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第1章 はじめまして。家族になった日
トラウマ
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バタンとドアが閉まる。
「許可も取らず、誰にも言わないで深夜に二人でコソコソ出かけていいと思ってんの?」
いつものヘラヘラした翔さんじゃない。
どんな態度をとってもこんな怖いオーラ見た事なかった。
「なあ、なんとか言ったら?もうすぐ20歳つってもお前じゃ妹守れないだろ?」
低い声で『お前』と聞いた途端に自分の異変に気づく。
冷や汗が止まらない。
「なあ、聞いてんのか?」
そう言って胸ぐらを掴まれた。
「ちょっと!!離れてよ!!」
その声が聞こえたのか、母親と直人さんが部屋に急いで上がってきた。
「なにしてるの!?」
「翔!!離しなさい!!」
「廉ちゃん!?ママ!廉ちゃんフラッシュバックしてるかもしれない!呼吸変だよ!」
「廉ちゃん?ママよ?大丈夫よ?怖くない。汗かいてるわね...」
「翔は部屋にいなさい。百合さん、白衣着てくるから廉くんベッドに運んでもいいかな。」
「えぇ。」
「廉ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫よ、百々ちゃん。百々ちゃんも看護師目指すなら慣れないとね、非常事態に。」
「うん...」
「お待たせ。廉くん、聴診させてね。」
ひんやりしたものが心臓付近に当たる。
「心拍早いね~。まだ落ち着けないね。怖かったね。でも、もう大丈夫だからね」
「いつもゆっくり休ませたら治るから、そっとしておきましょう」
「もし、長引きそうなら病院へ。お薬出すよ。」
「ありがとう。」
「百々ちゃんは、廉ちゃんのそばにいる?」
「いる!!見張っておく!!」
「廉くんをよろしくね。僕は翔と話さなきゃな。百々ちゃんもびっくりさせて悪かった。」
「いえ...私は廉ちゃんより強いから」
「じゃあ、ごめんけど廉くんをよろしく。」
「はい...」
2時間くらい経ってようやく落ち着いた。
「ふぅ...」
「どぉ?しんどい?」
「うん」
体は重くて、血の気が引いてる感覚。
「映画みよ!いつも通りの方が安心するでしょ?」
「かもしれないね」
「今日は...ファンタジー系にする?」
「いいよ、百々が好きなやつで。」
「じゃあ、これ!」
「パソコン立ち上げて、入れてくれる?」
「うん!」
百々がお水を持ってきてくれて、でも手が震えてもてなくて介助してもらいながら、コップ一杯分飲めた。
「百々ありがと」
「いーえ!廉ちゃんゴロンのまんま見た方がいいよ!」
「そうする。」
百々はプリンを持ってきて食べ始めた。
映画も中盤に差し掛かったあたりで、カチャリと扉が開いた。
直人さんと母親だった。
「廉くんどう?病院行く?」
黙って首を振る。
「ごめんね、翔が。ちょっともう一度聴診させてね」
白衣を着た直人さんは俺には医者にしか見えないから抵抗感はない。
布団の中で聴診を受ける
「うーん、さっきよりはマシって感じだね」
「廉ちゃんコップ今持てない」
「自律神経も乱れてるから、落ち着いたら持てるようになるよ」
「廉ちゃん、やっぱり一度薬もらいに行かない?」
母親はそう諭してくるが、元々薬は嫌いなので行く気はない。
「廉ちゃんが嫌って言ってるから、行かなくていいの!!」
「百々ちゃん...」
「許可も取らず、誰にも言わないで深夜に二人でコソコソ出かけていいと思ってんの?」
いつものヘラヘラした翔さんじゃない。
どんな態度をとってもこんな怖いオーラ見た事なかった。
「なあ、なんとか言ったら?もうすぐ20歳つってもお前じゃ妹守れないだろ?」
低い声で『お前』と聞いた途端に自分の異変に気づく。
冷や汗が止まらない。
「なあ、聞いてんのか?」
そう言って胸ぐらを掴まれた。
「ちょっと!!離れてよ!!」
その声が聞こえたのか、母親と直人さんが部屋に急いで上がってきた。
「なにしてるの!?」
「翔!!離しなさい!!」
「廉ちゃん!?ママ!廉ちゃんフラッシュバックしてるかもしれない!呼吸変だよ!」
「廉ちゃん?ママよ?大丈夫よ?怖くない。汗かいてるわね...」
「翔は部屋にいなさい。百合さん、白衣着てくるから廉くんベッドに運んでもいいかな。」
「えぇ。」
「廉ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫よ、百々ちゃん。百々ちゃんも看護師目指すなら慣れないとね、非常事態に。」
「うん...」
「お待たせ。廉くん、聴診させてね。」
ひんやりしたものが心臓付近に当たる。
「心拍早いね~。まだ落ち着けないね。怖かったね。でも、もう大丈夫だからね」
「いつもゆっくり休ませたら治るから、そっとしておきましょう」
「もし、長引きそうなら病院へ。お薬出すよ。」
「ありがとう。」
「百々ちゃんは、廉ちゃんのそばにいる?」
「いる!!見張っておく!!」
「廉くんをよろしくね。僕は翔と話さなきゃな。百々ちゃんもびっくりさせて悪かった。」
「いえ...私は廉ちゃんより強いから」
「じゃあ、ごめんけど廉くんをよろしく。」
「はい...」
2時間くらい経ってようやく落ち着いた。
「ふぅ...」
「どぉ?しんどい?」
「うん」
体は重くて、血の気が引いてる感覚。
「映画みよ!いつも通りの方が安心するでしょ?」
「かもしれないね」
「今日は...ファンタジー系にする?」
「いいよ、百々が好きなやつで。」
「じゃあ、これ!」
「パソコン立ち上げて、入れてくれる?」
「うん!」
百々がお水を持ってきてくれて、でも手が震えてもてなくて介助してもらいながら、コップ一杯分飲めた。
「百々ありがと」
「いーえ!廉ちゃんゴロンのまんま見た方がいいよ!」
「そうする。」
百々はプリンを持ってきて食べ始めた。
映画も中盤に差し掛かったあたりで、カチャリと扉が開いた。
直人さんと母親だった。
「廉くんどう?病院行く?」
黙って首を振る。
「ごめんね、翔が。ちょっともう一度聴診させてね」
白衣を着た直人さんは俺には医者にしか見えないから抵抗感はない。
布団の中で聴診を受ける
「うーん、さっきよりはマシって感じだね」
「廉ちゃんコップ今持てない」
「自律神経も乱れてるから、落ち着いたら持てるようになるよ」
「廉ちゃん、やっぱり一度薬もらいに行かない?」
母親はそう諭してくるが、元々薬は嫌いなので行く気はない。
「廉ちゃんが嫌って言ってるから、行かなくていいの!!」
「百々ちゃん...」
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