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壊れた愛情
第2話 地獄のような日々
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リリアに「こいつら」呼ばわりされた父の愛人──いや、後妻は眉間に皺を寄せた。恐ろしい形相である。本性見たり。ますます嫌になるリリアだったが、不思議なことによく見てみると、彼女の容貌は母に似ていた。雰囲気は全く違うが、金色の髪と大きな緑の瞳と小さな唇とその右下にあるほくろ。
本当に母に似ている。
だからといって、リリアはこの女とその娘を好きになど到底なれそうにもなかった。
「そんなことを言うものではないよ……リリア」
ヨウォンは、憤慨するリリアの頭をゆっくりと撫でた。
そんなことで許すもんか!と断固拒否していたリリアだったが、結局決定権は公爵家の当主であるヨウォンにあるので従わざるを得なかった。
ここから、彼女にとっての地獄のような生活が始まる。
「きゃあ!ご、ごめんなさい、お姉様……私…私……うわぁぁあん!」
使ってもいいなんて言っていないお気に入りの香水を勝手に使われ、挙げ句瓶の蓋を開けたままにして全て零されたり。
「……お姉様!ジル様と遊ぶの?なら私も行きたいです!」
デートに無理矢理付いてこようとしたり。
「う、うぅ……違うんです……お姉様は何も悪くないんです。私が……ドシだからいけないんです」
ジルと共に出た社交場で、お気に入りのドレスに酒を零された挙げ句「酒を零してお姉様に叱れられる私ってすごく可哀想でしょう?」とでも言わんばかりに泣き出したり。
「ジル様……きっとジル様にお姉様は合わないと思うんです。だってお姉様ってとても美人だけど気が強いでしょう?それにいつも不機嫌でいらっしゃるし……きっと楽しい結婚生活なんて送れないと思うんです。あ、いいえ。お姉様のことを悪く言いたいわけじゃないんです!私、お姉様のこと大好きですから……。でもでも、ジル様には合わないと思うんです」
屋敷を訪れたジルにこっそり、リリアの悪口を吹き込んだり。
それはもう、散々な日常の繰り返し。
それでも、リリアが正気を保つことが出来たのは「結婚したら、すぐに君を連れされるのに」と愛を囁いてくれるジルの存在があったからだった。
そう。
もう、リリアも17歳になった。あと1年我慢すれば愛しい人と結婚出来る。
そうすれば、公爵家ともおさらば。突然「魔法が使えるようになりたい」と言って魔法学校に通い始め、毎日のように魔法を遠回しに自慢してくる義妹とも、性格の悪い義母ともお別れ出来る。
そんな清々とした気持ちでいたリリアだったが……。
その日、事件は起きた。
起きてしまった。
本当に母に似ている。
だからといって、リリアはこの女とその娘を好きになど到底なれそうにもなかった。
「そんなことを言うものではないよ……リリア」
ヨウォンは、憤慨するリリアの頭をゆっくりと撫でた。
そんなことで許すもんか!と断固拒否していたリリアだったが、結局決定権は公爵家の当主であるヨウォンにあるので従わざるを得なかった。
ここから、彼女にとっての地獄のような生活が始まる。
「きゃあ!ご、ごめんなさい、お姉様……私…私……うわぁぁあん!」
使ってもいいなんて言っていないお気に入りの香水を勝手に使われ、挙げ句瓶の蓋を開けたままにして全て零されたり。
「……お姉様!ジル様と遊ぶの?なら私も行きたいです!」
デートに無理矢理付いてこようとしたり。
「う、うぅ……違うんです……お姉様は何も悪くないんです。私が……ドシだからいけないんです」
ジルと共に出た社交場で、お気に入りのドレスに酒を零された挙げ句「酒を零してお姉様に叱れられる私ってすごく可哀想でしょう?」とでも言わんばかりに泣き出したり。
「ジル様……きっとジル様にお姉様は合わないと思うんです。だってお姉様ってとても美人だけど気が強いでしょう?それにいつも不機嫌でいらっしゃるし……きっと楽しい結婚生活なんて送れないと思うんです。あ、いいえ。お姉様のことを悪く言いたいわけじゃないんです!私、お姉様のこと大好きですから……。でもでも、ジル様には合わないと思うんです」
屋敷を訪れたジルにこっそり、リリアの悪口を吹き込んだり。
それはもう、散々な日常の繰り返し。
それでも、リリアが正気を保つことが出来たのは「結婚したら、すぐに君を連れされるのに」と愛を囁いてくれるジルの存在があったからだった。
そう。
もう、リリアも17歳になった。あと1年我慢すれば愛しい人と結婚出来る。
そうすれば、公爵家ともおさらば。突然「魔法が使えるようになりたい」と言って魔法学校に通い始め、毎日のように魔法を遠回しに自慢してくる義妹とも、性格の悪い義母ともお別れ出来る。
そんな清々とした気持ちでいたリリアだったが……。
その日、事件は起きた。
起きてしまった。
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