いきましょう、ぼっちゃま! ~モブの俺が攻略対象者の弟を連れて逃げた結果~

紫蘇

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行きましょう、坊ちゃま!

坊ちゃまと魔法の才能

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 坊ちゃまが、学校の勉強に魔法の練習にお手伝いに…と、一生懸命に励んだ結果。

「炎っ!」
「おお、こりゃ種火が助かるわ」
「氷っ!」
「お野菜の色留めに最高ね!」

 …と、結構な感じで魔法が使えるようになった。
 一緒に練習した俺はというと、これまたちょっとばかし回復魔法が使えるようになった。

「包丁で手を切っても安心だな!」
「そうっすね、皮むきが捗ります!」

 ま、回復魔法があることで捗るのは皮むきだけじゃないんだけどね。
 依頼だって、ちょっと危険な奴を受けられるし…

 で、その結果、お金も少し稼げるようになって、武器も新しくなりました!

 わーい!!

 やっぱちゃんとした剣はよく斬れる!
 今までの苦労が嘘みたい!!
 いやぁ、武器によってこうも攻撃力が違うとは。
 やっぱPRGってよく出来てんのな!

 あとは防御力を上げる防具だけど…
 金属製のは、重くて動きが悪くなるんだよな。
 だから安い皮の胸当てを買って着てる。

「後は頑張ってBランクまで上がるだけ…」

 坊ちゃんの13歳の誕生日に「初めての冒険」をプレゼントするためには、冒険者仮登録とパーティーが組めるランクの付き添いが必要だ。
 仮登録の子が一人で出来る依頼って、街中でのお手伝いだけだからな…。

 で、そのパーティーが組めるランクが「B」。

 最初にお世話になった受付のお姉さんに聞いてみたら、一人でBランクになる方法がないわけじゃないらしい。

 いくつかあるランクアップ条件の1つ「Bランク依頼を1件達成」の代わりに、Cランクの依頼を30件と試験を受けたらいいんだって。

 だから朝、依頼が貼り出される時間より早くギルドへ行って…

 って、今までもそうだったけどな!

 晩飯までに帰れる依頼は朝しかねーもん。
 あと、上手くやりゃ一緒にできそうなやつを2つ3つ合わせて受けるとかさ、選べるほど依頼票あるから出来るっていうか…
 そうやって効率上げてくのが楽しいっていうか?

 俺って効率厨だったんだな。意外。


「よーし、明日も頑張っていこ!」

 俺みたいなモブがBランクなんてオコガマシイ!って言われるかもしれないけど。
 そんでもやるだけやらないと、坊ちゃんを納得させられない。

「…ねえ、シーラ。
 最近体の傷が増えてない?」
「そうですか?
 回復魔法に頼り過ぎなのかな…」

 多少危険な依頼もバンバン受けていかないと。
 なんせランクアップ条件には「Cランク依頼を最低100件達成する」っていうのもあるから…。

「僕が寝る前にかけてる『怪我除けのまじない』、効いてないのかな…」
「いえ、ちゃんと効いてますよ!
 それが無かったらもっと酷い怪我してますって」
「無くても怪我しないようにしてよ!
 ……心配、してるんだから」
「…ええ、有難う御座います」

 今日も背中を流してくれる優しいモートン坊ちゃまに心配されながら、明日はもっとうまくやろうと気を引き締め直した。


 ***

 そして、次の日の朝。

「…記念すべき130件目ね、ササキ」
「まじっすか!やった!!」

 依頼票を持って受付へ行くと、あのお姉さんから嬉しいお知らせがあった。
 節目節目でお世話になるなぁ。

「Bランク、上がりたいんでしょ?ギルド長に試験、お願いしておくわね」
「よろしくお願いしまっす!!
 …あの、試験ってどんなのですか?」
「勿論、実戦あるのみよ」
「うっす、頑張りまっす!
 じゃ、依頼、行ってきます!」
「気を付けて行くのよ!」
「はい!有難う御座います!」


 よーし、気合い入れて頑張るぞ!

 ひとりでもできるもん!

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