別にこいつとは付き合ってませんけど?

紫蘇

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聖人様になる旅路

人生、楽しく

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固まっている俺をどう見たのか、マルコさんはしつこく俺にミシェルをおすすめしてくる。

「それに、マキタ様がどなたかと結婚されるとなったら、シゲル様について旅をすることは難しい…」
「何やってんのマルちゃん」
「あっ、トモ」「マキタ様っ!?」

困り果てる俺に、救世主が現れた。

***

トモアキはマルコさんを睨みつけて言った。

「別にそんなの、夫婦でシゲについていけばいいだけじゃん?
 マルちゃんは余計なこと言わなくていいんだよ」
「は…、申し訳ありません」

マルコさんは恐縮しきりだ。
トモアキはそんなマルコさんを追撃する。

「トラさんの幸せとシゲの幸せがくっつかないなら、俺がシゲのこと幸せにする。
 カワイイお尻の優しい子を探してやる、だからマルちゃんは黙って見てな」
「……はい」

トモアキはこういう時でも頼りになる。
俺はいつも助けられてばっかりだ。

「大体こういうのは、外野が余計なことしたら駄目になるんだよ?わかんねーかなぁ」
「……すみません……」
「あと、浄化は一生でも、浄化だけしてればいいなんて人生を選ぶことはないだろ?
 やりたい事全部やって、人生謳歌しなきゃな!」

そう言って、トモアキはニコっと笑う。
昨日もそんなふうに言って、俺を元気づけてくれたっけ。

「トモはすげえなあ」
「当たり前だろ!生きるんなら楽しくないと。
 だってメイクもファッションも、自分の為にあるんだぜ。
 他人の為にするやつは、冠婚葬祭だけで充分さ」
「……そうなのか?」

モテるメイクとか、モテる服装とか、いっぱいある気がするけど…?

「モテたいのは自分の為だろ!
 他人の為にモテたいやつなんか、シゲくらいだ」
「えっ!?ええー!?」
「ラブパワー充填するって、他人の為だろ」
「そ…そうかな?」
「そうだろうよ」

いやさすがにそれは無いって!
俺だって自分の為にモテたい…

あ、そっか。

「確かに、モテたいってのは自分の為だな」
「そうだろ?」
「けど、自分の為で、他人の為だな」
「うん、シゲの場合はな」
「みんな、自分の為だけにモテたいのか?」
「だって自分がモテて嬉しい人っていない…
 ああ、親とか、そういう事?
 そう言われてみればそうかなあ」

母さんも、俺に友だちが出来たのを嬉しそうにしてたもんな。
問題はトモアキしか友だちがいない事だけど…

「俺、昔虐められてたじゃん。
 そんとき母ちゃん辛そうだったもんな」
「極端な例だなあ」
「虐めてる側の親は何て思ってんのか知らんけど」
「それな」

加害者の親の事は分からん。
俺は虐められても虐めてもいないし…
多分だけど。

「俺は家族以外で信頼してるのはシゲくらいだったけど、しつこく話しかけてくるのを適当に「彼女」ってしとけば母ちゃん安心するから、それで女と遊んでたようなとこある…
 ホモだオカマだって言われなくて済むしさ」
「それってつまり、トモも家族のためにモテようとしたって事になるよな」
「まあ、そうなるかな…
 今は家族もいないし、適当でも彼女を作らなきゃってならないから、気楽っちゃ気楽よ」
「そうなん?」

トモアキもこっちに来て変わったって事か?
そう聞こうとした矢先、トモアキが言った。

「局地的に、一人だけにモテたい、今は」
「それってクリスチーヌさんの事?」
「うん、おっぱいの事もあるけど、仕事にプロ意識が強いのが良いなって」
「あー、確かにそうだよな…
 クリスチーヌさんっていつもビシッとしてる」
「そうだろ、掃除も洗濯も片付けもお茶入れるのも、端までこだわって仕事してる…それが良いんだ」
「トモもプロ意識強い家庭で育ってるもんな!
 だからじゃない?」
「あり得る」

そっか…外側だけじゃなくて、内側も好きになったんだ。
トモアキの恋が実ったら良いな。

その為にはまず、俺とトモアキが好き合ってるっていう誤解を解かなきゃならないけど。

「…何か良い考えは無いもんかな」
「クリスチーヌさんは略奪とか考えないタイプっぽいもんな…」
「むしろ俺とシゲの恋愛を先頭きって応援してる」
「オウフ」

やっぱ恋愛って難しい。
俺には出来る気がしないな…。




ーーーーーーーーーーーーー

昨日、後づけで急遽足したお話が1話の中で矛盾を創出しておりまして改稿しました。
推敲せずに突っ走ったワタクシをどうか笑ってやってください……
本当にすみません……
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