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いきなさい、坊ちゃま!
返済と聖地巡礼 2
俺は久しぶりにシーラに戻り、モートン坊ちゃまと街ブラを楽しんだ。
ゲームの中で見た事ある店に行ったりもしたし、ゲームの中で食べられてるお菓子を食べてみたりもした。
まあ、いわゆる聖地巡礼ってやつだな。
ちょっと湿っぽくなった割にテンション爆上がりで、あそこもここもって言ってるうちに約束の時間が来てしまった。
俺たちは慌てて辻馬車を拾い、急いでフェロー学園へ。
到着したのは約束の時間10分前…だけど。
「やあ、待ってたよシーラ!」
「クリムト様っ!?」
なんと、校門の前でクリムト様が俺たちを待っていてくれたのだ。
お忙しい中わざわざ…なんてお優しい!!
「モートンも、大きくなったね」
「それは、兄上も」
「はは、そうだね!
どうだいシーラ、僕も大きくなっただろう?」
「ええ、本当に!」
クリムト様のお姿は、ゲームに出てくるまんまの清楚清純な美青年だった。
「あまりに素敵になられたものだから、一瞬王子様かと思いました」
「ふふ…シーラったら上手なんだから。
さ、面会室はこっちだよ!」
「はい、クリムト様…行きましょう、坊ちゃま」
「…………うん」
クリムト様はわざわざ俺の右手をとってエスコートしてくださる。
それを見て不貞腐れる坊ちゃまの手は、俺の左手を握りしめ…
「痛いです坊ちゃま」
「…いたくないっ」
「いや痛いですって…
すみませんクリムト様、モートン坊ちゃまとも手を繋いで頂けませんか」
「えっ、何で?」
「モートン坊ちゃまもクリムト様の事が大好きだからですよ、ね?」
「……」
「ふふ、仕方ないねモートン。
こっちへおいで、お兄さまと手を繋ごう」
「…………」
そうして、クリムト様を中心に、俺と坊ちゃまは学園の門をくぐる。
「すごい……おっきい」
「……ぐっ」
そこは、見事なまでにあのゲームで見た世界…
いや、門からしてゲームで見たのを忠実に立体にした感じで感動もんなんだけどね。
やっぱフェロー学園は最強の聖地だよな…
「こんな大きな学校で生徒会役員をなさっているんですね、クリムト様」
「いやいや、国立の研究機関も同じ敷地内にあるから大きく見えるだけさ。
僕のいる寄宿舎もここの敷地内だしね」
うん、それは知ってる。
だって主人公がエロに特化した触手やスライムを発注する場所だからね…
国立の研究機関なのに!
「あの建物が、僕の通ってる高等部だよ」
「うわぁ……すごい、立派……」
「……っ」
クリムト様の住む寄宿舎は敷地の一番奥にある。
そこまでの間にある建物をひとつひとつ教えて貰いながら、俺は豪華な聖地巡礼ツアーに浮かれていた。
***
寄宿舎に付くと、これまたびっくりする事にゲームで良く見知った顔が現れた。
「クリムト、どこへ行ってた!
生徒会室に来ないから、心配したぞ」
「アレイス様…今日は旧友と弟との面会があると、昨日お断りをいれたはずですが」
なんと主人公が、寄宿舎の入口で待ち伏せしていたのだ!
その「ちょっとワイルドかつ気品と色気が同居する男」感がが眩しすぎて、俺は思わず後ずさる。
「おいおい、隠れなくても良いだろう?
別に取って食おうってわけじゃないんだから」
「いえ、私の様な者が、かのアレイス公爵家のご子息様をこれ以上近くで拝見するのは畏れ多く…
モートン坊ちゃま、ご挨拶を」
俺は礼儀の事も含め、ここで主人公と坊ちゃまの間に面識を作った方がいいと考えた。
モートン坊ちゃまは俺に言われて渋々…といった感じではあったが、ちゃんと貴族的ご挨拶をした。
「……初めまして、アレイス公爵子息様。
私はレイクリッド子爵家が次男のモートンと申します。
今日は偶然にもこのようにお会い出来、光栄の至りで御座います」
「ああ、君が弟か…こちらこそよろしく。
……という事は、こっちがあの、シーラか?」
こっちが、あの?
『あの』って何!?
何で俺、主人公に認識されてんの?
っていうか、何か近づいてくるし!すっごい見てくるし!なんなん!!
