アオのセカイ

コユメ

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扉を開けると
部屋の明るさに一瞬目が眩んだけど目が慣れてくると、そこは部屋と言うより空間という表現が正しい場所だった。
そして部屋の中心には何故かスーツを着た普通のサラリーマン風の男が居た。
その男は私と目が合うと細い目を更に糸の様にして笑った。

「貴方が青さんですね!お待ちしておりましたよ!どうぞどうぞ!こちらにいらしてください!」

にこやかに言われたがどうも怪しい…男の目が笑っていない…まるで値踏みするような視線で居心地が悪いけど…ギュと手を握りしめ

「そんな事よりお父さんとお母さんは何処なの!」

男を睨みながら言うと男はニコニコと笑いながら

「あちらに居られますよ?」

男が横に移動すると男の陰からお父さんとお母さんが見えた。
部屋の奥に2人は居た…でもなんだろう?いつもと雰囲気が違うような?でも無事で良かった!と

「お父さんお母さん!」

と走って二人に駆けだした。
男の横を通ろうとした瞬間いきなり男に腕を掴まれた。

「!」

腕を外そうと必死にもがいても力が強くて外れない

「痛いんで!離して下さい!」

怒りながら男を見上げてゾッした。
目が合った男はさっきと様子が違って感情の無い目で私を見てる
訳が分からずお父さんとお母さんに手を伸ばして

「お父さんお母さん!」

叫んでも二人とも動こうともしない…何で?
それどころか私を見ようともしない
なんで?どうして!私を無視するの?
動揺して動けずに居ると男は私の腕を離していた。
私が一歩も動けずに居ると男は私の顔を覗き込みながら感情の無い目で

「貴方は御自分の立場ってわかりますか?」

男の言っている意味が分からない

「…………立場って、何ですか?」

「分かりやすく言うならば貴方はもう要らない存在なんですよ」

「!」

男は私と両親を見ながら

「この国には素晴らしい制度があるんですよ?孤児を引き取ると国から色々な恩恵が受けられるんですよ!いい国ですよね?その孤児が成人する迄助成金とかが出るんですよ!まぁ、ここ迄喋ったら嫌でもわかりますよね?君はあの夫婦の子供では無い。まぁこれ位だったら別になんて事無いんですよ?でもねぇ?君の場合それだけじゃ無くて…この世界の人間でも無い事がが判明しましてまったくビックリしましたよ!」

こいつ何を言ってるんだ?頭おかしいんだろうか

「え?私が?」

こんなの嘘に決まってる!

「嘘だよね?お父さんお母さん!私2人の子供だよね?」

必死に叫んだ。
嘘だよってドッキリだよって言って欲しかった。
でも2人は終始無言でいる事で、これが真実だと思い知らされた。
足から崩れ落ちるようにへたりこんでいると
そんな私の様子に男が首をかしげながら

「いや、そうだよね?ビックリだよね?でも君もさぁ?薄々おかしいって知っていたよね?」

思わずギクリと男を見てしまった。
男はニヤリと笑った。
そう何となく分かっていた。
おかしいと…だって私はお父さんにもお母さんにも顔が似て居ないし、この髪の色だ。
それでも信じていたのはお父さんもお母さんも私の事を愛してくれていると思ったから…

「そうだよね?わかっているよね?その髪の色はおかしいよね?青って言うか紺色って、とても珍しいよね?こっちの世界でそんな髪の毛の色の子供は産まれない…創作なら有りそうだけど」

男の喋り方は、とても嫌な気持ちになる。まるでいたぶるかのようで不快だった。

「さて、大体わかって貰えたようだから、本題に入るよ?昨今この世界の気象は異常だと思わないかい?」

急に話が変わって付いて行けずにいると

「最近異常気象による災害が多いんだよ、毎年のように起きているんだよね、それでよくよく調べて見ると事の始まりがあったんだよね!それが16年前の大きな台風以来からなんだとわかってね、それでさらに詳しく調べたんだよ、するとある事件が見つかったんだよ!台風の夜にカゴに入った赤ん坊が見つかったらしいんだけど親らしい人間も見つからないって事で仕方無くその赤ん坊は施設に預けられたらしいんだけど、まぁそれは別におかしい所は無いんだけど…その赤ん坊を見つけた人の証言がおかしいんだよ、その人が言うには台風の中歩いて居たら不意に赤ん坊の泣く声が聞こえたと言っているんだ。おかしいよね台風だよ?雨と風が酷いのに?赤ん坊の泣く声が聞こえる?そして歩いて行くとカゴを見つけて…カゴの中を覗くと産まれて間もないだろう赤ん坊がスヤスヤと眠っていたそうだよ?そしてもっと不思議な事にその赤ん坊の入って居たカゴと赤ん坊は何故か全然濡れていなかったと、これ不思議と言うよりもう不気味だよね」

そんなこと言われても答える事が出来ない。

「うんうん、そうだよね?そんな事分かんないよね?でも、この国の科学者達もバカじゃ無いんだよね、それで一つの仮説が生まれたんだよ、16年前の台風の夜に、この世界に異分子が紛れこんだせいで昨今の異常気象が起きているって言うんだよ、凄いよね?そんな事までわかるんだね!それがね……どうやら君らしいんだよね」

「…………!」

嘘だ!と言葉が出ないお父さんとお母さん子供じゃ無かった事だけじゃ無くて?
この世界の人間ですらないって…じゃあ私は一体何?
誰なの?
それに仮説が本当なら私はこの先一体どうしたら?
男を見ると男は冷めた目で

「君には悪いけど…君には元の世界に戻って貰う事になったんだよ」

その突き放した言葉に視界が暗くなった。
自然と涙が溢れた色々な感情が押し寄せて来て必死に

「そんな、私は違う知らない!元の世界って!どうすれば!」

「それは自分で考えてくれ元はと言えば君がこっちに来たせいで異常気象が引き起こされていたんだ。これ以上は迷惑なんだよ?分かるかな?」

迷惑って何?
私が悪いの?
何でと両親に手をのばして

「お父さん!お母さん!助けて!お願い!」

私の言葉に
お父さんは目を背け

「オレ達はお前の親じゃ無い!さっさと元の世界に帰れ‼」

その言葉に心臓が凍り付いた。
今まで尊敬していた父親はそこにはもう居なかった。
まるで疫病神のように追い払われようとしている。
その様子をお母さんが何も言わず見ていた

「……!」

それを見ていた男が笑いを堪えるように

「凄いね?君の育ての親、薄情だね?あんな親の事何て、さっさと忘れて新しい世界で幸せになりな?」

呆然と床に座り込む私に男は手を翳すと座っていた所が光り始めた。
どうやら男が私を動かないようにしていたのはこれが転送装置だったからか…段々と光が強くなってきた。

私は忘れないこの世界の事を……この感情を
最後にお父さんとお母さんを見ると母は手に持っていたリュックを私の方に投げ

「▨◀◌►◀▨!」

そして何か言ってる
でももう何も聞こえないし聞きたくも無い

「こんな世界無くなれいい!」

私の口から出た言葉は呪いの言葉だけだった。
そして男がニコニコと笑いながら

「バイバイ!」

とてを振っていた。

もう誰も信じない

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