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リバース!1
流されて魔法少女1
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さっきも言ったけど、これはストレス発散のオヤジ狩りじゃない。
……いや、まあ、ストレス発散が全くないかって言うと、それはその、なぁ?
「放火犯を捕まえた。場所は……」
俺の横では、こういう時には心を読まない椿が電話をかけている。
ただ、フォローにはなったな……そう、俺の足元で気絶してるこいつはついさっき、他人の家のごみ箱に火を点けようとしてたんだ。
オヤジ狩り疑惑が晴れたところで次、どうやってこいつを倒したか説明するな。
……俺と椿は、見つけた放火犯をこの公園へと追い詰めた。
「ハッ!」
そして俺は、気合いと共にビニール傘を横へと一閃した――男とは距離があったから、最初、鼻で笑われたけどな?
「なっ……うわぁっ!?」
刹那、うねりを上げて巻き起こった突風が下から上へ、放火犯の体を吹っ飛ばす。
いきなりのことに相手は逃げることは勿論、受け身を取ることも出来ず――悲鳴を上げて倒れた男は、白目をむいて気絶した。
そんな訳で、俺は魔法で無事放火犯を倒したんだが。
(一応)女の俺に戦わせて、男の椿は見てるだけ――一見、ひどい扱いだがこれは魔法の訓練なんで問題なかったりする。
※
「不用心だな、お前。それに、要領が悪すぎる」
小学校の入学式で、秘密を打ち明けた俺に椿が言った第一声がそれだった。曰く、練習のやり方と、魔法の使い方に問題があると。
「場所の狙い目は悪くないが、他の奴に見られたらどうする。あと、呪文か? 攻撃内容を、事前に相手にバラしてどうする」
「うっ……」
反論出来ない俺に、椿がある提案をした。
基本練習は今まで通り、神社の広場を使うこと――ただし、外から見られないようにすること。これは漫画で熱を操作し、蜃気楼の要領で見えなくする技があったんで真似してみた。
そして、実戦練習はと言うと――俺達の住んでる町は、放火や引ったくりや痴漢みたいな細々した事件が多い。
そんな連中を実験台にする。そしてその時、呪文を唱えずに魔法を使えって言われたんだ。
『ポモナ、そんなこと出来るのか?』
『呪文はあくまでもイメージを導く手段ですから、しっかり頭でイメージ出来れば可能ですよ。テレスでも、優れた魔法使いなら使えます』
念話で尋ねると、すぐに答えが返された――何だろう、気のせいかポモナがすごく楽しそうだ。
『楽しいですよ。だって、アンリさんの力を引き出してくれる、素晴らしい逸材が現れたんですもん』
語尾に音符マークがついてそうな声に、俺はガックリと肩を落とした。そうだ、ポモナは俺が魔法を使いこなせる方が(より危険が回避出来るから)嬉しいんだった。
「安心しろ。俺が、最強の魔法少女にしてやる」
「出来るかっ!」
一方、椿も(無表情ではあるが)この状況を楽しんでいることが、ツッコミどころ満載な発言を聞いて解った。
……かくして俺の、周りの勢いに負けての魔法修行は始まったのである。
……いや、まあ、ストレス発散が全くないかって言うと、それはその、なぁ?
「放火犯を捕まえた。場所は……」
俺の横では、こういう時には心を読まない椿が電話をかけている。
ただ、フォローにはなったな……そう、俺の足元で気絶してるこいつはついさっき、他人の家のごみ箱に火を点けようとしてたんだ。
オヤジ狩り疑惑が晴れたところで次、どうやってこいつを倒したか説明するな。
……俺と椿は、見つけた放火犯をこの公園へと追い詰めた。
「ハッ!」
そして俺は、気合いと共にビニール傘を横へと一閃した――男とは距離があったから、最初、鼻で笑われたけどな?
「なっ……うわぁっ!?」
刹那、うねりを上げて巻き起こった突風が下から上へ、放火犯の体を吹っ飛ばす。
いきなりのことに相手は逃げることは勿論、受け身を取ることも出来ず――悲鳴を上げて倒れた男は、白目をむいて気絶した。
そんな訳で、俺は魔法で無事放火犯を倒したんだが。
(一応)女の俺に戦わせて、男の椿は見てるだけ――一見、ひどい扱いだがこれは魔法の訓練なんで問題なかったりする。
※
「不用心だな、お前。それに、要領が悪すぎる」
小学校の入学式で、秘密を打ち明けた俺に椿が言った第一声がそれだった。曰く、練習のやり方と、魔法の使い方に問題があると。
「場所の狙い目は悪くないが、他の奴に見られたらどうする。あと、呪文か? 攻撃内容を、事前に相手にバラしてどうする」
「うっ……」
反論出来ない俺に、椿がある提案をした。
基本練習は今まで通り、神社の広場を使うこと――ただし、外から見られないようにすること。これは漫画で熱を操作し、蜃気楼の要領で見えなくする技があったんで真似してみた。
そして、実戦練習はと言うと――俺達の住んでる町は、放火や引ったくりや痴漢みたいな細々した事件が多い。
そんな連中を実験台にする。そしてその時、呪文を唱えずに魔法を使えって言われたんだ。
『ポモナ、そんなこと出来るのか?』
『呪文はあくまでもイメージを導く手段ですから、しっかり頭でイメージ出来れば可能ですよ。テレスでも、優れた魔法使いなら使えます』
念話で尋ねると、すぐに答えが返された――何だろう、気のせいかポモナがすごく楽しそうだ。
『楽しいですよ。だって、アンリさんの力を引き出してくれる、素晴らしい逸材が現れたんですもん』
語尾に音符マークがついてそうな声に、俺はガックリと肩を落とした。そうだ、ポモナは俺が魔法を使いこなせる方が(より危険が回避出来るから)嬉しいんだった。
「安心しろ。俺が、最強の魔法少女にしてやる」
「出来るかっ!」
一方、椿も(無表情ではあるが)この状況を楽しんでいることが、ツッコミどころ満載な発言を聞いて解った。
……かくして俺の、周りの勢いに負けての魔法修行は始まったのである。
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