当て馬にも、ワンチャンあってしかるべき!

紫蘇

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学園4年目

学園祭の始まり ~アルファード視点~

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今年の学園祭はいつもと少し違う。

まず開催期間が伸びた。
いつもは2日間だが、今年は4日間だ。
各所から強い要望があり武芸大会に新しく「魔法術」部門が設けられたことで、魔法学会との兼ね合いからどうしても日程を伸ばさざるを得なかったのだ。
各大学や研究機関からの要望で学園の教授陣との交流会も企画することになったし、ルースからの要望で音楽科の演奏会もやることになったしな。

おかげで今年の生徒会は大忙しだ。
いや、大忙し…は言いすぎだな。
多少忙しいといったところだ。

例年であれば、どの行事も「前年通りに」と職員に頼むだけであとは優雅に茶を飲んでいれば良かったようだが、今年は新しくやることが増えてその対応に追われている。

まあ、本来なら予算のやり繰りをせねばならんところを、プリムラのやつが予算を多めに計上していてくれたで問題なく事が進められたからそこは良かったというべきか。

「まさかプリムラ会計、このことを見越して例年よりも予算を多く計上されていたのですか?
 素晴らしい!これぞ先見の明だ!!」

…と、フィーデが伯父そっくりの大きな声と暑苦しさでプリムラを褒め称えてしまったので、俺も周囲も深くは追求できなくなったが…。

フィーデめ、なかなかの策士に育ってきたな。

だが予算問題は解決しているとはいえ、警備と清掃の仕事が単純に倍になるし、闘技場の観客席には結界を張らねばならんし、その為に食堂をパーティー会場へ変えなければならん。
例年通りであれば宴は講堂で行うのだが、闘技場の観客席への結界張りの見返りに「講堂でバザーをさせろ」というので仕方が無い。
今の神殿は、寄付金で言う事を聞かせられんからな…。

しかしこれが行き過ぎると、将来神殿の上層部が腐敗した時に国家が介入できなくなるな。
やはり一定額の公金は投入すべきだろう。
福祉は神殿に丸投げ、というわけにもいかん。
ルースが一定の力を及ぼしている今のうちに、しっかりと話を詰めるべきだな。

さて、学園祭の開催宣言もあるし、さっさと行くとするか。
今年でフリージアとバイオレットは卒業だ。
順当にいけば来年からは俺が生徒会長になる。

来年の学園はどのように変わるだろうか。
俺やルースが居なくなった後も、今と同じように活気のある場所にしていかねばな。
でなければこの「お祭り騒ぎ」が王宮へ移動してきてしまう…。

結婚後にまで余計な仕事が増えてはたまらん。
毎日最低2時間、週に2日はまるまる2人きりの時間が取れる様に、今から考えておかねば。

「…あれは仕事が好きだからな」

俺と仕事とどっちが大事だ…などという戯言は言うまい。
ルースが働く理由は、俺にもあるのだから。

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