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器用
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それぞれの使用人であるオーベルと、眼鏡の女性──レーヴの生家からついてきたという乳姉妹・エトワだったが、一緒に行動出来るのは職員室までと、あとは昼休憩の時だけだ。主の授業中は、二人は使用人達の待機部屋にいる。
そんな訳でクロエとレーヴの二人は、担任教師に連れられて移動した。
この学園は家柄ではなく、成績でクラス分けされている。そして二人とも勉強に励んでいたので、無事ユージンやラウラ達と同じクラスになれた。
(色んな考え方があるだろうが、俺としては復讐するなら目が届く方がいい)
そう思いながらも、顔には出さない。この世界では、表情管理が出来ないとどの国の貴族社会でもやっていけない。だから、と言うのも変だがレーヴはむしろ「私はそういうのは苦手なので、平民になって良かった」と笑っていた。まあ、それでも昔取った杵柄か、商いでは十分、顔に出さずに対応しているが。
(成績順だから、滅多にクラス替えはなくてほぼ持ち上がり。逆にテストが多くて、ちょっと成績が上下するとすぐクラス移動になるらしい)
それは、義父であるカルバが教えてくれたことだ。つまりはこの一年間、絶対に成績は落とせないのである。
(ラウラは同じクラスでいられる範囲で、手を抜いてるみたいだが)
一クラス二十人なので、十位前後という訳だ。そうやって調整出来るのだから、実際はもう少し頭が良さそうだが──母親のように奨学生ではないので、女性としては頭が良いくらいの成績で、代わりに可愛らしさを前面に押し出しているようだ。
(中身の俺が男だから、何も知らなければ見た目や言動に騙されてたかな……ジャンヌの記憶があるから、そうはならないが)
そんなことを考えているうちに、これから一年間通う教室へと着いた。
まず担任教師が入り、クロエ達留学生が編入することを伝える。そして彼の呼びかけに従い、レーヴと共にクラスに入ると呑気に笑顔を向けてくるユージンや、お茶会に来ていた生徒会メンバー。そして婚約者特権かユージンの隣の席で微笑んでいるが、目が笑っていないラウラがいた。
それらを見たレーヴが、クロエだけに聞こえるくらいの小声で言う。
「本当、器用ですよね」
「あぁ……他の女生徒的には、アレはどうなのかな?」
笑い出しそうになるのを堪えつつ、レーヴ同様に小声でそう答えると──教師から促されて、微笑みながらレーヴとそれぞれ挨拶をした。
「ごきげんよう、皆様。クロエ・ローランと申します。リブレ国より参りました。一年間、よろしくお願いします」
「レーヴ・ノアイユと申します。リブレ国にある、ノアイユ商会より参りました。どうぞ、よろしくお願いいたします」
タイプの違う美女二人の挨拶に、男子生徒達はだらしなくない程度に鼻の下を伸ばし──女生徒達は、男子生徒同様拍手をしつつも、探るようにクロエ達を見つめていた。
そんな訳でクロエとレーヴの二人は、担任教師に連れられて移動した。
この学園は家柄ではなく、成績でクラス分けされている。そして二人とも勉強に励んでいたので、無事ユージンやラウラ達と同じクラスになれた。
(色んな考え方があるだろうが、俺としては復讐するなら目が届く方がいい)
そう思いながらも、顔には出さない。この世界では、表情管理が出来ないとどの国の貴族社会でもやっていけない。だから、と言うのも変だがレーヴはむしろ「私はそういうのは苦手なので、平民になって良かった」と笑っていた。まあ、それでも昔取った杵柄か、商いでは十分、顔に出さずに対応しているが。
(成績順だから、滅多にクラス替えはなくてほぼ持ち上がり。逆にテストが多くて、ちょっと成績が上下するとすぐクラス移動になるらしい)
それは、義父であるカルバが教えてくれたことだ。つまりはこの一年間、絶対に成績は落とせないのである。
(ラウラは同じクラスでいられる範囲で、手を抜いてるみたいだが)
一クラス二十人なので、十位前後という訳だ。そうやって調整出来るのだから、実際はもう少し頭が良さそうだが──母親のように奨学生ではないので、女性としては頭が良いくらいの成績で、代わりに可愛らしさを前面に押し出しているようだ。
(中身の俺が男だから、何も知らなければ見た目や言動に騙されてたかな……ジャンヌの記憶があるから、そうはならないが)
そんなことを考えているうちに、これから一年間通う教室へと着いた。
まず担任教師が入り、クロエ達留学生が編入することを伝える。そして彼の呼びかけに従い、レーヴと共にクラスに入ると呑気に笑顔を向けてくるユージンや、お茶会に来ていた生徒会メンバー。そして婚約者特権かユージンの隣の席で微笑んでいるが、目が笑っていないラウラがいた。
それらを見たレーヴが、クロエだけに聞こえるくらいの小声で言う。
「本当、器用ですよね」
「あぁ……他の女生徒的には、アレはどうなのかな?」
笑い出しそうになるのを堪えつつ、レーヴ同様に小声でそう答えると──教師から促されて、微笑みながらレーヴとそれぞれ挨拶をした。
「ごきげんよう、皆様。クロエ・ローランと申します。リブレ国より参りました。一年間、よろしくお願いします」
「レーヴ・ノアイユと申します。リブレ国にある、ノアイユ商会より参りました。どうぞ、よろしくお願いいたします」
タイプの違う美女二人の挨拶に、男子生徒達はだらしなくない程度に鼻の下を伸ばし──女生徒達は、男子生徒同様拍手をしつつも、探るようにクロエ達を見つめていた。
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