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最後の学園生活
見てませんっ!!!
しおりを挟む夜が更けて朝が明け、残されたメンバーがもそもそと朝食の準備を始めた頃、リュノ王子がパッセルを抱えて戻ってきた。
「……すまん、随分待たせてしまって」
「い、いや~?ぜんぜん、な!」
「お、俺らも疲れてて、あれからすぐ寝ちゃって、ははははははは」
「「あははははは」」
見た事の無い顔で寝ている鬼教官。
それを見つめる自信に満ちた顔の王子様。
……圧倒的事後感。
「悪いが、暫く寝かせてやってくれないか」
「ええもちろんですとも」
「はははははは」
もう、他のメンバーは笑うしかない。
文句なんか言える訳がないし、祝福だって悩む。
だが……
「……ふすぅ」
「ああメジロ、お前も待「ケーーーー!!」」
メジロだけは違った。
またも馬らしからぬ鳴き声をあげ、リュノを威嚇する。
「かーっ!っしゃぁ!ギュリギュリギュリギュリ」
「同意の上だ、文句を言われる筋合いはない」
「ぺっ!ふすっ!!」
「必ず幸せにする、心配するな」
「メェー!」
ついにリュノ王子までがメジロと話し始めた。
しかも、変に具体的に……。
こりゃ駄目だ。
新人も手練れも駆け出しも、全員が同じ事を思った。
結束が強まった結果でも何でもないけれど。
***
……そんなこんなでまた無駄に1日が過ぎた。
とはいえダンジョンの中なので外に出れば大した事ではない。
パッセルが目を覚ました事に比べれば、だ。
「……ふぁ」
「どうした、まだ眠いのか?」
「うん……ちょっとだけ」
「最近働きづめだったから、疲れてるんだろう」
「ん……」
ですます調で喋らないパッセルも珍しければ、寝ぼけているパッセルも珍しい。
そして何より……
「ほら、おいで」
「ん……」
もぞもぞと動いて、リュノの腿にこてん、と頭を預けて……
「!!」
もう、それはもう、死にものぐるいで、全員が見ない振りをした。
普段と違い過ぎる態度に、何かが出そう……
「……」
だが、手練れの騎士は違った。
リュノ王子に目配せした後、動揺しかしていないメンバーに声をかける。
「おい、村まで一旦戻るぞ」
「え」
「狼煙を上げたからお館様が誰かを派遣してくる可能性もあるしな」
「あ、ああ!」
「と、いう訳ですので、我々一足先に、村へ戻っております、殿下」
「ああ、分かった」
さすが手練れ、人生の場数が違う。
彼らはさっさと全員に荷物をまとめさせ、リュノとパッセルを二人きり残してその場を後にした……。
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