1 / 22
白い孤独
しおりを挟む
「ママー、どこー? ねえー、ママー? ママーどこー?」
白い、どこまでも果てしなく続く白い世界の中で俺はもがいていた。
母がいないんだ、さっき帰ってきたはずの母がいないんだ。
どこにもいないんだ。
また、独りぼっちにされちゃった。
寂しい、気が狂いそうなくらい寂しい。
「ママーー!! ねぇ、ママーー!! ママーーどこー!?」
がっくりと膝を付き、俺は崩れ落ちる。
寂しさに、苦しさに耐えきれなくなって、俺はとうとう爆発していた。
でも、こには誰もいない、誰も助けになんか来てくれない。
俺の泣き声だけが渦巻いている。この白い世界の中で。
だから、さすらった。だから、のたうち回った。
母がどこにいるのかさえもわからず、何をしているのかさえもわからず、そのうち自分のいる場所さえ見失うしなって、あてもなく放浪した。
それでも見つからず、白い世界を漂った。
ただ会いたかった、抱き締めてほしかった。それだけだった。
母に、俺だけの母になってほしくて、
ホンの一時、それだけでも良かったのに。
ある日気付いた。
飛んでいる自分に。無意識の内は良かった。
でも、気付いた時には叩き付けられていた。
夢だから、大丈夫。
そう思っていた。
でもそれは、恐怖を生んだ。
「ママー。助けてー!!」
縮こまった身体を、
更に縮こめて。
ただ、震えていた。
なぜ飛べるのか、解るはずもない。
俺はただ、母に会いたかった。
抱き締めてほしかっただけなんだ。
怖かった。
物凄く怖かった。
又叩き付けられる。
そう思っていた。
高所恐怖症、その夢は、いつの間にか、もう一つの傷みを生んでいた。
そして俺はついに見つけ出した。
俺だけの母を。
広い、広い、一面の白い世界。
さまよい歩いたその果てに見た、母の姿、母は俺を胸に抱いていた。
そう、俺が見つけ出したもの。それは母の愛だった。
(ん? あれっ、何で母さんじゃないんだろう?)
頭の中では夢だとわかっていた。
でも俺はママと呼んでいた幼かった頃に戻っていた。
(あ、何で……何で又この夢を)
母に甘えたくなると良く見た夢。
母の胸の中でスヤスヤ寝ている自分を探す夢。
又あの夢を見ていた。
仕事が忙しすぎて会えない母を見つけて、泣きながら追いかけた。
それでも無理やり気持ちを押さえつける。
母に負担をかけさせたくなくて、俺は平気な振りをする。
母が時々見せる不安そうな顔。
それに応えるために、いつの間にか母の顔色をうかがう、そんな子供になっていた。
どんなに寂しくても、母の重荷にならないように、笑顔でいるようにしなくてはいけないと思った。
あの頃はただがむしゃらに、全てに無理をしていた。
そんな健気な姿に涙して、心を満足させようとして。
俺は今日も幼子に戻り、母の胸を求めている。
俺は見た。
あの夢の中で、白い世界をさまよった果てに、俺だけの母を、やっと見つけ出したんだ。
母は俺のベッドの上で子供を抱いていた。
俺を抱いていた。
寂しさの果てにやっと見つけ出した境地。
そう、心のより所。
俺だけが独占している母の胸。
(わあー! ママが抱いてくれている。きっと今、ママの胸に抱かれながら眠っているんだ。そうか! ママは俺が寝た後でいつもこうやってくれていたんだ)
素直にそう思った。
だって母の胸を占領しているのは、鏡の中で目にしてる自分そのままだったから。
だからこうして一人でも耐えて来られたんだ。
まるで自制心と克己心の塊のような生活。
だからこそ、母に甘えたくなるとあの夢を見る。
「ママー。ママー」
頭の中で俺の泣き声だけがこだましていた。
白い世界の果てに、母の愛を見つけるために
俺は又夢を見る。
本当は怖いくせに飛べない翼身にまとう。
飛んで、堕ちての繰り返し、そしてあきらめ
夢の中をさまよい歩く。
そして未だに叫び続けてる。
「ママーー!」
俺は夢の中で母を探し続けてる。
探し求めている。
