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最後の学園生活
【パッセル】謎の島、謎の洞窟
しおりを挟むダンジョンに入ると、リュノが心配そうに話しかけてきた。
「……パッセル、魔力は大丈夫か」
「ああ、まだもつ。
だが戦闘は最小限、いいな?」
「分かった」
さっきあんな事を言ったから心配したらしい。
ま、一生心配するんだから仕方ないか。
俺の勘では、ここが本当に「ダンジョン」なら
・人間が歩いて進める道がある
・序盤で「水中でも息が出来て普通に活動できる」不思議アイテムが手に入る
……のどちらかだ。
そもそもダンジョンに人間が入れなければゲームが成立しない。だったら人間が入れるだろう。
だが、ただ海の魔物を生み出す装置とも考えられなくはない。
その場合、どう対処すべきかだが……
「しかし、暗いな」
「ああ……だが、見えなくはない」
今のところ「完全なる闇」というわけではない。
水の加減か、かなり奥まで光が届いている。
「完全に見えなくなる前に、引き返そう」
「ああ、分かった」
どこまで人が歩いて進めるか。
まだ先がありそうなら……
消耗しないうちに、残った3人を迎えに行かないとな。
***
あれから小一時間程進んで、セーフルームらしき場所も見つけた。
割と良心的な造りだと言える……
ただ、セーフルームがあるという事は、その向こうにボスがいる可能性が高いという事でもある。
俺たちは洞窟から一旦出て彼らを迎えに行き、向かってくる魔物を殺しながら入口まで行き、もう一度中へ入った。
狭い通路だ。
隊列を組むとしても、ただ一列になる以外にどうしようもない。
先頭をリュノ、次を俺、後ろを騎士3人に託し、松明を掲げながら中へと進む。
先程とは打って変わって、海中から魔物が次々に現れる。
奴らは俺たちを海の中へ引きずり込もうと、足元を狙ってくる。
「通路、狭い、ですね!」
「ええ、大人数での攻略には向かないダンジョンです」
奴らの腕を避け、次に上がって来る頭に一撃を入れる。
後ろの方からペタペタと足音がするのを、騎士が振り向きざま斬って捨てる。
「随分と、出てきますな!」
「ええ、最初の攻略は、大体、消耗戦です!」
だが、こんなところで死んでなどいられない。
セーフルームまで行けば、体を横たえて眠る事が出来る。
そうすれば体力も回復するし、魔力も元に戻る……!
「水から上がって来る前に、泡がボコボコと出るので分かりやすいです、ね!」
「ええ、有難い!」
問題はドロップ品の一部が海中に落ちてしまう事だが、欲をかいて死ぬのはアホらしい。
だが勿体ないのは確かで……無理をして海へ入る者が出ないとも限らない。
まあ、この件は後々考えよう……
「もうすぐ、安全な場所に着くと思います!
そこでゆっくり体を休め、リュノ、前っ!」
「ああ!」
俺の注意が早いか、リュノは返事と共に魔物を一刀両断した。
やはり、彼は充分に強い。
ダンジョンに行く程度の事なら、何ら問題は無いぐらいに。
「くそ、さっきは小一時間で、着いたのにな!」
「戦闘がそれだけ多いんです!
……っ、ふっ……!次、……!」
近くにいる魔物は、火魔法で手を焼いてやる。
遠くにいる魔物は、ボウガンで撃つ。
「これで少しは、外に出るのが、減れば!」
「いっそ水が抜ければ、楽なんですがね!」
水を抜く……。
それは、考えた事も無かった。
ふと考える。
この洞窟内の水位を一気に下げて、魔法を解いたら、入口から一気に水が流れ込む。
そのショックで魔物を弱らせる事が出来たら……
だが、こちらも波にさらわれる可能性がある。
危険だ。
「地道に進むしかありません!
頑張りましょう!」
「「おお!」」
もう、進むしかない。
撤退は正直、無い。
元からそのつもりの作戦だ……
無事に戻る為には、完全攻略を達成する以外ない。
「リュノ!水底から、土の槍を!魔物を下から攻撃、できるか!?」
「分からん、だがやってみる!
パッセル、先頭を頼めるか!?」
「任せろ!」
俺はリュノと入れ替わる。
まずは正面からの敵を殲滅すべく、また、一瞬だが先の確認にもなる火魔法を進行方向にぶっ放す。
「大火球、最高速!」
火球を放ち、その先を確認する。
魚の焦げたようなにおいがする。
だが、これなら……走れば!
「セーフルームまで、一気に駆け抜けましょう!」
「「おお!」」
とにかく、消耗が激しい。全員をまずはセーフルームに入れるべきだ。
「こっちです!」
「「はい!!」」
……ようやく一息、つけそうだ。
ここでしっかり休息を取って……。
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