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ざまぁなど知らぬ!
【閑話】参戦する女子
ある日、私、見てしまいましたの。
お昼時、食堂で1人溜息を付くセジュール様を…。
「これは…由々しき事態」
お隣にいるはずのロンバード様は?
まさか私の知らぬところで兄離れ…
なんてこと!
公式からの供給がないと、各々が妄想に走って余計な派閥ができてしまいますわ。
そうなるとブロマンス協会としては少々困った事態になりかねません!
ですから私、セジュール様に話しかけましたの。
えっ?女から声を掛けるなど、はしたない?
……それがどうした!
我、令嬢である前にブロマンスを愛する者也!
「どうされましたの?セジュール様。
何だかお顔が暗いですわ…?」
「あっ…ミリエッタさん…うん、実は…」
何と、ロンバード様は今、国際会議で使う予定の「カンシャシャイテキナ」装置を作るために、お昼の時間も惜しんで作業場にお籠りになっているそう…
「その装置を使って、発言権が押した順に得られるようにするんだって…」
「あっ…あ、ああ~、なるほど…ですわ」
薄々感じておりましたけど、ロンバード様はどうやら私と同じ転生者のご様子。ですから、
カンシャシャイテキナ=感謝祭的な
つまり…あのテレビ番組を参考にしたクイズのスイッチを作ろうとしている、ということ…。
「それは大変な……お仕事ですわね」
「ミリエッタさん、分かるの?」
「あっ、いえ…その、装置の事は分かりません。
ですが国際会議でお使いになるものですもの、間違いが許されない事は私にも理解できますわ」
「……そっか」
ふー…ヤバいヤバい。
ロンバード様と私に共通点があるなんて知られた日には、余計に警戒されてしまいますわ…
さて、ここからが本番ですわね。
「ロンバード様は、モノづくりに並々ならぬ情熱のある方なのですわね」
「そうなんだ、何より魔法の道具を作るのが楽しいみたいで…集中しすぎて、僕のことも放っておかれてしまうし、最近は…ダリル殿下と、夕食後も勉強だって言って…」
「っ!それは、まさか……!」
私はセジュール様の目を見つめ…問いました。
「そっ、それは、確かですの…」
セジュール様は悲しげに頷かれました。
それはつまり…
あのお二人が一線を越えてしまわれたと…
な ん て こ と !!
「でも、二人は婚約してて、僕は…」
セジュール様は、ロンバード様とダリル殿下が二人きりのお時間をお増やしになるのは仕方のない事と、我慢しておられる顔…
な り ま せ ん わ !!
「何を言っておられますの!
結婚したって家族は家族ですわ!
婚家を優先すべきなんて…ありえませんっ!」
「ミリエッタさん…!」
「結婚が近いのを理由に、急にご兄弟のお時間を減らしにかかるなんて…横暴ですわ!」
許しませんわ…
結婚したら実家は無いものと思えなんて、関白宣言じゃありませんのよ!?
「いけません…こんな事がまかり通っては!」
ミリエッタ、気合いを入れるのよ。
ここは、私の力を見せる時……!
「セジュール様、この喧嘩、私にも背負わせてくださいませんこと?」
「けっ…喧嘩、なんて…」
喧嘩、そう、今は喧嘩ではない。
だからこそ、今、やらねばならぬ。
感情的になる前に十二分に話し合う事。
それが嫁姑関係円満の秘訣!
……ですわ!多分!
「私、結婚したら婚家に染まりなさいっていうのはどうかと思いますの!」
「あ、あの…でも」
「王家から変わって頂かないと……私たち女が安心して嫁げるようになるためにも!」
そう、私はミリエッタ。
ブロマンスを愛し、嫁いびりを憎む者!
「私、本日、ダリル殿下に、今の「家制度」を見直して頂けるよう直談判しに参ります。
ですからセジュール様はその間、ロンバード様と心ゆくまでお話なさってくださいな…
共に過ごす時間が減りすぎて辛い、と素直に仰れば、きっとロンバード様は聞き入れてくださいますとも、ええ!」
「ミリエッタさん」
心配そうに私を見つめるセジュール様。
でも、この作戦には他にも意味がありますの。
「私が壁となり、お二人の時間を確保して差し上げる…それだけでも意味はありますわ!」
「ミリエッタさん……!」
私の言葉に、セジュール様はようやくお顔を上げて、明るく微笑まれました…
可愛いですわ!
こんな可愛い弟様を放っておくなんて、ロンバード様がなさるはずありませんわ!!
「セジュール様。
私、一生、セジュール様とロンバード様が仲睦まじくあられる事を願うと決めておりますの。
その為なら私、一肌も二肌も脱ぎますわっ!」
本来なら、遠くから見つめるだけにすべきかもしれませんけれど…
私、今生では悔いなく生きると決めたのです!
たとえ天も突けよと掲げた拳に、雷が落ちようと!
……って、いっけなーい!
またまた転生した歳がバレちゃう!
おほほ!
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