白い、どこまでも果てしなく続く白い世界の中で俺はもがいていた。
母がいないんだ、さっき帰ってきたはずの母がいないんだ。
どこにもいないんだ。
また、独りぼっちにされちゃった。
寂しい、気が狂いそうなくらい寂しい。
「ママーー!! ねぇ、ママーー!! ママーーどこー!?」
がっくりと膝を付き、俺は崩れ落ちる。
寂しさに、苦しさに耐えきれなくなって、俺はとうとう爆発していた。
でも、こには誰もいない、誰も助けになんか来てくれない。
俺の泣き声だけが渦巻いている。この白い世界の中で。
だから、さすらった。だから、のたうち回った。
母がどこにいるのかさえもわからず、何をしているのかさえもわからず、そのうち自分のいる場所さえ見失うしなって、あてもなく放浪した。
それでも見つからず、白い世界を漂った。
ただ会いたかった、抱き締めてほしかった。それだけだった。
母に、俺だけの母になってほしくて、
ホンの一時、それだけでも良かったのに。
ある日気付いた。
飛んでいる自分に。無意識の内は良かった。
でも、気付いた時には叩き付けられていた。
夢だから、大丈夫。
そう思っていた。
でもそれは、恐怖を生んだ。
「ママー。助けてー!!」
縮こまった身体を、
更に縮こめて。
ただ、震えていた。
なぜ飛べるのか、解るはずもない。
俺はただ、母に会いたかった。
抱き締めてほしかっただけなんだ。
怖かった。
物凄く怖かった。
又叩き付けられる。
そう思っていた。
高所恐怖症、その夢は、いつの間にか、もう一つの傷みを生んでいた。
そして俺はついに見つけ出した。
俺だけの母を。
広い、広い、一面の白い世界。
さまよい歩いたその果てに見た、母の姿、母は俺を胸に抱いていた。
そう、俺が見つけ出したもの。それは母の愛だった。
(ん? あれっ、何で母さんじゃないんだろう?)
頭の中では夢だとわかっていた。
でも俺はママと呼んでいた幼かった頃に戻っていた。
(あ、何で……何で又この夢を)
母に甘えたくなると良く見た夢。
母の胸の中でスヤスヤ寝ている自分を探す夢。
又あの夢を見ていた。
仕事が忙しすぎて会えない母を見つけて、泣きながら追いかけた。
それでも無理やり気持ちを押さえつける。
母に負担をかけさせたくなくて、俺は平気な振りをする。
母が時々見せる不安そうな顔。
それに応えるために、いつの間にか母の顔色をうかがう、そんな子供になっていた。
どんなに寂しくても、母の重荷にならないように、笑顔でいるようにしなくてはいけないと思った。
あの頃はただがむしゃらに、全てに無理をしていた。
そんな健気な姿に涙して、心を満足させようとして。
俺は今日も幼子に戻り、母の胸を求めている。
俺は見た。
あの夢の中で、白い世界をさまよった果てに、俺だけの母を、やっと見つけ出したんだ。
母は俺のベッドの上で子供を抱いていた。
俺を抱いていた。
寂しさの果てにやっと見つけ出した境地。
そう、心のより所。
俺だけが独占している母の胸。
(わあー! ママが抱いてくれている。きっと今、ママの胸に抱かれながら眠っているんだ。そうか! ママは俺が寝た後でいつもこうやってくれていたんだ)
素直にそう思った。
だって母の胸を占領しているのは、鏡の中で目にしてる自分そのままだったから。
だからこうして一人でも耐えて来られたんだ。
まるで自制心と克己心の塊のような生活。
だからこそ、母に甘えたくなるとあの夢を見る。
「ママー。ママー」
頭の中で俺の泣き声だけがこだましていた。
白い世界の果てに、母の愛を見つけるために
俺は又夢を見る。
本当は怖いくせに飛べない翼身にまとう。
飛んで、堕ちての繰り返し、そしてあきらめ
夢の中をさまよい歩く。
そして未だに叫び続けてる。
「ママーー!」
俺は夢の中で母を探し続けてる。
探し求めている。
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる