256 / 586
学園4年目
増える仕事
しおりを挟む
「……はっ!?」
「あ、起きた起きた」
「殿下~、ルースサマが起きたっすよ」
訓練場で倒れこむように寝てしまった俺達はどうやら第2砦へ運び込まれていたらしい。
俺は殿下が、あとの2人はジョンさんとカレンデュラ先生が何とか運んで洗ってくれた、と…
お世話掛けました。
「簡易シャワーの魔道具が役に立ちましたね」
「ああ、これ結構使えるよな…水も出るし」
夏休みに俺が作った簡易シャワーはネリネ教授の手によってジョウロスタイルへと改良され、いつの間にか商品化を果たしていた。
夏休みの自由研究レベルのアレを…さすがだな。
「何というところで寝るんだお前は」
「いやはや申し訳ない…ところでカイト君とデューイ君は?」
「ああ、第一砦にしけこんでるよ!」
あれっ、ディー兄にもバレてるじゃん。
駄目だなぁ…。
***
「というわけで、一度説明したとは思うんだけど、今日の実験でこの説が正しいことが証明されたんだ」
「ああ…同属性の魔法ならってやつな」
「うむ、実際にやってみると面白いものだ」
みんなで第一砦に移動し、カイト君とデューイ君と合流。
何故か当然の顔で魔法馬鹿4人組もやってきたところで、「魔法を巻き取る」技についてもう少し考察と実験を進めていくことにする。
カイト君が当然の疑問を発する。
「それで、どうして俺は風以外も巻き取ることが出来るんだ?」
「うん、それは風属性ならではの特性じゃないかと思う」
「は?」
カイト君はよく分からないという顔。
風属性と言えばのエルさまも不思議顔で俺に尋ねる。
「どういうことです、ルース先生?」
「俺の仮説なんですけど…。
まず、攻撃魔法である火・水・土・雷の各属性魔法は、この「空気に含まれている成分」を元に魔法を使っているわけですよね」
「魔法理論の基礎じゃな」
おじいちゃん先生が補足する。
武術棟3人衆が目を泳がせる…学園1年目の必修の内容ですぞ?
「でも風魔法の基礎って「空気を動かす」ことじゃないですか」
「確かに、風魔法は「空気に働きかけて動かす」ことから始めますね…だから、他の属性より簡単に発現すると」
「カメリアでは「あらゆるものは風が運ぶ」んですもんね、それだけ風が生活や文化の中に入り込んでるから特にイメージが付きやすいんでしょう」
「ああ、お国柄ってのは確かにあるかも…」
「ローズ国内でも地域差があると聞くしな」
「まあそれはさておき、風は「空気を動かす」、だから「空気に含まれている成分」も動かせる、だから他人の魔法が「動かす成分ごと操れる」ってこと」
「んん?どういうことだ?」
技を使える本人はピンときていない模様。
なんでや。
「…カイトさんは意識してないんですか?」
「ああ、うん…」
「出来るって刷り込まれてるから出来ちゃってるのかな…。カート君の火魔法を巻き取れた成功体験がイメージに影響してるんじゃない」
「じゃあ、なんで最初の…カートの魔法を巻き取る事が出来たんですかね?」
「だよね、確か最初に巻き取ったのは火魔法…
そうか!!」
どうやら魔法馬鹿4人組は気付いたらしい。
「そうです、火魔法中位以上なら「風」が混ざっている可能性がある」
「だから!その「風」を吸収すると同時に火を巻き取ったんだ!」
「それが本人のイメージに刷り込まれて、無意識に出来るようになったということじゃな…?」
「それに、カイト君がそれなりに魔法が使えた事もあるかと…。
ゴード先輩とケンタウレア先生との実験によると、使える魔法の1つ上の段階までは吸収して自分のものとして操れるっぽいです」
「そうだな…俺は氷結程度しか使えんから、洪水は手に余る感じがした」
「俺はブレイズまで使えるから、業火まではイメージが出来てた、だから操れた?」
「ここは被験者を増やしてはっきりさせたいとこですけど…どうですかね」
「うむ、何人か声を掛けてみよう」
魔法拳研究室に数名、将来有望なのがいるから…ということで、協力をお願いすることに。
するとカレンデュラ先生が聞いてきた。
「なあ、魔法剣では出来ないのか?」
「どうでしょう?やってみたら案外できたりして」
「なら早速やろうぜ!」
「ああ、ランディに遅れを取るわけにはいかん」
「僕らも協力しますよ!」
「ジョンの相手は私がするからね!」
「ハイハイ分かってますよ」
二つ名持ちの剣士たちはどうやら魔法拳ばかり注目されているのが面白くなかったご様子で、どやどやと魔法馬鹿4人と外へ出て行った…んだけど…
「…もしかして、このぶんの論文も俺が書くの?」
「…そうだろうな」
うっそお!!
3本は書けんって!!
無理やって!!
みんなちょっと待って~!!
「あ、起きた起きた」
「殿下~、ルースサマが起きたっすよ」
訓練場で倒れこむように寝てしまった俺達はどうやら第2砦へ運び込まれていたらしい。
俺は殿下が、あとの2人はジョンさんとカレンデュラ先生が何とか運んで洗ってくれた、と…
お世話掛けました。
「簡易シャワーの魔道具が役に立ちましたね」
「ああ、これ結構使えるよな…水も出るし」
夏休みに俺が作った簡易シャワーはネリネ教授の手によってジョウロスタイルへと改良され、いつの間にか商品化を果たしていた。
夏休みの自由研究レベルのアレを…さすがだな。
「何というところで寝るんだお前は」
「いやはや申し訳ない…ところでカイト君とデューイ君は?」
「ああ、第一砦にしけこんでるよ!」
あれっ、ディー兄にもバレてるじゃん。
駄目だなぁ…。
***
「というわけで、一度説明したとは思うんだけど、今日の実験でこの説が正しいことが証明されたんだ」
「ああ…同属性の魔法ならってやつな」
「うむ、実際にやってみると面白いものだ」
みんなで第一砦に移動し、カイト君とデューイ君と合流。
何故か当然の顔で魔法馬鹿4人組もやってきたところで、「魔法を巻き取る」技についてもう少し考察と実験を進めていくことにする。
カイト君が当然の疑問を発する。
「それで、どうして俺は風以外も巻き取ることが出来るんだ?」
「うん、それは風属性ならではの特性じゃないかと思う」
「は?」
カイト君はよく分からないという顔。
風属性と言えばのエルさまも不思議顔で俺に尋ねる。
「どういうことです、ルース先生?」
「俺の仮説なんですけど…。
まず、攻撃魔法である火・水・土・雷の各属性魔法は、この「空気に含まれている成分」を元に魔法を使っているわけですよね」
「魔法理論の基礎じゃな」
おじいちゃん先生が補足する。
武術棟3人衆が目を泳がせる…学園1年目の必修の内容ですぞ?
「でも風魔法の基礎って「空気を動かす」ことじゃないですか」
「確かに、風魔法は「空気に働きかけて動かす」ことから始めますね…だから、他の属性より簡単に発現すると」
「カメリアでは「あらゆるものは風が運ぶ」んですもんね、それだけ風が生活や文化の中に入り込んでるから特にイメージが付きやすいんでしょう」
「ああ、お国柄ってのは確かにあるかも…」
「ローズ国内でも地域差があると聞くしな」
「まあそれはさておき、風は「空気を動かす」、だから「空気に含まれている成分」も動かせる、だから他人の魔法が「動かす成分ごと操れる」ってこと」
「んん?どういうことだ?」
技を使える本人はピンときていない模様。
なんでや。
「…カイトさんは意識してないんですか?」
「ああ、うん…」
「出来るって刷り込まれてるから出来ちゃってるのかな…。カート君の火魔法を巻き取れた成功体験がイメージに影響してるんじゃない」
「じゃあ、なんで最初の…カートの魔法を巻き取る事が出来たんですかね?」
「だよね、確か最初に巻き取ったのは火魔法…
そうか!!」
どうやら魔法馬鹿4人組は気付いたらしい。
「そうです、火魔法中位以上なら「風」が混ざっている可能性がある」
「だから!その「風」を吸収すると同時に火を巻き取ったんだ!」
「それが本人のイメージに刷り込まれて、無意識に出来るようになったということじゃな…?」
「それに、カイト君がそれなりに魔法が使えた事もあるかと…。
ゴード先輩とケンタウレア先生との実験によると、使える魔法の1つ上の段階までは吸収して自分のものとして操れるっぽいです」
「そうだな…俺は氷結程度しか使えんから、洪水は手に余る感じがした」
「俺はブレイズまで使えるから、業火まではイメージが出来てた、だから操れた?」
「ここは被験者を増やしてはっきりさせたいとこですけど…どうですかね」
「うむ、何人か声を掛けてみよう」
魔法拳研究室に数名、将来有望なのがいるから…ということで、協力をお願いすることに。
するとカレンデュラ先生が聞いてきた。
「なあ、魔法剣では出来ないのか?」
「どうでしょう?やってみたら案外できたりして」
「なら早速やろうぜ!」
「ああ、ランディに遅れを取るわけにはいかん」
「僕らも協力しますよ!」
「ジョンの相手は私がするからね!」
「ハイハイ分かってますよ」
二つ名持ちの剣士たちはどうやら魔法拳ばかり注目されているのが面白くなかったご様子で、どやどやと魔法馬鹿4人と外へ出て行った…んだけど…
「…もしかして、このぶんの論文も俺が書くの?」
「…そうだろうな」
うっそお!!
3本は書けんって!!
無理やって!!
みんなちょっと待って~!!
70
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた
木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。
自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。
しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。
ユエ×フォラン
(ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)
当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話
屑籠
BL
サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。
彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。
そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。
さらっと読めるようなそんな感じの短編です。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。
Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。
それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。
友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!!
なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。
7/28
一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
セカンドライフ!
みなみ ゆうき
BL
主人公 光希《みつき》(高1)は恵まれた容姿で常に女の子に囲まれる生活を送っていた。
来るもの拒まず去るもの追わずというスタンスでリア充を満喫しているつもりだったのだが、
ある日、それまで自分で認識していた自分というものが全て崩れ去る出来事が。
全てに嫌気がさし、引きこもりになろうと考えた光希だったが、あえなく断念。
従兄弟が理事長を務める山奥の全寮制男子校で今までの自分を全て捨て、修行僧のような生活を送ることを決意する。
下半身ゆるめ、気紛れ、自己中、ちょっとナルシストな主人公が今までと全く違う自分になって地味で真面目なセカンドライフを送ろうと奮闘するが、色んな意味で目を付けられトラブルになっていく話。
2019/7/26 本編完結。
番外編も投入予定。
ムーンライトノベルズ様にも同時投稿。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる