」
アレク「キズが癒えるまで寝ていろ」
オレオ「私はその程度の人間なのですか!?」
かなりの声量でオレオは口走った。
耐えられず心の叫びがこぼれてしまった。
そしてオレオの頬に再び涙が溢れだしていた。
正面の王がみかねて目を細める。
アレク「混乱しているな」
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