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行きましょう、坊ちゃま!
一緒じゃなくちゃ ~モートン(ダイキ)視点~
ギルド長が、言った。
「ダンジョンに行く時は必ずダイキも連れて行け」
……やった、と思った。
僕はついに認めさせたんだ、僕がササキに必要な人間だって事を。
僕のために一生懸命になってくれるササキ。
だから僕はササキのために…
ううん、僕は、僕のために。
ササキを…シーラを、誰にも取られない為に。
シーラにもらった力で、シーラを守る。
誰にも渡さない、渡したくない……
シーラを誰かに渡してしまったら、僕は。
どうなってしまうか、分からない。
***
僕の歓喜をよそに、ササキになってるシーラはギルド長に反発している。
「いやギルド長、ダイキはまだ12歳で」
「でも、今年で13だろ?」
「それはそうですけど!」
どうしていつも、シーラは僕の年齢を気にするんだろう。
僕はもう、子どもじゃない。
おちんちんの毛だって生えてきたし、身長だって伸びてるし、それに……。
「俺、ダイキを守りきる自信、無いっす。
それにまだ身長も体重も伸びてる最中なんす、無理させて何かあったら…」
けど、今度はその「身長だって伸びてる」事を理由に、一緒に行けないって言い始める。
でも僕は心配なんだ。
ダンジョンに行って帰って来なかったら…
悪い奴に攫われたら。
ギルド長が言う。
「…ササキの心配は分かる。
だが、ダイキには早めに実戦を経験させたい。
Aどころか、Sランクも夢じゃねえ才能だ」
そうだよ、僕だってシーラの事が心配なんだ。
僕の知らない所で、シーラに何かあったら…
僕は生きていけない。
「無理して怪我したら元も子もないっす!!」
「だが、ダイキの『呪い』を受けたお前なら何とかできるはずだ」
自分の事を棚に上げて、シーラが怒る。
僕だっていっつも無理してるシーラが、いつか倒れてしまうんじゃないかって、気が気じゃないのに。
だからギルド長が言う通り、僕がシーラを助ける!
「はい!ササキと一緒なら大丈夫です!」
「ダイキ!安請け合いしちゃダメ!!」
結局、ササキであるシーラは僕に怒った。
……何で?
***
その後、ササキ…シーラは一旦落ち込んだけど、受付の人の言葉で復活した。
むかつく。
「良い?ダイキ。
ササキの言う事はちゃんと聞くのよ。
ササキの『選ぶ力』は、このギルドで一番なんだからね」
って、そんなの当然でしょっ!!
シーラは、嫉妬狂いの侍女頭を選ばず、金狂いの執事にも媚びなかった。
あの腐った屋敷の中で「まともな人」を探し出して、その人と一緒に僕を助けてくれた。
ササキとなった今もそうだ。
悪い奴と一緒になるぐらいなら、苦労しても一人を選ぶ。
そして、本当に信頼できる人を選んで、頼る。
……この受付の女もそうだ。
むかつく!!
そのせいで「落ち込んでるシーラを慰める」計画が台無しだ。おまけに、シーラは、あの受付の女を名前で呼んだりして…!!
「ありがとうございます…ミリカさん」
じゃないの!!
「あら、私の名前、憶えてたの?
うふふっ……嬉しいわ!」
って、そんな事してあの女がシーラの事好きになったらどうするの!?
シーラのいいところを知ってるのは僕だけでいいのに。
僕だけが知っていれば良かったのに。
ふたりだけの秘密で良かったのに。
あの女に、気付かれてしまったなんて……。
「……こうなったら、誰も知らないシーラの秘密を握ってやる」
……僕はシーラがいなきゃ生きていけないのに、シーラは僕がいなくても生きていけるなんて不公平だ。
シーラは僕にもっと依存するべきだ。
僕がシーラに溺れているように……。
「ダンジョンに行く時は必ずダイキも連れて行け」
……やった、と思った。
僕はついに認めさせたんだ、僕がササキに必要な人間だって事を。
僕のために一生懸命になってくれるササキ。
だから僕はササキのために…
ううん、僕は、僕のために。
ササキを…シーラを、誰にも取られない為に。
シーラにもらった力で、シーラを守る。
誰にも渡さない、渡したくない……
シーラを誰かに渡してしまったら、僕は。
どうなってしまうか、分からない。
***
僕の歓喜をよそに、ササキになってるシーラはギルド長に反発している。
「いやギルド長、ダイキはまだ12歳で」
「でも、今年で13だろ?」
「それはそうですけど!」
どうしていつも、シーラは僕の年齢を気にするんだろう。
僕はもう、子どもじゃない。
おちんちんの毛だって生えてきたし、身長だって伸びてるし、それに……。
「俺、ダイキを守りきる自信、無いっす。
それにまだ身長も体重も伸びてる最中なんす、無理させて何かあったら…」
けど、今度はその「身長だって伸びてる」事を理由に、一緒に行けないって言い始める。
でも僕は心配なんだ。
ダンジョンに行って帰って来なかったら…
悪い奴に攫われたら。
ギルド長が言う。
「…ササキの心配は分かる。
だが、ダイキには早めに実戦を経験させたい。
Aどころか、Sランクも夢じゃねえ才能だ」
そうだよ、僕だってシーラの事が心配なんだ。
僕の知らない所で、シーラに何かあったら…
僕は生きていけない。
「無理して怪我したら元も子もないっす!!」
「だが、ダイキの『呪い』を受けたお前なら何とかできるはずだ」
自分の事を棚に上げて、シーラが怒る。
僕だっていっつも無理してるシーラが、いつか倒れてしまうんじゃないかって、気が気じゃないのに。
だからギルド長が言う通り、僕がシーラを助ける!
「はい!ササキと一緒なら大丈夫です!」
「ダイキ!安請け合いしちゃダメ!!」
結局、ササキであるシーラは僕に怒った。
……何で?
***
その後、ササキ…シーラは一旦落ち込んだけど、受付の人の言葉で復活した。
むかつく。
「良い?ダイキ。
ササキの言う事はちゃんと聞くのよ。
ササキの『選ぶ力』は、このギルドで一番なんだからね」
って、そんなの当然でしょっ!!
シーラは、嫉妬狂いの侍女頭を選ばず、金狂いの執事にも媚びなかった。
あの腐った屋敷の中で「まともな人」を探し出して、その人と一緒に僕を助けてくれた。
ササキとなった今もそうだ。
悪い奴と一緒になるぐらいなら、苦労しても一人を選ぶ。
そして、本当に信頼できる人を選んで、頼る。
……この受付の女もそうだ。
むかつく!!
そのせいで「落ち込んでるシーラを慰める」計画が台無しだ。おまけに、シーラは、あの受付の女を名前で呼んだりして…!!
「ありがとうございます…ミリカさん」
じゃないの!!
「あら、私の名前、憶えてたの?
うふふっ……嬉しいわ!」
って、そんな事してあの女がシーラの事好きになったらどうするの!?
シーラのいいところを知ってるのは僕だけでいいのに。
僕だけが知っていれば良かったのに。
ふたりだけの秘密で良かったのに。
あの女に、気付かれてしまったなんて……。
「……こうなったら、誰も知らないシーラの秘密を握ってやる」
……僕はシーラがいなきゃ生きていけないのに、シーラは僕がいなくても生きていけるなんて不公平だ。
シーラは僕にもっと依存するべきだ。
僕がシーラに溺れているように……。
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