話が違う2人

紫蘇

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最後の学園生活

【一方、西の辺境】新婚前生活

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一方その頃、西の辺境に出来た村では。

「ただいま、フェリス」
「お帰りなさい、クレイド!」

とても穏やかな日常が流れていた。

シルウェストリス騎士団は1人を残して一旦王都へ戻る事になり、今は村の中も静かだ。

「今回のダンジョン、どうだった?」
「ああ、西からの第2層に、階段がもう一つ見つかってさ。
 これが結構、深そうな感じなんだよな……」

フェリスはクレイドとのプレ新婚生活を楽しんでいた。
最初は全くできなかった料理も、今ではお手のもの。
洗濯だって出来るし、掃除だって出来る。
第一寮で生活した甲斐があったというものだ。

フェリスはクレイドに、今日の仕事の事を尋ねる。

「そうなんだ、どこまで潜ったの?」
「第5層。
 ポーションももう無くなりかけだったから、一旦戻ろうって」
「予想以上に使っちゃった感じ?
 じゃあ、明日もう少し追加で作っとくね」
「ああ、ありがとう……そうだ、これ!」

クレイドはフェリスにダンジョンで拾った金貨を2枚渡す。

「どうしたの、これ?」
「ダンジョンで拾ったんだけど、なんか絵が可愛いなって思って」
「もらってきてくれたの?」
「うん」

クレイドはちょっと照れたように頷き、そして照れ隠しのように言った。

「珍しい薬草とかあったら良かったんだけど、やっぱ俺らじゃ見つかんないんだよな~」
「うーん、それってやっぱり薬師の特殊能力なのかなぁ」
「そうかもしんない。
 俺らが安全に連れて行けるようになったら、一緒にいこう」
「うん!」

今日もフェリスは可愛い。
クレイドはそれを噛み締めつつ、フェリスの唇にそっとキスを贈った。
すると今度は、フェリスが照れ隠しのように話を続けた。

「で、でも、第5層より先があるなんて、想像つかないや」
「だろ、あの5層よりキモい魔物なんか居た日にはだよ」
「みんなあの時の経験者だっけ?」
「いや、あん時はいなかった人もいるけど、ここに村作ってからもあの5層には何度か行ってる」
「じゃあ大丈夫じゃない?」
「いやいや、未だに気持ち悪いから……」

クレイドはダンジョン騎士団を率いて、3日に1回のペースでダンジョンに向かう。
ダンジョン内での時間の流れとこちらの時間の流れが違うので、遅くとも夕方には戻ってこられるのだ。
新婚に優しい職場(?)である。

「フェリスの方はどうだった?
 いい薬草、見つかったか?」
「うん、ここに来てからずっと目をつけてた丘があるんだけど、そこにオヒルマソウの群生地があったよ」
「えっ!オヒルマソウって、確かヌレバソウと一緒に魔力回復ポーションに使うやつ?」
「そう!もうヌレバソウは薬草園で増えてるから、オヒルマソウも育てる事が出来たら……」

フェリスは、1人残ったシルウェストリスの老騎士と一緒に薬草集めをやっている。

「なあフェリス、薬草園をもう少し拡げたら、きつい?」
「うーん、ゼファさんに手伝って貰えるなら、もう少しいけると思うけど……」
「そっか、じゃああんま欲出さない方がいいな」
「えっ、でも……」

フェリスがそう言うと、クレイドは少し拗ねた顔でつぶやいた。

「だって、ゼファさんもアルファだろ」

その言葉にフェリスは一瞬固まり……

「……ふふっ」
「な、なんだよ、大事な事だろ!!」
「だ、だって、ゼファさん、もうお孫さんもいるのに」
「孫がいたってアルファはアルファだっ」
「ふ、ふふふっ、ふふっ」

可愛らしい嫉妬をするクレイドに、笑いが止まらくなった。

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