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麻雀ボロ負けのウシ
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「また負けた……」
毎日の日課である、ネット麻雀。
ここのところ負け続きである。
こうも大差で負けると、言葉が出てこない。
悔しいという気持ちよりも、無力感で頭がいっぱいだ。
対局を終えたおれは、静かに目を瞑った。
◆
「おい、そこのお前!」
「っ!?」
聞き慣れない声に驚き、おれは反射的に目を開けた。
一人暮らしの我が家に、第三者がいるはずもないのに。
「お前、麻雀めちゃくそ弱いな。そんな腕前なら、もうやめちまえ!」
目の前にいるそれの姿は、悪魔だった。
「いや、お前誰だよ!」
「おれは通りすがりの悪魔だ。気にすんな。そんなことより、お前麻雀弱すぎんだよ」
「はぁ?」
思考が追いつかず、相手のペースに飲まれていく。
「お前、麻雀始めてどれくらい経つ?」
「一年だけど?」
「はああああ? 一年もやってて、あのレベルかよ!雑魚すぎんぞ。人格を疑うね」
悪魔から言われた言葉にカチンときたけど、確かにここ数日の負けっぷりはひどい。
今のゲームなんかは、野球で言うところのコールド負けだ。
「確かに、おれは麻雀雑魚すぎるかもしれない。でも、麻雀の成績と人格は関係ないと思う」
「いやいや、麻雀が弱い奴なんてゴミクズ同然の価値しかないよ!もうこれ以上、生きてても仕方がないレベルだ」
悪魔は一方的に、おれの麻雀の腕と、おれ自身の存在を否定してくる。
「確かに、おれは麻雀が弱い。これまでやってきた努力も無駄なのかもしれない。でも、麻雀の腕とおれの存在価値は全く関係ないと思う」
おれは言い訳も怒ることもせず、淡々と自分の意見を言った。
「そうか、それならまだお前は大丈夫だな。また来るわ」
そう告げると。目の前にいた悪魔は一瞬にして姿を消した。
「おい、ちょっと待てよ!」
しーんとした室内に、おれの声だけが響き渡った。
◆
結局、今のこの問答はなんだったのか。
というか、そもそも夢だったのか現実だったのか。
おれの妄想だったのだろうか。
麻雀で負けすぎて、頭がおかしくなったのか。
全てが分からないことだらけだ。
でも、悪魔からの暴言に、言い訳も逆上もせずに言い返せた。
あの瞬間だけ、自分の『欠点』と『価値』を切り離せたように思う。
毎日の日課である、ネット麻雀。
ここのところ負け続きである。
こうも大差で負けると、言葉が出てこない。
悔しいという気持ちよりも、無力感で頭がいっぱいだ。
対局を終えたおれは、静かに目を瞑った。
◆
「おい、そこのお前!」
「っ!?」
聞き慣れない声に驚き、おれは反射的に目を開けた。
一人暮らしの我が家に、第三者がいるはずもないのに。
「お前、麻雀めちゃくそ弱いな。そんな腕前なら、もうやめちまえ!」
目の前にいるそれの姿は、悪魔だった。
「いや、お前誰だよ!」
「おれは通りすがりの悪魔だ。気にすんな。そんなことより、お前麻雀弱すぎんだよ」
「はぁ?」
思考が追いつかず、相手のペースに飲まれていく。
「お前、麻雀始めてどれくらい経つ?」
「一年だけど?」
「はああああ? 一年もやってて、あのレベルかよ!雑魚すぎんぞ。人格を疑うね」
悪魔から言われた言葉にカチンときたけど、確かにここ数日の負けっぷりはひどい。
今のゲームなんかは、野球で言うところのコールド負けだ。
「確かに、おれは麻雀雑魚すぎるかもしれない。でも、麻雀の成績と人格は関係ないと思う」
「いやいや、麻雀が弱い奴なんてゴミクズ同然の価値しかないよ!もうこれ以上、生きてても仕方がないレベルだ」
悪魔は一方的に、おれの麻雀の腕と、おれ自身の存在を否定してくる。
「確かに、おれは麻雀が弱い。これまでやってきた努力も無駄なのかもしれない。でも、麻雀の腕とおれの存在価値は全く関係ないと思う」
おれは言い訳も怒ることもせず、淡々と自分の意見を言った。
「そうか、それならまだお前は大丈夫だな。また来るわ」
そう告げると。目の前にいた悪魔は一瞬にして姿を消した。
「おい、ちょっと待てよ!」
しーんとした室内に、おれの声だけが響き渡った。
◆
結局、今のこの問答はなんだったのか。
というか、そもそも夢だったのか現実だったのか。
おれの妄想だったのだろうか。
麻雀で負けすぎて、頭がおかしくなったのか。
全てが分からないことだらけだ。
でも、悪魔からの暴言に、言い訳も逆上もせずに言い返せた。
あの瞬間だけ、自分の『欠点』と『価値』を切り離せたように思う。
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