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女子会潜入・磐城瑞穂
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俺は木暮の兄貴の奥さんが一週間後にカフェ主催の女子会に現れると予想した。
勿論ゴールドスカルのペンダントヘッドを着けていた男性はあの店に入れないこと確かだった。
俺達のように女装すれば別だけど……
きっとMAIさん達は原田学のことも話題にすることだろう。
あの男性の噂話が事実なら、MAIさんは原田学の恋人だと言われているのだ。
俺はそれを知りたい。
そして原田学を殺した犯人も確かめたかったのだ。
だから女装して二人分予約しておいたのだ。
今回限りの相棒となった木暮は、女装に馴れるために部活終了後にイワキ探偵事務所に寄るようになった。
元々女性と間違われていた木暮はどんどん可愛くなっていく。
『うん。何処から見ても完璧だ』
叔父も太鼓判を押していた。
でも木暮は面白がって俺にちょっかいを出す。
みずほのことを良く知っている木暮だからこそ出来る様々な誘惑方法を使って……
恋と言う名の海に沈んでいる俺を浮き上がらせようとしている。
本当は有り難迷惑なんだけど、木暮の優しさに救われているんだ。
MAIさんの身辺を捜査は叔父からの情報だ。
売れっ子のヘアーメイクアップアーチストだからネットですぐ解るらしい。
だから俺は、あのペンダントヘッドをしていた男性に密着出来るのだ。
それでも遠巻きに見張るくらいしか打つ手はなかった。
警察に又連行されでもしたら、諦めるよりないからだ。
そしてとうとうカフェ主催の女子会の当日になっていた。
何故このようにしてまで女子会に潜入するのか?
答えはきっと其処に集まる女性達が証してくれるはずだ。
俺は男性抜きになった時の本音を聞きたくて危険を承知で挑むことにしたのだ。
何時ものように叔母さんの三面境の前で、二人は女装した。
実はそれは木暮が言い出したことだった。
『叔母さんの力も借りよう』
って――。
『今でも叔父さんは奥さんを愛しているんだろう? 今は叔父さんの危機でもあるんだから、きっと助けてもらえるはずだ』
木暮は強気だった。
『この前も言ったけど、女子会って、一度行ってみたいと思っていたんだ』
結びにそう言った。
俺はあの日、原田学から許可をもらって携帯に入れた画像をチェックした。
この前、カフェで会ったのが本当に彼女だったか確かめるためだった。
念には念を入れる。それが叔父のポリシーだ。
だから俺も見習いたかったのだ。
一応仕事だと言うことで、叔父の車で送ってもらえることになった。
叔父も駐車違反にならない程度に移動しながら見守ってくれてる。
俺にはそれだけでも心強かった。
事務所から近いからあの日有美と此処に来た。
その時百合子と千穂を目撃して、女装探偵になった思い出のカフェだった。
「此処かい、千穂ちゃんの会話を録音したカフェって?」
叔父が聞く。
俺は黙って頷いた。
叔父からあれこれ注意をうける。
傍にいて録音するだけ、深入りは絶対に禁物。
そんなとこだった。
解りきっていた。だから適当に頷いた。
もし何かしらの録音出来たとしても、証拠能力はなかった。
それでも俺は原田学と木暮の兄貴のために遣りたかったのだ。
「よし、行くか」
俺達は女子会の始まる五分前に車から降りた。
勢い良く出掛けたままなら良かった。
カフェに入った途端、急に木暮が色気付いた。
初めての女装での外出、しかもあちこち可愛い娘だらけ……
日頃女っ気の全くない木暮は舞い上がってしまったのだった。
そうだった。
俺は肝心なことを忘れていた。
木暮の高校は男子校だったのだ。
俺はそんな木暮を精一杯フォローしながら、何とか彼女達の隣の席に着いた。
聞き耳を立てながらレコーダーのスイッチを入れる。
これでひとまず終了。
後は真っ赤になっている木暮をなだめなくてはいけない。
俺は小さくため息をついた。
「ところでさー。原っぱって此処出身だったっけ?」
誰かが言った。
(始まったー!)
って思った。
葬儀は約一週間前だ。
当然と言える発言だったのだ。
(あれっ!? 皆知らないのかな?)
そう言えば不思議だ。
斎場は此処だった。
だから此処の出身のはずなのだ。
それなのに何故あんなことを言ったこだろうか?
