別にこいつとは付き合ってませんけど?

紫蘇

文字の大きさ
181 / 214
恋人同士になる試練

22番目の祠 1

しおりを挟む
21番目の祠を攻略して、22番目の祠。
外観は「普通」。中はまだこれから。
ここを攻略すればあと2つ…

「どんどん行ってみよう!」
「気合い入ってんなシゲ」
「だって、2番目のあの部屋が気になるんだもん」

あそこだけ放置してきちゃったからさ…
あの中に何かがいたら困るじゃん。

「すいません、あの時俺が閉めちゃったから…」
「ううん、あれは巧妙な罠だったんだよ」

俺たちの話を聞いてたマルコさんが謝るけど、扉の中の魔物を倒しきらなくても祠は攻略できるって事が分かったのもそのおかげだしな。
今のとこ倒しまくってるけど。

「もしかしたら、今までの巡礼では「中から魔物が出てきたら扉を閉める」ぐらいの事しかしてないのかもな」
「中の魔物はそのままって事?」
「そう、だってすっげえ出てくるじゃん?」
「…言われてみれば」

部屋ん中どうやって入ってたの、っていうくらい出て来る。
扉開けて魔法打ち込む作戦が無かったらどんぐらい出てきてたんだろう…恐ろしい。

「今回の状況って、史上最悪なんだろ?
 特に前回の巡礼では聖女を巡って相当の争いがあったって言ってただろ?
 そんなんで連携よく祠を攻略出来てたのかね」
「…だよな」

言われてみればそうだよな。

リラさんとセトさんの連携がまず強いし、ハイドさんとセレスさんのタッグも強い。
剣の腕もある治癒師のマルコさんに、魔法も使えるミシェルもいる…
そして、何よりそれを活かしきるトモアキの作戦がある。

「全員から恋愛感情を集めれば、効率よくラブパワーは貯まるんだろうけど…
 人間関係のバランスは綱渡りだもんな」
「今回はその反省を活かして、聖騎士団の中に2つもカップルがあるんだろうな」

少なくとも、4人は聖人様に恋をしないようになってる。
セレスさんは女の子としかお付き合いして来なかったわけだから、俺は恋愛対象にならなかったし。

「安心安全のラブロマンスが見たいとか何とか言ってたもんな…」
「何だか極端だよなぁ…」

とまあ、それはまた後で考えるとして…
22番目の祠を攻略するぞ!
おー!!

***

中に入ると、大きな空間に一本の太い大きな柱があった。
そこには長い梯子が一本かかっていて、いかにも「上に登れ」と言わんばかり…

「ついに階段をケチられたか…」
「攻略しづらいなぁ…」

梯子は一人ずつしか上がれない。
2階には一体何が待っているのやら…

「…誰が一番に上がる?」

トモアキが言った。
すると意外な人物が手を挙げた。

「……俺が行こう」
「ハイドさんが?」
「…確かに、あの入口ならそれが一番良いか」

梯子を登った先にある扉は、見た感じ上へ押すタイプのようだ。
今までの扉と違って、開けるのにも力が要りそう…

「じゃあ、ハイドが先に行ってあの入口を開ける。次がセレスさん。二人であの入口を開放してくれ。
 対処できない魔物は下へ落としてくれてもいい、こっちで処理する」
「分かりました。
 マルコを連れて行っても?」
「えっ!?」
「…まあ、治癒が使える人がいた方が安心か。
 じゃあマルちゃん、セレスさんの次に…」
「いえ、抱えて上がります」
「えっ!?」

いや、マルコさんだって鎧着てるし、比較的小柄な方だけど男の人…

「行くぞマルコ」
「ぅお!?」

ハイドさんはマルコさんを抱き上げた。
マルコさんは仕方なくといった感じでハイドさんにしがみつき、その状態でハイドさんは悠々と梯子を登る…

「すごいなぁ」
「ハイドは身体強化無しでも相当の膂力があるからな」
「それは何となく分かってた」

梯子の一番上まで登ったハイドさんが合図をすると、セレスさんもリラさんからカンテラを受け取って梯子の下へ行く。

「…開けるぞ、セレス」
「……ああ、準備は出来た」

ハイドさんが入口の木の板に手をかけ、ぶち破るように一気に押し上げて駆け上がる。
それを見て、セレスさんは下から一気に真上へと飛び、入口へと突入…

「…シゲ、光、貯めといてくれ。
 いつでも上の層に撒けるように」
「分かった」

入口からは魔物の叫び声や唸り声が聞こえる。
それに混じって剣が何かを叩き切る音…

ミシェルが叫ぶ。

「何か来るぞ、構えろ!」

トモアキとリラさんは剣を抜き、セトさんは魔法の詠唱に入る。

「3人とも、死なないで…!」

俺はその後ろでただ祈った。
光の力があの入口を突き抜けて、上の層まで届くぐらい沢山集まるように…。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

腐男子♥異世界転生

よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。 目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。 トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。

【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。

はぴねこ
BL
 高校生の頃、片想いの親友に告白した。  彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。  もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。  彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。  そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。  同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。  あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。  そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。 「俺もそろそろ恋愛したい」  親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。  不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。

病み墜ちした騎士を救う方法

無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。 死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。 死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。 どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……? ※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です

龍の寵愛を受けし者達

樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、 父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、 ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。 それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。 それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。 王家はある者に裏切りにより、 無惨にもその策に敗れてしまう。 剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、 責めて騎士だけは助けようと、 刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる 時戻しの術をかけるが…

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。

志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。 美形×平凡。 乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。 崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。 転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。 そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。 え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

処理中です...