とあるウシのマイスペック研究日誌

ushiraku

文字の大きさ
8 / 8

定年お父さん現象

しおりを挟む
ローマインド(抑うつ)っぽくなるのは、なんとなく環境の変化が原因だと思った。

今日はとくに、ハイとローの落差が激しい。

午前は出先で忙しかったし、人の善意がありがたかった。自分にとって充実した時間帯だったと思う。

しかし、正午に帰宅してから暫くの間、ローの方に落ちてしまった。

何かをしたいけど、何もしたくない。やることはたくさんあるのに、手が進まない…という気持ちでいっぱいだった。

また、前日の夜も少し寝つきが悪かったので、昼食後はかなり眠たかった。というか、座ったまま寝ていた。

これも一つの環境の変化である。

「午前は忙しかった→午後は暇」という落差。

「午前は出先→午後は自宅」という変化でもある。

年末年始もまた、かなり環境が変わる。師走で忙しかった時間が、長期休暇で一気に暇になる的な。

こうやって考えてみると、手持ちの時間の長短により、ハイとローのマインドチェンジが起こるのかもしれないと思った。

よく、定年後のお父さんはやることがないと聞く。

それは、お父さんがこれまで40年くらい会社で働いていたけど、定年退職すると「会社という居場所」がなくなってしまうからなのだと思う。

また、会社で働いていた「時間」も浮いてしまうし、家の中にいても奥さんに煙たがられることも要因だと思う。

そんでもって、お父さんに何も趣味がない場合は「趣味探し」から始めないといけない。

趣味候補はたくさんあると思うけど、時間や場所・お金などによって、できることというのは絞られてくる。

かつて働いていたときは「早く定年して楽をしたい」と思っていたはずなのに、定年したらしたで「何したらいいかわからない病」に罹ってしまう。

皮肉なものだ。

人は「欠けている何か」を埋めるために生きている。

しかし、その欠けた何かが埋められてしまった途端、満足感を覚えると同時に「次は何したらいいのか?」と、また不満を感じ始めてしまう。

お腹が空いているときは「はー、腹へった!早く食いてえ!」と思うけど、食ったら食ったで「あ、もう無理。しばらく何も食べたくない」と思ってしまう。

そのサイクルを繰り返すことで、生物は生きている。

心…マインドもまた同じ原理なんだろうか。

ハイに上がったら、その後ローに落ちる。

ローに落ちたら、暫くしてハイに上がる。

人によってこの波が落ち着いている人もいれば、波がはげしい人もいる。

落ち着いている人は、いわゆる一般的な人。波が激しい人が、おれと同じダブルマインド保持者だ。

しかし、今回の日誌で冷静に考えてみると、このマインドの波を意図的に操るのはかなり無理ゲーな気がしてきた。

お腹が空くことをやめることはできない。食べなければ死ぬから。

どれだけ断食歴が長い人でも、結局はお腹が減って食事をする。

だから、食欲を完全にコントロールすることはできない。

マインドもそれと同じで「落ちることをとめる」ことはできないんじゃないかと思った。

もちろん、抗うつ薬とかでマインドの下降を緩和することはできるけど、それでも完全に止めることはできない。

落ちる時はとことんまで落ちて、自然にハイに上がってくるのを待つのも一つの手なのかもしれない。

抗うつ薬を飲んでるおれがこんな事言っても説得力ないと思うけど(笑)。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

花雨
2022.01.03 花雨

先が気になったのでお気に入り登録させてもらいました(^^)

2022.01.03 ushiraku

ありがとうございます!気まぐれで始めたこの日誌ですが、ご感想をいただけて嬉しいです。ゆるく更新していきますので、今後ともよろしくお願いします^^

解除

あなたにおすすめの小説

あなたの愛はいりません

oro
恋愛
「私がそなたを愛することは無いだろう。」 初夜当日。 陛下にそう告げられた王妃、セリーヌには他に想い人がいた。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

裏切りの代償

中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。 尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。 取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。 自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。