1 / 16
Act01 ホックギール東端部 アミーアロゼ郊外の廃墟地区
Act01-01
しおりを挟む
廃墟――
それは瓦礫を踏む音が物語る……。
栄華を誇ったガイヤポリス。
世界に名だたる近代都市。
その、なれの果ての姿。
焼け爛れたブロックとその鉄筋と……。
ファイバーケーブルが干からびた蛇のように、その細身を醜くも歪めている。
それはあたかも躯と化したこの都市の血を枯らしてしまった動脈のように。
辺りは、殺伐として……。
時おり、遠い空にアサルトライフルが響いては、滲ませている白煙の色をより一層濃く感じさせている。
爆音!
赤く色づいた黒煙が珊瑚のように丸くひび割れた大きな頭を持ち上げている。
ガラスを踏む音。
ボルトのようなメタルが、ゼップブーツの硬い爪先に弾かれて、転がる音。
焼けたコンクリートの小塊がブーツの厚底の下、簡単に砕けては砂に帰してゆく。
〝HOLD!(静止!)〟
崩れそこねた分厚い壁の影。カレンはその拳を後背に続く者達に翳して見せた。
壁の途絶部分から、辺りを確認する。
広い通り……朽ちたアスファルト。
その向う側。
ビル……崩れてその胴体を半分なくし、四角い穴を無数に空けたまま傾げている。
動くものは……。
――何もない。
振り返ると、カレンは一時休憩の合図を送った。
壁にもたれ、肩の力を抜く。自然と安堵の息が洩れ、それが化鏡変光式バイザーの内側を一瞬曇らせた。
カレンの右方でも、皆同様に安堵の息をヘルメットの内側に雲らせている。
カレンは空を見上げた。
黒煙に霞む彼方。僅かに白い雲をたたえ、蒼穹が広がっている。
そこには、午後だというのに満点の星が白く輝いて見えている。
――忌々しい星空だっ……。
それは瓦礫を踏む音が物語る……。
栄華を誇ったガイヤポリス。
世界に名だたる近代都市。
その、なれの果ての姿。
焼け爛れたブロックとその鉄筋と……。
ファイバーケーブルが干からびた蛇のように、その細身を醜くも歪めている。
それはあたかも躯と化したこの都市の血を枯らしてしまった動脈のように。
辺りは、殺伐として……。
時おり、遠い空にアサルトライフルが響いては、滲ませている白煙の色をより一層濃く感じさせている。
爆音!
赤く色づいた黒煙が珊瑚のように丸くひび割れた大きな頭を持ち上げている。
ガラスを踏む音。
ボルトのようなメタルが、ゼップブーツの硬い爪先に弾かれて、転がる音。
焼けたコンクリートの小塊がブーツの厚底の下、簡単に砕けては砂に帰してゆく。
〝HOLD!(静止!)〟
崩れそこねた分厚い壁の影。カレンはその拳を後背に続く者達に翳して見せた。
壁の途絶部分から、辺りを確認する。
広い通り……朽ちたアスファルト。
その向う側。
ビル……崩れてその胴体を半分なくし、四角い穴を無数に空けたまま傾げている。
動くものは……。
――何もない。
振り返ると、カレンは一時休憩の合図を送った。
壁にもたれ、肩の力を抜く。自然と安堵の息が洩れ、それが化鏡変光式バイザーの内側を一瞬曇らせた。
カレンの右方でも、皆同様に安堵の息をヘルメットの内側に雲らせている。
カレンは空を見上げた。
黒煙に霞む彼方。僅かに白い雲をたたえ、蒼穹が広がっている。
そこには、午後だというのに満点の星が白く輝いて見えている。
――忌々しい星空だっ……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる