74 / 292
あがく世界
【閑話】わるいおとなたちの会話 微※
しおりを挟む
決算と予算が終わって家で伴侶とゴロゴロイチャイチャしていると、うちの執事がドア越しに報告してきた。
「アリエス伯から旦那様にお会いしたいと、ご連絡が」
「…なんだって?」
何の用で来るの?って、一個しかないけどね。
やっぱちょっと遅いよなぁあっこ…
のんびり気質なんかな。
まあいいけど。
「…2、いや3日後にと伝えてくれ」
「御意」
あっちものんびりだし、こっちものんびりしよ。
「あっ、こんなところにほくろ発見~♡」
「んもう、この前も同じほくろ発見してたじゃない」
「これはぁ、るぅたんをぉ、つんつんする口実だっ!
えいえいっ♡」
「ふひゃ、あはっ」
あー…心から馬鹿になれるの、たまらん…。
「えーい、おっぱいちゅきちゅき攻撃っ♡」
「ちょ、うふ、あっ…、やん…っ」
「うふふ~、ほれほれ~」
「あんっ、も…あっ、ぅんっ…!」
ふふっ、このまま乳首イキさせちゃうぞっ♡
えいえいっ!
***
「で?あの作戦は中止にしてくれ、と?」
「はっ、その件に関しては大変に申し訳なく」
「申し訳なく…?」
「そ、その、想定外の事で、その…」
「想定外、ねぇ」
ま、オヴィス君がフォエバストリア王子の運命の番だったって聞いた時からそうなるだろーなーとは思ってたけどね。
運命ってそういうもんらしいからねー。
俺が学生の時も、エーライ・モンタルヌス君とカレンちゃんの話題で超盛り上がりだったからさ。
カレンちゃんの婚約者に『諦めてやれよ』って言ったものの…あいつもカレンちゃんのこと好きだったんよな。
代わりに伴侶の妹を紹介してやったりオメガ持ち家族の集まりに行ってみたり、まぁ色々やって何とか失恋から救い出した頃にはあのドグサレ王のお父上が崩御されたりなんかして結婚も婚約も先延ばしになるし、ほんとついてないよねアイツ。
良いやつなんだけどな…
今も一緒に仕事してるけど、細かい事に気がつくし、そのおかげで帳簿の収支がちょっとずつズレてるのが発見できたりして……
つか、あのビチグソドグサレ王、そういうとこには知恵が回るのな。
マジ無駄な能力持ちやがって、ぶっ殺…
なーんて考えてたら、伴侶が俺を現実に引き戻してくれた。
「まあ運命の番だったなんて誰も想像出来ないよね、仕方ないんじゃない?」
「そっ、そうなんでございますよ奥様!!」
「僕はフェリスに幸せになってもらえればそれでいいからさ、良いんだけどね」
「お、奥様ぁ……!」
…とまあ、アリエス伯爵は我が伴侶の優しさに感動しているみたいだけど、話はそれだけで終わ…
あっこら、断りもなく握手すな!
死なすぞテメェ!!
「…アリエス伯、この作戦の責任というわけではないが、実はもう一人オメガを探さねばならんのだ」
「はあ…なぜに?」
「第二王子殿下が、あ…パッセル君を見初めた」
「何ですとっ!」
「しかも、人が変わったように真面目になった。
いや、元々あそこの兄弟は真面目なんだ…
だから、元に戻っただけとも言えるな」
「……!」
次代の王には、真面目に執務に取り組んで欲しい…
その一心で、幼少のみぎりに「国家とは何か、国王とは何か、王族の心得とは何か」と、がっつり叩き込んでやったのだ。
初等部に通うまでが勝負だと、ギュウギュウに…
それが厳しすぎて歪んだのだとしたら申し訳ない。
「あれはパッセル君と何かあったに違いない。
彼と出会ったアルファは皆、バース性による優位性の脆弱さに気づいてしまう…だろう?」
「はっ、仰る通りです」
「惚れたとしたら非常に面倒だ。
リュノ殿下がお相手であれば、彼をユバトゥスに連れて行かぬ様あちらの王家に交渉するだけで済むが…」
「彼の中立性を失わせるのは勿体ないもんね」
「そのとおりだよ、君」
奴はフェリスを攫っていこうとする悪ではある。
だがこっちが頼まなくても道や河川の整備をやってくれるのは、正直ありがたい。
彼の魔法工法のおかげで道路整備予算が余ってなかったら、支払えなかった請求もあるしな。
河川整備の積み立ても少なくて済みそうだし…。
「パッセル君はこの国に大変有益な存在だ。
私も領地を持つ者として、感謝する部分は大きい。
彼と彼の仲間の功績を讃えて、国からも報奨金を出すつもりだ」
まあ、当然っちゃ当然だよね。
あのクソ王の無駄遣いに比べりゃ全然安いし、断然意味がある。
彼らの名声が高まれば、各地に組織を作るのも楽になるだろうし、そうすれば激甚災害があったとしても予備費を少しは抑えることが出来る…
ああ、地方官吏の非常勤として雇うのもありだな。
悪が死んだ後も、ちゃんと組織として残さねば勿体ない。
「とはいえ、当面は君たち領主派の寄付も必要だ。
だがようやく災害対策らしい事が出来そうなんだ…次世代の為に、我々が今、力を合わせねばな」
「ええ、ええ、そうですとも!」
アリエス伯はニコニコしているが、さっき言った事忘れてないよな?
