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最後の学園生活
怪しげな島
しおりを挟む「ひひん!ぶるるふ!」
「本当かメジロ、どっちだ!?」
「ふん!ふん!」
「あっちの方向だな!?」
パッセルの体を支えるように座っていたメジロが、ついに動いた。
体勢はそのままで、声で合図を出したのだ。
「……小さな島が見える、あれか」
「こくこく」
「よし、分かった。
操舵手殿!あっちにある、あの小島へ向かってくれ!」
「は?小島?え、あ、本当だ!」
どうやら操舵手の反応からして、最近まで無かったものと見える。
という事は、ダンジョンで間違いなさそうだ……
「上陸艇、準備!」
「おお!」
船は帆を高く上げ、速度を上げる。
「一斉掃射、準備!」
「はっ!」
近付くにつれ、魔物の数も増える。
船に乗った全員が、海に向かってボウガンを構え……
「放て!」
魔物の群れに狙いをつけ、矢を放った!
***
パッセルとリュノ、その他3名の騎士は、無事ダンジョンらしき島へ到達した。
「明日の朝、迎えに来る!」
「はい、メジロの事、頼みます!」
「おう、任せろ!」
大声でのやりとりの後、船は大急ぎで反転して港へと戻っていく。
もうすでに出てしまった魔物と闘うためだ。
凶悪な鮫、大蛸、大イカ。
今まで見た事のない、魚と牛の中間みたいな生き物、魚と虎の中間みたいな生き物……
魚と人間の中間みたいな、生き物。
「……水の中に引きずり込まれたら、勝ち目はなさそうですね」
「ええ、出来るだけ水からは離れて戦いましょう」
南方騎士団は、王家所属の騎士団の中で唯一、剣ともう一つ、出来るだけリーチの長い武器を所持している。
「銛、ですか」
「ええ、先が外れてくれるので、武器を掴まれて海中へ引きずり込まれるのを防げます」
騎士はリュノにも銛を渡した。
だが、パッセルは銛ではなく別の選択をした。
「パッセルは、ボウガンか?」
「ええ、跳弾が恐いので弾は打ちませんが、似た事をやってみようかと」
「なるほど……」
島がどういう構造かは分からない。
ただ、今までとはかなり勝手が違う、という事だ。
「とにかく、入口を探しましょう。
そこから出て来る魔物を殲滅して、港の負担を少しでも減らさないと」
「そうですね」
一行は、島の外周を回ってみることにした。
ごつごつした岩場が多く、歩きづらい……
「しっ」
「何だ?」
「魔物がいます、止まって」
パッセルはボウガンを構え、まだ洞窟に入る前だからと石を乗せ……
「……次」
優秀なハンターの様に、一発で魔物を仕留める。
そうしてあらかた仕留めた後、また全員で進み……
「あっ、あそこ!」
「……ほんとだ、湧き出てやがる」
ついにダンジョンの入口らしきものを発見したが、魔物が湧いて出るだけでなく、見た感じかなりの深さまで水に浸かっている。
「これでは突入できませんな」
「ああ、どうする?」
近くまで行って、どうにもならなければ後退しつつ戦闘する事になる。
この足場でそれはかなりの危険を伴う。
このまま進むか、それともあの入口とは別の入口を探すか。
今なら反対周りに進路を変更もできそう、だが……。
「ダンジョンの魔物は、人間に向かってくる性質があります。
下がるのにも細心の注意が必要です」
「……なるほど」
ひとたび魔物に見つかってしまえば、戦闘は免れない。
足場の良い場所……舟を乗り付けたところまで行ければ、
「ふむ……姿を隠して近づいてみましょう」
「えっ、姿を?」
「そういう魔法があるのです。
ただ、私とあと1人分しか魔力に余裕がありません」
「という事は、残りはここで待つ?」
「ええ、そうです。
待つ、と言っても魔物が攻めてくるでしょうし、かなりの戦闘になると思いますが」
つまり、この少ない人数を二手に分けるという事だ。
行く方にも待つ方にも、相当の負担が出る。
私とリュノで入口へ向かいます、皆さんはここで魔物をしのぎつつお待ち頂く、という事で」
「……分かりました」
「では後ほど……『光学迷彩』」
パッセルがそう唱えると、2人の姿が消えた。
残された3人は目配せしあうと、近くの岩陰に身を隠した……
「……作戦、開始」
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