シンデレラ、あなたは決まって欲がない

シンデレラ、君の名前は。

僕にとっての初恋相手はどうやら不登校のようだ。
「あの子名前なんて言うんだろ。」
「さあなー。律都は一目惚れするタイプなんだな」
「律は純粋、ピュアピュアちゃんだな！」
「黙れ、チャラ男！！」
「確かに朔弥はチャラ男だな」
「蒼てめーいうじゃねーか。茉由ちゃんとは最近どうなんだよ、ムッツリ！」
「あれ茉由とはもう別れてるけど、朔弥には言ってなかった？」
「律は知ってたのか！？」
「うん。中3の秋に別れたよね？」
「よく覚えてたね」
「朔弥に言ってたら、茉由ちゃんが可哀想な状況になってたよ。声でかいから。」
「クラスどころか学年中に拡散だよね」
「そうそう」
蒼は中1から付き合ってた茉由ちゃんって子がいて別れた今は良き友って感じでたまに廊下で話したりしてる。
「茉由に聞いてみようか、あの子知らないか。」
「うん！」
茉由ちゃん美人で気さくで人気も高く友人も多い。
茉由ちゃんなら知ってそうだな！


昼休みに蒼が茉由ちゃんに聞いてくれた。
「あー、一人不登校の子いるね～！たしか、牧野美湖さん。牧場の牧に野原の野、美しい湖みずうみでマキノミコちゃん。1日も教室には来てないよ。同じ学校だった子がいうには、別にいじめとかじゃないみたい。」
「そっか、、、。」
「律都くん、気になってるの？美湖ちゃんの事。」
ニヤニヤしながら聞いて来る茉由ちゃん。
「う、うん。」
「茉由、からかいすぎるなよ？初恋なんだから。」
「蒼！！」
「茉由は口硬いから大丈夫だよ」
「口軽いのは朔弥くんでしょ」
「そうか。」
「おい！律も納得してんじゃねーよ！」
「美湖ちゃんと同じ学校だった子に聞いてみようか？アドレスとか。」
「でも、知らない子からいきなりメールきたら怖くないか？」
「そう？」
「とりあえず名前がわかっただけでも前進だよな？律都。」
「うん！美湖さん。綺麗な名前。」
「律、グイグイ行きすぎるなよ？」
「わかってるもん！」
「あ、私友達待たせてるからもう行くね！」
「ありがとうございました！茉由ちゃん」
「いいえ！じゃあね！」
「ばいばい」
「またなー！」
「律都、また美湖ちゃん見れたらいいね」
「うん！」


また早く顔が見たいな。
次は挨拶くらいはしてみたい。