一応もう一回言っとこ。
「……だが、アリエス伯。
その為には、第二王子殿下が気に入りそうな未婚約のオメガを探さねばならん、だろう?」
「え、ええ、はい、あー、そうですとも!」
わっ、こいつ忘れてたな?
もう一回言って良かった!
「アリエス伯だけでは不安、という事であれば、他の領主殿にお声がけ頂いても良い。
アルファの領主殿ならオメガを見抜けるはず…
領地を隈なく周り、見つけるのだ」
「はい!」
そんで、ついでに領地の地理把握してもらって、危険個所の洗い出しして、災害対策…っと。
さー、キリキリ働いてもらいますかね!
俺も補正予算組みで忙しくなるんだから!
「アリエス伯から旦那様にお会いしたいと、ご連絡が」
「…なんだって?」
何の用で来るの?って、一個しかないけどね。
やっぱちょっと遅いよなぁあっこ…
のんびり気質なんかな。
まあいいけど。
「…2、いや3日後にと伝えてくれ」
「御意」
あっちものんびりだし、こっちものんびりしよ。
「あっ、こんなところにほくろ発見~♡」
「んもう、この前も同じほくろ発見してたじゃない」
「これはぁ、るぅたんをぉ、つんつんする口実だっ!
えいえいっ♡」
「ふひゃ、あはっ」
あー…心から馬鹿になれるの、たまらん…。
「えーい、おっぱいちゅきちゅき攻撃っ♡」
「ちょ、うふ、あっ…、やん…っ」
「うふふ~、ほれほれ~」
「あんっ、も…あっ、ぅんっ…!」
ふふっ、このまま乳首イキさせちゃうぞっ♡
えいえいっ!
***
「で?あの作戦は中止にしてくれ、と?」
「はっ、その件に関しては大変に申し訳なく」
「申し訳なく…?」
「そ、その、想定外の事で、その…」
「想定外、ねぇ」
ま、オヴィス君がフォエバストリア王子の運命の番だったって聞いた時からそうなるだろーなーとは思ってたけどね。
運命ってそういうもんらしいからねー。
俺が学生の時も、エーライ・モンタルヌス君とカレンちゃんの話題で超盛り上がりだったからさ。
カレンちゃんの婚約者に『諦めてやれよ』って言ったものの…あいつもカレンちゃんのこと好きだったんよな。
代わりに伴侶の妹を紹介してやったりオメガ持ち家族の集まりに行ってみたり、まぁ色々やって何とか失恋から救い出した頃にはあのドグサレ王のお父上が崩御されたりなんかして結婚も婚約も先延ばしになるし、ほんとついてないよねアイツ。
良いやつなんだけどな…
今も一緒に仕事してるけど、細かい事に気がつくし、そのおかげで帳簿の収支がちょっとずつズレてるのが発見できたりして……
つか、あのビチグソドグサレ王、そういうとこには知恵が回るのな。
マジ無駄な能力持ちやがって、ぶっ殺…
なーんて考えてたら、伴侶が俺を現実に引き戻してくれた。
「まあ運命の番だったなんて誰も想像出来ないよね、仕方ないんじゃない?」
「そっ、そうなんでございますよ奥様!!」
「僕はフェリスに幸せになってもらえればそれでいいからさ、良いんだけどね」
「お、奥様ぁ……!」
…とまあ、アリエス伯爵は我が伴侶の優しさに感動しているみたいだけど、話はそれだけで終わ…
あっこら、断りもなく握手すな!
