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聖人様になる旅路
壮行会、そして
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新しい馬車、新しい馬、そして新しい仲間を加え、村をあげての壮行会が開催された。
一番奥の大テーブルの真ん中に王子様とディディ様、王子の隣に俺、その隣にトモアキ。
それから聖騎士団のみんなと赤鷲のヘレナさんに黄獅子のマキシマさんに使者の人たちに…
とにかくいっぱいの人。
向かいには近所の村からも村長さんがやってきたりして座っている。
奥さんが来ているところもある。
他のテーブルには村中の人がやってきてギュウギュウになっている。
場所は当然屋外、最初の頃に浄化した広場だ…
ちゃんと浄化されたままだったので一安心。
王子様が立ち上がって口上を述べた後に言う。
「浄化の巡礼の成功を祈って、乾杯!」
「乾杯!!」
そうして皆がジョッキを打ち合わせる。
子どもにはジュースが振舞われている。
テーブルにはご馳走が並んでいる。
俺がおやつに食べていた木の実のパンも並んでいる。
「聖人様万歳!」
「聖人様万歳!」
そこらじゅうで俺が万歳されてる。
反応に困るから止めて欲しい。
乾杯が終わってからすぐに沢山の人が俺やトモアキに挨拶しにくる。
もちろん騎士団のみんなや王子様やディディ様のところにも人が来る。
食事をする暇もないくらい、沢山の人に跪かれて手を取られておでこにくっつけられたり、挨拶したり、握手したり…
それが少し落ち着くころにはもう空が暗くなって、かがり火が焚かれたりキャンプファイヤーしたり…
そうなってようやく、王子様とお話ししたり。
「シゲル様、お疲れではありませんか?」
「ええ、ちょっとだけ…。
でも王子様のほうが大変だったのでは?」
「私はこういう事に慣れておりますゆえ。
王宮ではこうした行事も多いですから」
まじかー、やっぱ王宮暮らしは無理だな。
浄化の巡礼が終わったら是が非でも平民になろう。
俺は椅子に座り直し、改めてトモアキと乾杯する。
「シゲ、ここまでよく頑張ったな、お疲れ」
「トモのおかげだよ、ほんとにありがとう。
これからも記録係、よろしくな!」
「まかせろ!」
トモアキは上機嫌で俺の肩を叩く。
どうやらジョッキの中身は酒らしい。
まあ、こっちでは15歳だかで飲めるっていうし…
堅苦しいことは言わないでおこう。
トモアキがクリスチーヌさんのところへ行くと言って離れた後、ミシェルがやってきて乾杯する。
「シゲル、これからもよろしく頼む」
「うん、ミシェル、外周の祠、頼りにしてるよ」
「ああ、共に頑張ろう」
そうして一緒に旅するみんなと一人ずつ乾杯して…
壮行会の夜はふけていった。
***
王子様とディディ様が宿へ引き上げ、それに伴って使者さん達とクリスチーヌさんが引き上げ、子どもたちとその親御さんが引き上げ…。
残っている人が独身の若者だけになり、壮行会が出会いの場に変わったところで、俺たちも引き上げる事にした。
「いやあ、こんなに飲んだの初めてだわ」
「トモ、歩けるか?」
「無理ぃ…シゲぇ、部屋まで連れてって?」
「分かった」
と、俺がトモアキを背負おうとしたその時、ミシェルが急に現れてトモアキを俵担ぎした。
「トラさん…すまん」
「いえ、マキタ様も偶には息抜きなさいませんと」
「違、…この、体勢…吐く」
「ええええええ」
トモアキが青い顔をしながら爆弾を落とす。
ミシェルがそれを爆弾で返す。
「構いませんよ?こんな事であなたに借りを少しでも返せるなら」
「やめて、降ろしてあげてミシェル!」
「本当に吐く…うっぷ」
「トモ、もうちょっと我慢して!?」
な、何か光の何かでどうにかならないの!?
