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花と石鹸3
しおりを挟む「知らない……」
亮の伏し目がちな目の、奥の色味が変わっていく。
優璃はそれを見逃さなかった。
今日亮が家に来ると聞いた時、玄関を開けると同時に裸にしてベッドに引きずり込むつもりだった。しかし訪れた亮の顔で状況が難しいと判断した。それから今まで数時間優璃は我慢していた。
その上さっきの電話のやり取りで嫌な人名が聞こえた。スバルと言う亮に色目を使っていた専属モデルの名前だ。何度かビル内で亮といるのを見かけた事がある。内情は聞かないが現地で一緒に行動するのだろう。
おあずけを食らった分はいいが、待ち時間に余計な事を考えてしまった。
自分がもし担当モデルで、亮に気があったとしたらこの機会になんとしても物にしようと考える。どんな手だって使う。
自分なら拗ねて気を引き捕まえて、異国の地でずっと亮をしゃぶりつくす。
ゾッとするような最悪なケースをを考えてしまう。状況は芳しくなかった。
行かせたくない。
亮の顎のラインを目で追い、一緒にいられる時間を惜しむ。
「おいで」
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