ふとそんな疑問が浮かんだ。
「違うと思うよ」
もう一人が言った。
その言葉に興味を持った俺は更に聞き耳を立てた。
「確か此方に母親が住んで居るとか居ないとか?」
「どっちなのよ」
「うーん、解らない」
(違う、母親だけじゃない。金魚の糞状態だった木暮を原っぱは知っていたのに……)
俺は影の薄い原田学が急に哀れになっていた。
勿論ゴールドスカルのペンダントヘッドを着けていた男性はあの店に入れないこと確かだった。
俺達のように女装すれば別だけど……
きっとMAIさん達は原田学のことも話題にすることだろう。
あの男性の噂話が事実なら、MAIさんは原田学の恋人だと言われているのだ。
俺はそれを知りたい。
そして原田学を殺した犯人も確かめたかったのだ。
だから女装して二人分予約しておいたのだ。
今回限りの相棒となった木暮は、女装に馴れるために部活終了後にイワキ探偵事務所に寄るようになった。
元々女性と間違われていた木暮はどんどん可愛くなっていく。
『うん。何処から見ても完璧だ』
叔父も太鼓判を押していた。
でも木暮は面白がって俺にちょっかいを出す。
みずほのことを良く知っている木暮だからこそ出来る様々な誘惑方法を使って……
恋と言う名の海に沈んでいる俺を浮き上がらせようとしている。
本当は有り難迷惑なんだけど、木暮の優しさに救われているんだ。
MAIさんの身辺を捜査は叔父からの情報だ。
売れっ子のヘアーメイクアップアーチストだからネットですぐ解るらしい。
だから俺は、あのペンダントヘッドをしていた男性に密着出来るのだ。
それでも遠巻きに見張るくらいしか打つ手はなかった。
警察に又連行されでもしたら、諦めるよりないからだ。
そしてとうとうカフェ主催の女子会の当日になっていた。
何故このようにしてまで女子会に潜入するのか?
答えはきっと其処に集まる女性達が証してくれるはずだ。
俺は男性抜きになった時の本音を聞きたくて危険を承知で挑むことにしたのだ。
何時ものように叔母さんの三面境の前で、二人は女装した。
実はそれは木暮が言い出したことだった。
『叔母さんの力も借りよう』
って――。
『今でも叔父さんは奥さんを愛しているんだろう? 今は叔父さんの危機でもあるんだから、きっと助けてもらえるはずだ』
木暮は強気だった。
『この前も言ったけど、女子会って、一度行ってみたいと思っていたんだ』
結びにそう言った。
俺はあの日、原田学から許可をもらって携帯に入れた画像をチェックした。
この前、カフェで会ったのが本当に彼女だったか確かめるためだった。
念には念を入れる。それが叔父のポリシーだ。
だから俺も見習いたかったのだ。
一応仕事だと言うことで、叔父の車で送ってもらえることになった。
叔父も駐車違反にならない程度に移動しながら見守ってくれてる。
俺にはそれだけでも心強かった。
事務所から近いからあの日有美と此処に来た。
その時百合子と千穂を目撃して、女装探偵になった思い出のカフェだった。
「此処かい、千穂ちゃんの会話を録音したカフェって?」
叔父が聞く。
俺は黙って頷いた。
叔父からあれこれ注意をうける。
傍にいて録音するだけ、深入りは絶対に禁物。
そんなとこだった。
解りきっていた。だから適当に頷いた。
もし何かしらの録音出来たとしても、証拠能力はなかった。
それでも俺は原田学と木暮の兄貴のために遣りたかったのだ。
「よし、行くか」
俺達は女子会の始まる五分前に車から降りた。
勢い良く出掛けたままなら良かった。
カフェに入った途端、急に木暮が色気付いた。
初めての女装での外出、しかもあちこち可愛い娘だらけ……
日頃女っ気の全くない木暮は舞い上がってしまったのだった。
そうだった。
俺は肝心なことを忘れていた。
木暮の高校は男子校だったのだ。
俺はそんな木暮を精一杯フォローしながら、何とか彼女達の隣の席に着いた。
聞き耳を立てながらレコーダーのスイッチを入れる。
これでひとまず終了。
後は真っ赤になっている木暮をなだめなくてはいけない。
俺は小さくため息をついた。
「ところでさー。原っぱって此処出身だったっけ?」
誰かが言った。
(始まったー!)
って思った。
葬儀は約一週間前だ。
当然と言える発言だったのだ。
(あれっ!? 皆知らないのかな?)
そう言えば不思議だ。
斎場は此処だった。
だから此処の出身のはずなのだ。
それなのに何故あんなことを言ったこだろうか?
ふとそんな疑問が浮かんだ。
「違うと思うよ」
もう一人が言った。
その言葉に興味を持った俺は更に聞き耳を立てた。
「確か此方に母親が住んで居るとか居ないとか?」
「どっちなのよ」
「うーん、解らない」
(違う、母親だけじゃない。金魚の糞状態だった木暮を原っぱは知っていたのに……)
俺は影の薄い原田学が急に哀れになっていた。
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