「それ以上はお止めください、アレイス様」
「なんだよ、つれないなぁ……ふーん、これがシーラか…結構かわいいじゃん」
主人公はニヤニヤしながら俺の顎に手を添えて、強引に顔を上げさせると……
「さっきはああ言ったけど……食っちゃおうかな」
「「!?」」
俺は、主人公のそのセリフとオーラに……
目の前が、真っ白になった。
ゲームの中で見た事ある店に行ったりもしたし、ゲームの中で食べられてるお菓子を食べてみたりもした。
まあ、いわゆる聖地巡礼ってやつだな。
ちょっと湿っぽくなった割にテンション爆上がりで、あそこもここもって言ってるうちに約束の時間が来てしまった。
俺たちは慌てて辻馬車を拾い、急いでフェロー学園へ。
到着したのは約束の時間10分前…だけど。
「やあ、待ってたよシーラ!」
「クリムト様っ!?」
なんと、校門の前でクリムト様が俺たちを待っていてくれたのだ。
お忙しい中わざわざ…なんてお優しい!!
「モートンも、大きくなったね」
「それは、兄上も」
「はは、そうだね!
どうだいシーラ、僕も大きくなっただろう?」
「ええ、本当に!」
クリムト様のお姿は、ゲームに出てくるまんまの清楚清純な美青年だった。
「あまりに素敵になられたものだから、一瞬王子様かと思いました」
「ふふ…シーラったら上手なんだから。
さ、面会室はこっちだよ!」
「はい、クリムト様…行きましょう、坊ちゃま」
「…………うん」
クリムト様はわざわざ俺の右手をとってエスコートしてくださる。
それを見て不貞腐れる坊ちゃまの手は、俺の左手を握りしめ…
「痛いです坊ちゃま」
「…いたくないっ」
「いや痛いですって…
すみませんクリムト様、モートン坊ちゃまとも手を繋いで頂けませんか」
「えっ、何で?」
「モートン坊ちゃまもクリムト様の事が大好きだからですよ、ね?」
「……」
「ふふ、仕方ないねモートン。
こっちへおいで、お兄さまと手を繋ごう」
「…………」
そうして、クリムト様を中心に、俺と坊ちゃまは学園の門をくぐる。
「すごい……おっきい」
「……ぐっ」
そこは、見事なまでにあのゲームで見た世界…
いや、門からしてゲームで見たのを忠実に立体にした感じで感動もんなんだけどね。
やっぱフェロー学園は最強の聖地だよな…
「こんな大きな学校で生徒会役員をなさっているんですね、クリムト様」
「いやいや、国立の研究機関も同じ敷地内にあるから大きく見えるだけさ。
僕のいる寄宿舎もここの敷地内だしね」
うん、それは知ってる。
だって主人公がエロに特化した触手やスライムを発注する場所だからね…
国立の研究機関なのに!
「あの建物が、僕の通ってる高等部だよ」
「うわぁ……すごい、立派……」
「……っ」
クリムト様の住む寄宿舎は敷地の一番奥にある。
そこまでの間にある建物をひとつひとつ教えて貰いながら、俺は豪華な聖地巡礼ツアーに浮かれていた。
***
寄宿舎に付くと、これまたびっくりする事にゲームで良く見知った顔が現れた。
「クリムト、どこへ行ってた!
生徒会室に来ないから、心配したぞ」
「アレイス様…今日は旧友と弟との面会があると、昨日お断りをいれたはずですが」
なんと主人公が、寄宿舎の入口で待ち伏せしていたのだ!
その「ちょっとワイルドかつ気品と色気が同居する男」感がが眩しすぎて、俺は思わず後ずさる。
「おいおい、隠れなくても良いだろう?
別に取って食おうってわけじゃないんだから」
「いえ、私の様な者が、かのアレイス公爵家のご子息様をこれ以上近くで拝見するのは畏れ多く…
モートン坊ちゃま、ご挨拶を」
俺は礼儀の事も含め、ここで主人公と坊ちゃまの間に面識を作った方がいいと考えた。
モートン坊ちゃまは俺に言われて渋々…といった感じではあったが、ちゃんと貴族的ご挨拶をした。
「……初めまして、アレイス公爵子息様。
私はレイクリッド子爵家が次男のモートンと申します。
今日は偶然にもこのようにお会い出来、光栄の至りで御座います」
「ああ、君が弟か…こちらこそよろしく。
……という事は、こっちがあの、シーラか?」
こっちが、あの?
『あの』って何!?
何で俺、主人公に認識されてんの?
っていうか、何か近づいてくるし!すっごい見てくるし!なんなん!!
「それ以上はお止めください、アレイス様」
「なんだよ、つれないなぁ……ふーん、これがシーラか…結構かわいいじゃん」
主人公はニヤニヤしながら俺の顎に手を添えて、強引に顔を上げさせると……
「さっきはああ言ったけど……食っちゃおうかな」
「「!?」」
俺は、主人公のそのセリフとオーラに……
目の前が、真っ白になった。
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