やだ、トモアキの顔がどんどん青く、
「ぉぷ」
「うわぁああああ!!!」
…というわけで、結局はお決まりの流れ…。
一番奥の大テーブルの真ん中に王子様とディディ様、王子の隣に俺、その隣にトモアキ。
それから聖騎士団のみんなと赤鷲のヘレナさんに黄獅子のマキシマさんに使者の人たちに…
とにかくいっぱいの人。
向かいには近所の村からも村長さんがやってきたりして座っている。
奥さんが来ているところもある。
他のテーブルには村中の人がやってきてギュウギュウになっている。
場所は当然屋外、最初の頃に浄化した広場だ…
ちゃんと浄化されたままだったので一安心。
王子様が立ち上がって口上を述べた後に言う。
「浄化の巡礼の成功を祈って、乾杯!」
「乾杯!!」
そうして皆がジョッキを打ち合わせる。
子どもにはジュースが振舞われている。
テーブルにはご馳走が並んでいる。
俺がおやつに食べていた木の実のパンも並んでいる。
「聖人様万歳!」
「聖人様万歳!」
そこらじゅうで俺が万歳されてる。
反応に困るから止めて欲しい。
乾杯が終わってからすぐに沢山の人が俺やトモアキに挨拶しにくる。
もちろん騎士団のみんなや王子様やディディ様のところにも人が来る。
食事をする暇もないくらい、沢山の人に跪かれて手を取られておでこにくっつけられたり、挨拶したり、握手したり…
それが少し落ち着くころにはもう空が暗くなって、かがり火が焚かれたりキャンプファイヤーしたり…
そうなってようやく、王子様とお話ししたり。
「シゲル様、お疲れではありませんか?」
「ええ、ちょっとだけ…。
でも王子様のほうが大変だったのでは?」
「私はこういう事に慣れておりますゆえ。
王宮ではこうした行事も多いですから」
まじかー、やっぱ王宮暮らしは無理だな。
浄化の巡礼が終わったら是が非でも平民になろう。
俺は椅子に座り直し、改めてトモアキと乾杯する。
「シゲ、ここまでよく頑張ったな、お疲れ」
「トモのおかげだよ、ほんとにありがとう。
これからも記録係、よろしくな!」
「まかせろ!」
トモアキは上機嫌で俺の肩を叩く。
どうやらジョッキの中身は酒らしい。
まあ、こっちでは15歳だかで飲めるっていうし…
堅苦しいことは言わないでおこう。
トモアキがクリスチーヌさんのところへ行くと言って離れた後、ミシェルがやってきて乾杯する。
「シゲル、これからもよろしく頼む」
「うん、ミシェル、外周の祠、頼りにしてるよ」
「ああ、共に頑張ろう」
そうして一緒に旅するみんなと一人ずつ乾杯して…
壮行会の夜はふけていった。
***
王子様とディディ様が宿へ引き上げ、それに伴って使者さん達とクリスチーヌさんが引き上げ、子どもたちとその親御さんが引き上げ…。
残っている人が独身の若者だけになり、壮行会が出会いの場に変わったところで、俺たちも引き上げる事にした。
「いやあ、こんなに飲んだの初めてだわ」
「トモ、歩けるか?」
「無理ぃ…シゲぇ、部屋まで連れてって?」
「分かった」
と、俺がトモアキを背負おうとしたその時、ミシェルが急に現れてトモアキを俵担ぎした。
「トラさん…すまん」
「いえ、マキタ様も偶には息抜きなさいませんと」
「違、…この、体勢…吐く」
「ええええええ」
トモアキが青い顔をしながら爆弾を落とす。
ミシェルがそれを爆弾で返す。
「構いませんよ?こんな事であなたに借りを少しでも返せるなら」
「やめて、降ろしてあげてミシェル!」
「本当に吐く…うっぷ」
「トモ、もうちょっと我慢して!?」
な、何か光の何かでどうにかならないの!?
やだ、トモアキの顔がどんどん青く、
「ぉぷ」
「うわぁああああ!!!」
…というわけで、結局はお決まりの流れ…。
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