喫茶店の日常

黒歴史制作者

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喫茶店のある二十四時間section8

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  その神社は傍目(はため)から見ると森に囲まれている割には、寂れていない謎の神社と映ることだろう。

  二人が神社に着き鳥居を抜ける。先に行ったはずの白夜の姿は見えない。二人は入った瞬間に違和感を持ったようで、周りを見渡す。

「何かがおかしいな。何だこの違和感」
『雨が降っていないわね。それにこの場所は神域でも何でもない』

  少年は初瀬のその言葉で違和感の正体に気づいた様子で初瀬の顔を見る。少年はこの場所に来る機会が多かったが、偶然だと思っていたのだろうことを確認する様に初瀬に聞く。

「この神社だけ雨が降っていたのは偶然じゃないのか?」
『違うわね。神様がいるところには雨が降るものよ。それを考えると始めからおかしかったわね』

  そう、今日初瀬の周りでも少年の周りでも雨が降っていない。この時点で神としての力が失われていたのだろう。そのことに気づいたときには既に遅かった。なぜなら、この神社には信仰を集める力を失っているだけでない。邪(よこしま)なる存在すら呼び寄せてしまう空間になっていたからだ。

  そこに気づいた初瀬は呆れた様子で溜息を吐く。

『やらかしたわね。ここまで酷い状況になってるとは思わなかったわ』

  初瀬は徐に境内の中央に立つ。そしてロザリオを胸の中心で翳す様に持つ。立ち振舞いはしっかりしているが、どこかやる気のなさそうにも見える。

「詠唱はどうしようかしらね。まあいいわ。まあ、珍しく私が詠唱をするのだから神様も許してくれるわよね」

  そんなことを言いながら初瀬は詠唱をする。詠唱といってもそれはただのお願い事に過ぎない。そして、初瀬のは願い事ですらなかった。

「神様、その結界を開けてくれないかしら、壊してしまうのは困るでしょう?」

  それはただの脅迫である。初瀬はお願いという体裁をとっているが、聞かなければ壊すという最後通牒という意味が強い。

  だが、そんな初瀬の願い事と言えるのか分からないものでも良いらしい、結界がズレて裏側と言える隠された空間が開く。
  少年は初瀬の詠唱は認識できていないが、白夜に対して起こしていたものを見ているため、微妙な表情をしている。

  初瀬は開いた結界に当然の様に足を進める。少年は好奇心が恐怖心を越えたのだろう、初瀬の後ろをついていき結界を越える。

  そして、結界を越えた先で見た光景に初瀬は溜息を吐く。

『「何が起きてもおかしくないとは思っていたし、多分侵蝕だとは思っていたけれどもね。これは想定外よ、何で邪神がいるのかしら」』

  そこは先程の神社とほとんど変わっていなかった。二人の人物がいることを除けばだが。
  一人は先に行った白夜である。様子は何も変わらずに血で塗れていて、怪我が増えていても分からない。
  もう一人はスーツをきた蘇芳色の髪の男性だった。その男は赤い霧を出していて、霧が触れたところが塵になっている。
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