作業に飽きやすい人のVRMMO

黒歴史制作者

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初めは何をしようかな9

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  流石に、この序盤で破壊のできない装備がでるとは思わなかったんだけど、恋歌は何を考えているのかな。
  未だに自慢気な恋歌に目を合わせて声をかける。

「何が目的?」
「お姉ちゃんの格好が他人と一緒なのが気に食わなかった。なのでやりました。反省も後悔もしていません」

  恋歌は雰囲気では謝っているが、本当に雰囲気だけで言葉もトーンも謝っていない。纏った雰囲気だけ謝るとは器用なことをするね。

  さて、こんなものをただで貰うというのも気が引けるんだけどね。どうしようかな、好みではあるんだよ。こんな序盤ででなければ喜んでただで貰うくらいに。

  私が珍しく貰うのを躊躇っている。このことに気づいた恋歌は流石に悪いと思ったのだろう、謝ってくる。

「ごめん、お姉ちゃん。ここまで困るとは思ってなかったんだ。貰う物は貰う主義なお姉ちゃんがここまで躊躇うってことでしょ」

  本気で悪いと思ってるらしいが私が躊躇わずに貰っていたら気づかなかったんじゃないの。
  ゲーム好きな癖になんでこんな物が序盤ででることに違和感を覚えなかったの。
  そのことに愕然として、溜息をつく。

「いや、渡す前に気づこうよ。これが序盤で出てきたときの困惑具合を」
「うん! だから、他の人には渡さないことにする。お姉ちゃんは要らなくても貰って。いや違うな。私が作った物を着てほしいな」

  他の人にも渡そうとしてたの。他のゲームの知識はどこへいったのかな。まさか、恋歌は今回のゲームでそういうキャラで進めていく気なのかな。

「満面の笑みでそれを押し付けてこないでくれるかな。それ、ただのオーバースペックだからね」
「大丈夫だよ。これ、性能としてはないから。お洒落アイテムだから」

  それでも、不壊属性をつけられるという時点で囲われることに気づこうよ。

  暫く押し問答を繰り返していた私達だが、流石に終わりが見えないため、私が折れることになった。

「なに、そんなに着てほしいの?」
「うん、そうだよ! じゃないとせっかくお姉ちゃんのために手伝って貰った友達に申し訳ないからね」

  断れない口実を悉(ことごと)く増やしていっていくね。なんでこんなに私の言うことを聞かなくなったのかな。
  私が折れたことが分かったのだろう。この受け取るかどうかという問題は、決着がついたと言っても過言ではない。

  着るために、喫茶店をでて人通りの少ない道に行く。

  装備としてお洒落アイテムの欄が追加されたため、本当にお洒落アイテムなのだろう。

「こんな感じ?」
「流石お姉ちゃん! 私のノリを分かってるね」

  恋歌は喜んでいるが、本当にただ装備しただけなんだけどね。
  コートも帽子も白いため桜色には映えるけど、絹で白って確か高級だったはずなんだけどな。
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