話が違う2人

紫蘇

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あがく世界

【閑話】わるいおとなたちの会話 微※

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決算と予算が終わって家で伴侶とゴロゴロイチャイチャしていると、うちの執事がドア越しに報告してきた。

「アリエス伯から旦那様にお会いしたいと、ご連絡が」
「…なんだって?」

何の用で来るの?って、一個しかないけどね。
やっぱちょっと遅いよなぁあっこ…
のんびり気質なんかな。
まあいいけど。

「…2、いや3日後にと伝えてくれ」
「御意」

あっちものんびりだし、こっちものんびりしよ。

「あっ、こんなところにほくろ発見~♡」
「んもう、この前も同じほくろ発見してたじゃない」
「これはぁ、るぅたんをぉ、つんつんする口実だっ!
 えいえいっ♡」
「ふひゃ、あはっ」

あー…心から馬鹿になれるの、たまらん…。

「えーい、おっぱいちゅきちゅき攻撃っ♡」
「ちょ、うふ、あっ…、やん…っ」
「うふふ~、ほれほれ~」
「あんっ、も…あっ、ぅんっ…!」

ふふっ、このまま乳首イキさせちゃうぞっ♡
えいえいっ!


***


「で?あの作戦は中止にしてくれ、と?」
「はっ、その件に関しては大変に申し訳なく」
「申し訳なく…?」
「そ、その、想定外の事で、その…」
「想定外、ねぇ」

ま、オヴィス君がフォエバストリア王子の運命の番だったって聞いた時からそうなるだろーなーとは思ってたけどね。

運命ってそういうもんらしいからねー。
俺が学生の時も、エーライ・モンタルヌス君とカレンちゃんの話題で超盛り上がりだったからさ。

カレンちゃんの婚約者に『諦めてやれよ』って言ったものの…あいつもカレンちゃんのこと好きだったんよな。

代わりに伴侶の妹を紹介してやったりオメガ持ち家族の集まりに行ってみたり、まぁ色々やって何とか失恋から救い出した頃にはあのドグサレ王のお父上が崩御されたりなんかして結婚も婚約も先延ばしになるし、ほんとついてないよねアイツ。

良いやつなんだけどな…
今も一緒に仕事してるけど、細かい事に気がつくし、そのおかげで帳簿の収支がちょっとずつズレてるのが発見できたりして……

つか、あのビチグソドグサレ王、そういうとこには知恵が回るのな。
マジ無駄な能力持ちやがって、ぶっコロ

なーんて考えてたら、伴侶が俺を現実に引き戻してくれた。

「まあ運命の番だったなんて誰も想像出来ないよね、仕方ないんじゃない?」
「そっ、そうなんでございますよ奥様!!」
「僕はフェリスに幸せになってもらえればそれでいいからさ、良いんだけどね」
「お、奥様ぁ……!」

…とまあ、アリエス伯爵は我が伴侶の優しさに感動しているみたいだけど、話はそれだけで終わ…

あっこら、断りもなく握手すな!
死なすぞテメェ!!

「…アリエス伯、この作戦の責任というわけではないが、実はもう一人オメガを探さねばならんのだ」
「はあ…なぜに?」
「第二王子殿下が、あ…パッセル君を見初めた」
「何ですとっ!」
「しかも、人が変わったように真面目になった。
 いや、元々あそこの兄弟は真面目なんだ…
 だから、元に戻っただけとも言えるな」
「……!」

次代の王には、真面目に執務に取り組んで欲しい…

その一心で、幼少のみぎりに「国家とは何か、国王とは何か、王族の心得とは何か」と、がっつり叩き込んでやったのだ。
初等部に通うまでが勝負だと、ギュウギュウに…

それが厳しすぎて歪んだのだとしたら申し訳ない。

「あれはパッセル君と何かあったに違いない。
 彼と出会ったアルファは皆、バース性による優位性の脆弱さに気づいてしまう…だろう?」
「はっ、仰る通りです」
「惚れたとしたら非常に面倒だ。
 リュノ殿下がお相手であれば、彼をユバトゥスに連れて行かぬ様あちらの王家に交渉するだけで済むが…」
「彼の中立性を失わせるのは勿体ないもんね」
「そのとおりだよ、君」

奴はフェリスを攫っていこうとする悪ではある。
だがこっちが頼まなくても道や河川の整備をやってくれるのは、正直ありがたい。
彼の魔法工法のおかげで道路整備予算が余ってなかったら、支払えなかった請求もあるしな。
河川整備の積み立ても少なくて済みそうだし…。

「パッセル君はこの国に大変有益な存在だ。
 私も領地を持つ者として、感謝する部分は大きい。
 彼と彼の仲間の功績を讃えて、国からも報奨金を出すつもりだ」

まあ、当然っちゃ当然だよね。
あのクソ王の無駄遣いに比べりゃ全然安いし、断然意味がある。
彼らの名声が高まれば、各地に組織を作るのも楽になるだろうし、そうすれば激甚災害があったとしても予備費を少しは抑えることが出来る…

ああ、地方官吏の非常勤として雇うのもありだな。
パッセルが死んだ後も、ちゃんと組織として残さねば勿体ない。

「とはいえ、当面は君たち領主派の寄付も必要だ。
 だがようやく災害対策らしい事が出来そうなんだ…次世代の為に、我々が今、力を合わせねばな」
「ええ、ええ、そうですとも!」

アリエス伯はニコニコしているが、さっき言った事忘れてないよな?
一応もう一回言っとこ。

「……だが、アリエス伯。
 その為には、第二王子殿下が気に入りそうな未婚約のオメガを探さねばならん、だろう?」
「え、ええ、はい、あー、そうですとも!」

わっ、こいつ忘れてたな?
もう一回言って良かった!

「アリエス伯だけでは不安、という事であれば、他の領主殿にお声がけ頂いても良い。
 アルファの領主殿ならオメガを見抜けるはず…
 領地を隈なく周り、見つけるのだ」
「はい!」

そんで、ついでに領地の地理把握してもらって、危険個所の洗い出しして、災害対策…っと。

さー、キリキリ働いてもらいますかね!
俺も補正予算組みで忙しくなるんだから!
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