みんなのたいちょう[完]

なかあたま

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「あ゛っ……!」

 小屋へ近づいた途端、声が聞こえた。俺は慌てて身を屈め、窓を覗き込み様子を伺う。中では四名の男がルタを囲んでいた。
 それぞれが性器を取り出し、彼になすり付けたり挿入したりしている。こちらに背中を向けている男の肩に、隊長の真白い足がかかっており、腰を動かす度に宙を蹴っていた。
 淡い金髪を鷲掴みにし、性器を咥えたルタの頭を乱暴に揺さぶっている男もいれば、彼の耳に亀頭をなすり付け恍惚そうに頬を緩めている男もいたし、彼の華奢な手を使い扱くものもいた。それぞれが卑猥な言葉を隊長に浴びせている。

「ん゛、んッ、んーッ……」
「あぁ、隊長っ、 出る、出ますッ」

 男の醜い喘ぎが耳に届く。それと同時に、ルタへ挿入している男の腰が激しく動いた。足先がピンと張り、苦しげに喘ぐルタの眉が歪む。その様子に興奮したのか口に挿入していた男が、喉の奥まで性器を突き立てた。反射的に嘔吐しそうになる彼の後頭部を掴み、腰を打ち付ける。
 ボロボロと涙を流すルタがきつく目を瞑る。

「あっ、あー……! 隊長、隊長……っ」

 達したのか、男の背中が痺れる。好きです、と譫言のように呟きながら射精後の気怠さに浸っていた。口に咥えさせていた男が、俺も出る、と切羽詰まった様に喘ぐ。
 喉の奥で出されたのか、ルタは醜い声を上げる。バタバタと足を動かし、逃れようと必死だ。しかし、数名の男たちに押さえつけられている彼に逃げ場はない。

「はっ、スッゲ……隊長、鼻から出てる」

 口からずるりと長い性器を取り出した男が、楽しそうに声を漏らす。ルタは顔を真っ赤にさせ、唇と鼻から精子を垂らしていた。ゼェゼェと掠れた呼吸音が聞こえる。喉に精子が絡まっているのか激しく咳き込んだ。

「クソ、キスしたいのにお前が出したせいで出来ない。口を使って射精するの禁止にして欲しいな」
「お前がいくのが遅いからこうなるんだよ」

 男たちがまるでなんてことないように、日常会話の如く話をしている。真下で、隊長は息も絶え絶えだ。どうもその様子が恐ろしくて、けれど自身の下半身が素直に反応していることに絶望する。

「はっ、はっ、……はっ、はっ……あっ」
「あっ、た、たいちょ……」
「っ!」

 ルタの耳で扱いていた男が音もなく射精した。鈴口から溢れ出た白濁液が、ルタの形のいい耳にかかり、穴へ垂れている。お前、マニアックすぎるだろ。と周りに揶揄われていたが、みんな興味があるのか、その小さな穴に指を入れ、精子を奥へと捩じ込んでいた。

「やだっ、ぅ……うぅ……」

 ルタが顔を振り、それを嫌がる。嫌がっちゃダメじゃないですか。男のうちの誰かが愉快げに笑う。

「隊長が許可したんですよ? こんな態度取られちゃ、気分悪いなぁ」

 パシンと軽い音が響き、頬を弾かれた隊長が目に入る。瞬間、全身が熱い痺れに包まれた。やめろ。そう叫びそうになった時、小屋の扉を誰かが開けた。
 そこにはまた別の男たちが立っていた。まだかよ? と促され、ルタの手で扱いていた男が抗議の声を上げる。

「俺はまだ挿れてない」
「じゃあ、さっさと終わらせろよ」

 部屋へ入ってきた男たちに、ルタの表情が曇る。絞り出した声は震えていた。

「ぼ、ぼく、ぼく、もう、むり……」

 首を横に振り、青褪めた顔の彼が自分の周りを囲む男たちに抗議した。しかし、そんな言葉を聞き入れる様子もなく、無数の手が彼へ伸びる。俺は見ていられなくてその場を立ち去った。
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