別にこいつとは付き合ってませんけど?

紫蘇

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聖人様になる旅路

謝罪からの出発式

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目を覚ますと、そこはお宿のベッドだった。
ふと隣に目をやると、心配そうな顔のミシェルとトモアキがいた。

「…シゲル、すまなかった」
「シゲ、ほんとごめん…」
「妙な意地の張り合いをするの、良くないと思う」
「はい…」

俺の暴走を招いた二人が仲良く頭を下げたので、俺は仕方なく許すことにした。

ってか許すしかなくない?
だってもう半分土下座みたいだもん。

「今後は二人とも気を付けてね」
「「はい…」」

これを期に、二人がもう少し仲良くなってくれたらそれでいい。
多分他の人たちにも散々怒られただろうし、俺もトモアキが飲んでるの知ってて放置してたし…
お互い様ってことで。

「いま何時くらい?」
「もうすぐ明け方」
「2人とも、ちょっとでも寝た方が良くない?」
「うん…ねる」「私もねる…」

そういって2人は仲良く部屋を出て行き…
朝飯の時間になっても起きて来なかった。


***


とまあ多少のトラブルはあったものの、ここでも簡単な出発式をした。

王都を出た時と同じ様に王子様のスピーチがあって、俺たちも一言言ったりした。
光は昨日の晩にしっかり撒いた(暴走した)ので、式では簡略化した。
俺がちょっとばかし立て替えてたお金も戻ってきたし追加の資金も貰ったので、外周ではちょっとだけ自分へのご褒美も買おうかなと思っている。

「じゃあみんな、行ってきます」
「聖人様、頑張れー!」
「聖騎士団もがんばれー!」
「皆様ご武運をー!」
「またきてねぇー!!」

俺は馬車の中から集まった人たちに手を振り、
集まった人たちは俺たちに手を振ってくれた。

するとなんだかすごく力が湧いてきて、調子に乗った俺は投げキッスしながら光を振りまいてみた。

「きゃぁー!きらきらだぁ!」
「元気になるのう!」

村の人たちには好評だったけど、ふと冷静になったらめちゃ恥ずかしかったので今後はやめようと思う。



馬も調子よくパカパカ走る。

ここから北へ9日間、外周北の街までの旅だ。
俺たちはみんなに見送られながら、来た時と別のゲートから出発した。

クリスチーヌさんによると、道中には旅人が雨露をしのぐための無人宿泊所がポツポツとあるだけで、行商の人と出会えなければ物を買うことも出来ないんだって。

「こんな時期でなければ、大体は行商人がいるのですが…今はすべて停止しています」
「つまり何も買えないって事ですね」

だから馬車にしこたま食料を積んであるのか…
すごい量だもんでびっくりしたよ。

結構広い車内なのに俺ともう一人くらいしか乗れないもんで、押し出されたトモアキは馬移動だ。

「午前中は私が、午後の最初はセト殿が、最後はマキタ様がお乗りになる予定です。
 食料が減りましたら、またマキタ様とカラタニ様と私で乗って行くことになるかと」
「じゃあ明日からはまた3人で?」
「はい」

じゃあ、クリスチーヌさんと2人だけで馬車に乗るのは今だけ…。


よし、ここはひとつ情報収集といくか。

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