死なすぞテメェ!!
「…アリエス伯、この作戦の責任というわけではないが、実はもう一人オメガを探さねばならんのだ」
「はあ…なぜに?」
「第二王子殿下が、あ…パッセル君を見初めた」
「何ですとっ!」
「しかも、人が変わったように真面目になった。
いや、元々あそこの兄弟は真面目なんだ…
だから、元に戻っただけとも言えるな」
「……!」
次代の王には、真面目に執務に取り組んで欲しい…
その一心で、幼少のみぎりに「国家とは何か、国王とは何か、王族の心得とは何か」と、がっつり叩き込んでやったのだ。
初等部に通うまでが勝負だと、ギュウギュウに…
それが厳しすぎて歪んだのだとしたら申し訳ない。
「あれはパッセル君と何かあったに違いない。
彼と出会ったアルファは皆、バース性による優位性の脆弱さに気づいてしまう…だろう?」
「はっ、仰る通りです」
「惚れたとしたら非常に面倒だ。
リュノ殿下がお相手であれば、彼をユバトゥスに連れて行かぬ様あちらの王家に交渉するだけで済むが…」
「彼の中立性を失わせるのは勿体ないもんね」
「そのとおりだよ、君」
奴はフェリスを攫っていこうとする悪ではある。
だがこっちが頼まなくても道や河川の整備をやってくれるのは、正直ありがたい。
彼の魔法工法のおかげで道路整備予算が余ってなかったら、支払えなかった請求もあるしな。
河川整備の積み立ても少なくて済みそうだし…。
「パッセル君はこの国に大変有益な存在だ。
私も領地を持つ者として、感謝する部分は大きい。
彼と彼の仲間の功績を讃えて、国からも報奨金を出すつもりだ」
まあ、当然っちゃ当然だよね。
あのクソ王の無駄遣いに比べりゃ全然安いし、断然意味がある。
彼らの名声が高まれば、各地に組織を作るのも楽になるだろうし、そうすれば激甚災害があったとしても予備費を少しは抑えることが出来る…
ああ、地方官吏の非常勤として雇うのもありだな。
悪が死んだ後も、ちゃんと組織として残さねば勿体ない。
「とはいえ、当面は君たち領主派の寄付も必要だ。
だがようやく災害対策らしい事が出来そうなんだ…次世代の為に、我々が今、力を合わせねばな」
「ええ、ええ、そうですとも!」
アリエス伯はニコニコしているが、さっき言った事忘れてないよな?
一応もう一回言っとこ。
「……だが、アリエス伯。
その為には、第二王子殿下が気に入りそうな未婚約のオメガを探さねばならん、だろう?」
「え、ええ、はい、あー、そうですとも!」
わっ、こいつ忘れてたな?
もう一回言って良かった!
「アリエス伯だけでは不安、という事であれば、他の領主殿にお声がけ頂いても良い。
アルファの領主殿ならオメガを見抜けるはず…
領地を隈なく周り、見つけるのだ」
「はい!」
そんで、ついでに領地の地理把握してもらって、危険個所の洗い出しして、災害対策…っと。
さー、キリキリ働いてもらいますかね!
俺も補正予算組みで忙しくなるんだから!
111
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた
木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。
自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。
しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。
ユエ×フォラン
(ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
【完結】ただの狼です?神の使いです??
野々宮なつの
BL
気が付いたら高い山の上にいた白狼のディン。気ままに狼暮らしを満喫かと思いきや、どうやら白い生き物は神の使いらしい?
司祭×白狼(人間の姿になります)
神の使いなんて壮大な話と思いきや、好きな人を救いに来ただけのお話です。
全15話+おまけ+番外編
!地震と津波表現がさらっとですがあります。ご注意ください!
番外編更新中です。土日に更新します。
第十王子は天然侍従には敵わない。
きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」
学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる