喫茶店の日常

黒歴史制作者

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喫茶店のある二十四時間section9

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  戦闘をしていた様子の二人は初瀬達に気づいたのだろう目を向ける。

「初瀬ちゃん。お疲れ様と言ったところかな。それは敵だからね。信用しないように」
「くっそ、増援か。誰か知らないが邪魔をするな。俺はここを破壊仕切らなければいけないのだからな!」

  初瀬達に気づいて白夜は敵だと言い、それを肯定するかの様にスーツを着た男も渋い顔をしながら叫ぶ。白夜はその言葉を聞いて男を茶化していた。白夜の方に来ていた霧は跳躍して避ける。

「全く、貴方はツンデレかな。私との対応の差が酷いね」
「あんたのセリフをまともに聞いていると疲れるんだよ!」

  セリフだけを見れば仲が良い様に思えてきてしまう様な空間だった。初瀬は呆れた様子で白夜に声をかける。

「珍しいわね。白夜が負けていないなんて」
「いや、ね。どこか抵抗があるのかな。回避ができてしまうんだよね」
「というか、てめえは知ってんだろうが! 速く俺を止めろや!」

  白夜は肩をすくめながら悠々と霧を回避していく。男は白夜に対して逆ギレをするかの様に男自身を止めろと叫んでいる。
  その様子を初瀬は見て驚いた様子で声をかける。

『「止めろ、ね。まるでこの神社を壊すのは自分ではないかのようね」』

  だが、返事を聞く前に男に向けて閃光が飛ぶ。男は虚を突かれた様子で慌てて回避をするが、仕切れずに右腕に掠る。

「しまっ! ちっ、結局はお仲間か。卑怯だとは思わねえのか!」
『「知らないセリフね。私は思うのよ。貴方の意識が消えれば、こんな信託なんてものを同時に起こす必要はないってことにね!」』

  初瀬の怒りを示すかの様に閃光が男に向けて飛んでいく。
  初瀬の言語を認識できるのは白夜しかいない。その対処法として信託の様なものがあるのだが、白夜がそれを受け取れない。そのため双方に話をしようとするとどちらも使わなければいけなくなるという手間がある。

  初瀬はその手間にイラついたのだろう。
  男は閃光を回避しながら霧を操作することはできないのか、霧が消えて回避に専念している様子だ。

「初瀬ちゃん、だから私は言ったのに。この世界の言語使った方のが楽だって」

   白夜は初瀬のセリフに呆れた様子だが男への警戒を抜かずにいた。白夜は男のことを知っている。そして先程男が言っていた、止めろと言う言葉の意味も分かっている。
  だからこそ、この状況になっても白夜は何もせず、傍観していた。

「今ならあれも何もできないから、このままいけるといいんだけどね。でも、いつまであれの正気が保てるかな」
「てめえ! いつまでこうしているつもりだ。 今を逃したらもう次の機会はないと言っているだろうがっ!」

  白夜が傍観していることに気づいたのか男は回避をしながら叫ぶ。それは回避が疎(おろそ)かになってもやっていた。そのため、初瀬は白夜に聞く。

「白夜、何を知っているのかしら。速く教えてくれない?」
「あれは洗脳されていて、無理矢理この神社を破壊しかけているということかな」
「じゃあ、何で自身を止める様に彼は言うのかしらね」
「正気の瀬戸際だよ、少しすれば持たなくなる」

  白夜は質問にはすらすらと答える。その答えを聞いている男は怒りが収まらぬ様子だが、初瀬はその答えで納得する。

『「つまりは、白夜に止めて貰いたいのに止めてくれないから、お願いをしているのね」』
「おいこらてめえふざけんな! くそっ。微妙に間違ってねえから否定しきれねえ」
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